レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 県立長野図書館 (2110021) | 管理番号 (Control number) | 県立長野-23-017 | ||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2023年04月04日 | 登録日時 (Registration date) | 2023年05月04日 15時29分 | 更新日時 (Last update) | 2023年06月06日 22時36分 | ||||||
質問 (Question) | 新潟県の妙高(みょうこう)山が江戸末期に噴火した際に噴出した硫黄が、信濃へ流通したか知りたい。『妙高高原町史』 妙高高原町史編集委員会編 妙高高原町 1986 【N259/21】のp.498-499に佐久間象山が採掘したという記述がある。 | ||||||||||
回答 (Answer) | 『妙高高原町史』 妙高高原町史編集委員会編 妙高高原町 1986 【N259/21】のp.380-381, 498-499にあるとおり、佐久間象山が硫黄を採掘し、火薬製造をしたことが書かれているが、「硫黄の運搬コース、その他詳しいことは不明である」ともある。 [国立国会図書館デジタルコレクション参加館公開・個人送信限定 最終確認2023.5.15] 松代藩側の資料を探したが、大砲の製作、砲術訓練などの記述は見受けられるが、硫黄の流通、火薬製造についての記述は確認できなかった。 『長野県史 近世史料編 第7巻(2)北信地方』 長野県編 長野県史刊行会 1981 【215.2/ナガ/1-7-2】のp.949に「慶応二年八月 水内郡柏原村等硝石製造人調」が川浦役所宛に出されている。当時、柏原村(現・長野県信濃町)周辺は天領で、新潟県にある川浦役所の管轄地域だった。ただし、この調べでは、当該村域には硝石取り扱いをするものはいない、という報告だった。[国立国会図書館デジタルコレクション参加館公開・個人送信限定 最終確認2023.5.15] また、次の資料は当館では所蔵していないが、『赤倉温泉沿革史』渡辺慶一 著 赤倉温泉組合 1955 [国立国会図書館デジタルコレクション参加館公開・個人送信限定 最終確認2023.5.15] で全文検索すると、佐久間象山のことがいくつもヒットするので、参考にするよう案内した。p.90-92にかけて弘化4年の訪問について記されており、その際の「宝蔵院日記」が、p.121-122に掲載されている。 なお、この資料に出てくる採掘請負人の志垣村・弥左衛門に関する文書「佐久間象山宛水内郡志垣村弥左衛門硫黄採掘御内借金返済請書」は、『長野県史 近世史料編 第7巻(2)北信地方』(再掲)のp.321にある。 | ||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 1 当館のレファレンス協同データベース事例 県立長野-22-111「江戸時代に小諸商人が、白根山の硫黄を新潟方面へ売りさばいていた流通経路」県立長野-22-167「千曲川通船の経路と経緯について知りたい。 とくに、硫黄の流通・・・」で、新潟方面との硫黄の流通について調査済みだったため、妙高山もしくは焼山、佐久間象山と火薬製造について調べていくことにする。 2 当館所蔵の郷土史雑誌の記事を、「妙高 硫黄」「焼山 硫黄」「硫黄 松代」「硫黄 流通」「妙高 流通」「焼山 流通」「硫黄」等で検索する。該当記事は確認できない。 3 松代藩の歴史を調べるために、『松代町史 上巻』 大平喜間多編 臨川書店 1986(松代町役場 1929の復刻) 【N212/236/1】を見る。p.400から、松代藩の大砲や砲術訓練、海防策の進言に触れた箇所が続くが、硫黄を入手し、火薬を製造した旨の記述は確認できなかった。 4 『長野県史 近世史料編 第7巻(2)北信地方』で、現在の信濃町から松代にかけての村の記事で、硫黄や硝石など、火薬にかかわる記述を探す。 5 「国立国会図書館デジタルコレクション」を「佐久間象山 硫黄」で検索し、新潟県境にかかわるものをいくつか見ていく。 <調査済み資料> ・『松代町史 下巻』 大平喜間多編 臨川書店 1986(松代町役場 1929の復刻) 【N212/236/2】 ・『松代と黒船来航』 真田宝物館編・刊 2013 【N212/535】 ペリー来航に際しての海防策等の展示カタログ。砲弾、火薬の入手についての史料は確認できない。 ・『松代藩庁と記録』国文学研究資料館史料館編 名著出版 1998 【N212/327】 嘉永元年までを収録。 ・『松代歴史散策』 小畑伍著 鬼灯書籍 2009 【N212/451】 ・『続・松代歴史散策』 小畑伍著 龍鳳書房 2017 【N212/451/2】 p.194に「象山と西洋砲術・江川太郎左衛門塾」があるが、砲術が奨励されたことについての記述が主 で弾薬製造についての記載はない。 ・『松代藩』 田中博文著 現代書館 2012 【N212/516】 p.121-150に「幕末の松代藩と佐久間象山の活躍」があるが、弾薬製造についての記載はなく、硫黄 の流通に関する記述もない。 ・『長野県上水内郡誌 歴史編』 上水内郡誌編集会編・刊 1976 【N212/93/2】 ・『信濃町誌』 信濃町誌編纂委員会編 信濃町 1968 【N212/89】 ・『真田家と佐久間象山』 真田宝物館他編 長野市観光協会 [発行年不明] 【N288/258】 ・『松代及び須坂奉行所関係記録 上巻』 [不明] 【N210/2/1】 ・『松代及び須坂奉行所関係記録 下巻』 [不明] 【N210/2/2】 同奉行所の関係記録の写本で巻末にも「控」とある。幕末の年代の記載も見受けられるが、写本で活字 翻刻されたものではないため、レファレンスの調査対象外。 ・『妙高火山群の地形と地質』 早津賢二編著 妙高火山研究所 2015 【N453.8/52】 ・『火の山 みょうこう』 早津賢二文 川崎日香浬画 妙高火山研究所 2020 【N453/22】 ・『妙高は噴火するか』 早津賢二著 新潟日報事業社 2012 【N453.8/51】 ・『上水内郡地質誌』 八木貞助著 八木健三増補 上水内教育会 1958 【N455/22】 | ||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) | |||||||||||
キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||
備考 (Notes) | |||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 郷土 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | ||||||
登録番号 (Registration number) | 1000332856 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) |