レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005/05/03
- 登録日時
- 2006/07/28 02:10
- 更新日時
- 2008/12/28 10:18
- 管理番号
- 埼浦-2006-015
- 質問
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解決
観兵式行進曲について詳しく知りたい。
- 回答
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「観兵式行進曲」という題の楽曲について記述された資料は見つからなかった。観兵式で使用する行進曲を指すものと推察されるので「分列行進曲」について楽曲・歌詞・作者・簡単な解説などの記述もしくは収録のある資料を紹介する。詳細な記述がある資料は見つからず。
『音楽五十年史 上』p132-134に「抜刀隊」「陸軍分列行進曲」について記述あり。
『吹奏楽大全集 Vol3』(CD)「分列行進曲」と「抜刀隊」との関係について「陸軍分列行進曲」という題で楽曲が収録されており、解説書に記述あり。「1884年から5年間来日して陸軍軍楽隊を指導していたフランスの元砲兵隊軍楽隊長X.ルルー少尉は・・・同じく彼が作曲した軍歌「抜刀隊」のメロディーをトリオに配したこの「日本陸軍分列行進曲」を作った。この曲は1897年頃に陸軍の公式行進曲に制定されたが戦後も陸上自衛隊は観閲指揮の際演奏している。」
『ブラスバンドの社会史』p95-96に作曲者ルルーの活動についての記述があり、1885年「扶桑歌」「抜刀隊」を作曲して鹿鳴館で発表、続いて2曲の旋律を取り入れた「陸軍分列行進曲」を作曲したとの解説がある。
『日本軍歌全集』p480-481にルルー作曲の「抜刀隊」が日本最初の軍歌であり、天皇の観兵式に演奏される基本的な行進曲「分列行進曲」の中間部に用いられたとの記述あり。
『物語・軍歌史』p18に「抜刀隊」が終戦まで日本陸軍の「分列行進曲」に使われていたこと、現在もフランス陸軍軍楽隊の礼式曲の中にあると記述あり。
『戦争歌(いくさうた)が映す近代』p59-64に「抜刀隊」の成り立ちについて解説があり、作詞者外山正一の人物についてもわずかながら記述あり。
『軍歌と日本人』p113-114に「抜刀隊」についての成り立ち・エピソードが記述されているが、「分列行進曲」との関係については記述なし。
『定本日本の軍歌』p29-40に「抜刀隊」について、歌詞、楽譜、曲についての解説あり。
- 回答プロセス
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《Yahoo!JAPAN》を〈観兵式行進曲〉で検索すると山梨県立図書館のレファレンス事例集に「学徒出陣の壮行会の行進曲は何か。」という事例があり。
(http://www.lib.pref.yamanashi.jp/cgi-bin/refjirei/refs.cgi?c=common&n=18 山梨県立図書館 2005/04/09最終確認)
「調査過程」で紹介されていた以下の図書を調査する。
『学徒出陣』p10 学徒出陣の壮行式典(昭和18年)に観兵式行進国が陸軍戸山学校軍楽隊によって演奏されたことがわかる。
『日本のうた 軍歌編』p20 「戦時中、陸軍観兵式で徒歩隊の行進に用いられた「分列行進曲」は明治35年6月、陸軍省が制定し、依頼、陸軍軍人だけでなく、一般国民にとっても馴染の深い曲となる」また「抜刀隊」という曲のメロディーを取り入れているともあり。「抜刀隊」の歌詞もあり。
『定本日本の歌』p29-40 「抜刀隊」について歌詞及び楽譜、曲についての解説あり。
その他、少しでも情報のある以下の資料を回答に用いた。
『音楽五十年史 上』『吹奏楽大全集 Vol.3』(CD)『ブラスバンドの社会史』『日本軍歌全集』『物語・軍歌史』『戦争歌(いくさうた)が映す近代』『軍歌と日本人』
- 事前調査事項
- NDC
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- 声楽 (767 9版)
- 器楽合奏 (764 9版)
- 叢書.全集.選集 (080 9版)
- 参考資料
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- 『音楽五十年史 上』(堀内敬三 講談社 1977)
- 『吹奏楽大全集 Vol.3』(CD)
- 『ブラスバンドの社会史』(阿部勘一 青弓社 2001)
- 『日本軍歌全集』(長田暁二 音楽之友社 1976)
- 『物語・軍歌史 音楽の中の戦いのうた』(坂本圭太郎 創思社出版 1984)
- 『戦争歌(いくさうた)が映す近代』(堀雅昭 葦書房 2001)
- 『軍歌と日本人』(加太こうじ 徳間書店 1965)
- 『定本日本の軍歌』(堀内敬三 実業之日本社 1969)
- キーワード
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- 軍歌
- 行進曲-軍楽
- 全集
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000029714