戦時中の徴用について調べている。参考になる資料を紹介してほしい。

①徴用（国家統制下）の対象となっていた企業の一覧はあるか。徴用の対象となっていなかった中小企業がわかる資料があればなおよい。
②大企業ほど手厚い保護を受けていなかったと思われる中小企業の人員が不足した際に、政府は何か施策を講じていたのか否か知りたい。闇ルートで人手を紹介していたというような内容でもよい。

以下の資料を提供。

①
『國民徴用關係法令集』
『統制会年鑑　昭和１８年版』
『決戰統制會大鑑』
『戦時朝鮮人強制労働調査資料集』
p13～57「朝鮮人連行先事業所」リストあり。
『朝鮮人強制連行論文集成』
p33～「各論（地域別）」リストではないが、各論にて地域別に企業名の記載あり。

②
『朝鮮人戦時労働動員』
p81　企業の労務係たちは募集の成否を左右する警官などに賄賂を贈った旨記述あり。
『轉失業問題　時局と中小工業；１』
『太平洋戦争下の労働者状態』
戦時下の労働事情全般に関して参考になる情報が収録されている。
『労働行政史　第１巻』
p1181～「第四項　企業整備に伴う転廃業対策」政府の中小商工業従事者等の転廃業対策に関する施策について述べられている。
『從業者移動防止令解説』
戦時下の労働力不足による従業者の争奪、引き抜きを防止することを目的に制定された法令について解説されている。
『戦時労働事情』
p80～「石炭礦業労務問題」に労働者の移動や充足、管理について書かれており、内地動労者と半島労働者についても言及されている。
p214「中小企業概観（二）工業の部」に中小工業に関する問題点や施策について書かれている。
p229「（一）労務乃至経営管理上の問題」に大企業に所属しながら所属工場を長期欠勤して、法で定められた労務手帳を用いず、内職的に中小企業で闇賃金によって収入の増加を目論む不正労務者がいること、いわゆるブローカーが莫大な不正利得を為しつつ、不正労働者を生み出しているという問題について記述あり。
『戦時経済総動員体制の研究』
p635からの第１０章で、中小企業への企業整備の実施について記述あり。
『國民皆勞』
p88～「4国民労務手帳」工場や鉱山労働者に交付されていた手帳の制度に関する記述あり。

『三池炭鉱「月の記憶」』井上佳子 著　石風社　2011.07（000054951）
『戦時期日本の下請工業』植田浩史 著者　ミネルヴァ書房　2004.02（000045402）
『時局と勞務動員』厚生省 [編]　厚生省　出版年不明（000054449）
『戦時下の国策会社』野田経済研究所 著者　野田経済研究所出版部　1940.06（000025334）
『中小企業政策の日本的構図』寺岡寛 著者　有斐閣　2000.08（000040419）
『戰時勤勞管理』大日本産業報國會 編者　東華堂　1943.03（000048512）
『國民徴用讀本』厚生研究會 著　新紀元社　1944.08（000066802）
『轉職の對策について』倉橋定 [著]　滿洲移住協會　1941.03（000049052）