レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/01/17
- 登録日時
- 2015/12/04 14:19
- 更新日時
- 2016/03/25 15:07
- 管理番号
- 埼熊-2015-082
- 質問
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未解決
「水富村郷土誌」のp89-に掲載されている地誌編輯(明治20年編の高麗郡根岸村、笹井村上広瀬村、下広瀬村)の典拠が知りたい。
p146の「あとがき」によると、「当時全国一勢に統一書式で調査されたもの」とあるので、「内務省地理局編纂善本叢書」に収録されているかもしれない。異なるのであれば、その典拠を知りたい。
- 回答
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質問の典拠が記された資料は見つからなかった。
備考に追記あり。(2016/01/26)
- 回答プロセス
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1調査指定資料について
『内務省地理局編纂善本叢書』のうち、原発行明治20年前後のものを確認したが、該当なし。
『内務省地理局編纂善本叢書 明治前期地誌資料 11 地方要覧 各府県戸長役場町村戸口表 都府名邑戸口表 地方税経済ニ属スル土地坪数表・明細簿 京都金沢地積』(内務省地理局編纂物刊行会編 ゆまに書房 1985)
『内務省地理局編纂善本叢書 27 地方行政区画便覧 明治前期地誌資料』(内務省地理局編纂物刊行会編 ゆまに書房 1985)
『内務省地理局編纂善本叢書 28 地方行政区画便覧 明治前期地誌資料』(内務省地理局編纂物刊行会編 ゆまに書房 1985)
2当時の地誌調査について調べる
『内務省地理局編纂善本叢書 明治前期地誌資料 11 地方要覧 各府県戸長役場町村戸口表 都府名邑戸口表地方税経済ニ属スル土地坪数表・明細簿 京都金沢地積』(前掲)
p〔1-2〕「序」
「明治政府は、明治八年六月五日をもって最終的に詳細な「皇国地誌編輯例則並着手方法」を各都府県に示し、出来次第内務省地理局に提出した。この通達により提出された資料は、「村誌」と「郡誌」の二部に分かれ、内容は極めて詳しく記述されており、(後略)」とあり。
『国史大辞典 9』(吉川弘文館 1988)
p402「地誌」の項
「明治維新後、政府は天皇中心の中央集権化の施策の中で国史・地誌の編纂を企図、(中略)皇国地誌編集をすすめ、明治七年(一八七四)から『日本地誌提要』を刊行。内務省地理局はこの事業を引きつぎ、各府県から郡村誌を集積、明治十九年『大日本国誌』のうち『安房国誌』を刊行したが続かず、事業は明治二十三年帝国大学に移管されて終息した。」とあり。
3「皇国地誌」の内容を確認する
(1)《レファ協DB》の事例「埼玉県における『皇国地誌』について、(1)編纂状況がわかる資料、(2)地元保存史料の保存状況、(3)復刻状況がわかる資料を探している。」
回答欄に「(3)埼玉県における『皇国地誌』の復刻状況について 『埼玉県行政史 1』p322に、「昭和二十八~三十年にかけて、『武蔵国郡村誌』全十五巻として埼玉県立図書館から印刷刊行した。」とあり。(https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000037681 国会図 2014/12/27最終確認)
これにより『武蔵国郡村誌 5』(埼玉県立図書館 1954)を確認する。
p180-192 各村の地誌があるが、記述内容は『水富村郷土誌』と異なる。
(2)『地名学研究 復刻版』(日本地名学研究所編 名著出版 1982)
創刊号p49-54に皇国地誌編輯例則あり。項目とその排列は『水富村郷土誌』と異なる。
4「大日本国誌」の内容を確認する
(1)『大日本国誌武蔵国 1-14』(内務省地理局〔編〕 ゆまに書房 1988)
村別ではなく、項目別に編集されているため、記述内容は『水富村郷土誌』と異なる。
「はじめに」に、「大日本国誌は、明治五年以来、内務省地理局において「皇国地誌」「郡誌」「村誌」等の書名を以て全国的規模で調査された資料群をもとにまとめ挙げられた稿本の総称でありますが(後略)」とあり。
5狭山市、水富地区に関する資料を確認する
(1)『狭山市史 地誌編』(狭山市 1989)
p626「第六章水富地区 第二節笹井」の中に「明治二十年(1887)に作成された『地誌編輯』には(後略)」とあり。
p644「第六章水富地区 第三節根岸」の中に「『地誌編輯』(明治二十年‐1887)によると(後略)」とあり。
p658「第六章水富地区 第四節上・下広瀬」の中に「明治二十年(1887)の『地誌編輯』でみると(後略)」とあり。
いずれも典拠に関する記述なし。
(2) 『狭山市史 近代資料編』(狭山市 1988)
「地誌編輯」は収録されていない。
(3)『狭山市行政文書目録 1 狭山市史編さん調査報告書 1』(狭山市史 編さん係 1979)
該当なし。
(4)『狭山市行政文書目録 2 狭山市史編さん調査報告書 2』(狭山市史 編さん係 1977)
該当なし。
6狭山近隣の地誌調査を確認する
(1)『入間市史調査集録 1 五ヶ邑地誌編冊』(入間市史編さん室 1979)
高麗郡の地誌についての記述ではないが、明治期の地誌調査等に関する解説あり。
p4「県下ではこれらは集大成されて『武蔵国郡村誌』として今日に伝えられたのである。」
p5「「五ヶ邑地誌編冊」は、(中略)「武蔵国郡村誌」所載の内容よりはるかに詳細(後略)」
(2)『武州高麗郡中山村記録』(中藤栄祥編 中藤栄祥 1966)
地誌編輯に関する解説あり。
p22「この村誌は、当村の役人が公達の例則に基づいて、村内の状況を編述申した草稿である。(中略)多少疑問に思われる点もある。けれども、これを参考として、県撰の村誌が編集されている。」
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 関東地方 (213 9版)
- 貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション (090 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 埼玉県-狭山市-地誌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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レファ協事業サポーター様より情報提供あり。提供情報により、以下のウェブサイトで「皇国地誌編纂」に関する規程が閲覧できることがわかった。
国立公文書館デジタルアーカイブ
http://www.digital.archives.go.jp/
件名 皇国地誌編輯例則并着手方法附例則追補・二条
階層 第六類 太政類典>
太政類典・第2編・明治4年~明治10年>
太政類典・第二編・明治四年~明治十年・第四十三巻・官規十七・図籍一
請求番号 本館-2A-009-00・太00265100
件名番号 025
作成部局 太政官
年月日 明治8年06月05日
関連事項 地誌・達第九十七号・内務
マイクロフィルム リール番号:003100、開始コマ:1156
http://goo.gl/kxTXnL
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000185107