レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | いわき市立いわき総合図書館 (2310140) | 管理番号 (Control number) | いわき総合-地域711 | |||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2023年02月22日 | 登録日時 (Registration date) | 2023年03月24日 13時43分 | 更新日時 (Last update) | 2023年03月24日 13時43分 | |||||
質問 (Question) | 『いわき市史 第2巻』図版2に「正徳三年五月泉横町の町割図」が掲載されている。これと同じものを持っているが、市史では「牢屋」とある部分が「獄屋」と記されている。いずれにしても写しだと思うが、なぜ異なる記載になったのか知りたい(機能が違う・変化したなど) | |||||||||
回答 (Answer) | 当館所蔵資料を調査しましたが、「牢屋」「獄屋」と異なる記載がされた具体的な理由について判断できる資料は確認できませんでした。 ですが、【資料①】などから、ふたつの語句はほぼ同じ意味で使われていたと思われます。 【資料①】『図説 世界の監獄史』(重松一義 柏書房 2001)p32 「鎌倉時代までは、籠・籠舎・牢・牢獄・獄屋・獄舎・囹圄・囚獄などの籠舎の語が多用され、江戸時代においては、牢・牢屋・牢屋敷という語が一般的である。(中略)大雑把にいって、我が国に定着した監獄の和風語彙は、未決については獄・獄屋・囹圄・籠・籠舎・牢屋・牢屋敷・囚獄(中略)と変遷してゆき、既決については獄・末期の人足寄場(佃の獄と俗称され石川島徒島となる)・徒場・徒役場・徒罪場(中略)と表示し変遷していったと系譜的に説明できる」と記述があります。 【資料②】『図説世界監獄史事典』(重松一義 柏書房 2005)p31~34 【資料①】と同様の記述有。 【資料③】『図説・江戸町奉行所事典』(笹間良彦 柏書房 2004)p154 「牢の字は古くは牢人と書いて浪人の意味であった。それが獄舎の意味に用いられて牢獄、牢屋などすべて囚人を収監するところの意味になっている。牢獄、牢屋、監獄、獄舎、囹圄などはすべて同じである」 【資料④】「JapanKnowledge」(日本国語大辞典) 「獄屋」の解説に「囚人を入れておく所。牢屋。獄」とあり。 福島県立図書館所蔵 【資料⑤】『日本獄制史の研究』(重松一義 吉川弘文館 2005)p63 「戦乱の時代を背景とし、当時の詩文も漢文字を用いる基調にあったことから「獄」の文字が常用される風になったのである。平和を取り戻した江戸時代においては「籠舎」「牢舎」「牢屋」と呼ぶに至っているのは本来の和俗の用いるところで」と記述があります。 | |||||||||
回答プロセス (Answering process) | 上記調査のとおり | |||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | 『いわき市史 第2巻』 図版2「正徳三年五月 泉横丁の町割図」 | |||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||||||
備考 (Notes) | ||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 郷土 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | |||||
登録番号 (Registration number) | 1000330946 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |