レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 千葉県立東部図書館 (2110047) | 管理番号 (Control number) | 千県東-2022-0011 | ||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2023年01月17日 | 登録日時 (Registration date) | 2023年03月23日 16時30分 | 更新日時 (Last update) | 2023年03月23日 16時30分 | ||||
質問 (Question) | 明治15(1882)年建立の美加保丸遭難の墓碑に「南無阿彌陀佛 二品親王」と書かれているが、これは誰が書いたのか。 | ||||||||
回答 (Answer) | 次の資料に記載がありました。 【資料1】『幕末の大風』(山形紘著 崙書房 2009) p165「正面の「南無阿彌陀佛」を書いたのは、「二品親王」とあるが、かつての奥羽越列藩同盟の盟主であった輪王寺宮公現法親王(後の北白川宮能久親王、弘化四年二月十六日~明治二十八年十月十八日)である」との記述がありました。出典などの記述は見つかりませんでした。 以下の資料では、断定はしていないものの、可能性のある人物を挙げています。ただし【資料1】とは別の人物を候補にしています。 【資料2】『幕艦美加保丸宮永荘正伝』(田中明著 信太書店 1973) p41「正面は、「南無阿弥陀仏」と大小の名号で、二品親王とあり、花押がしてある。この年の二品王は有栖川宮熾仁親王、小松宮彰仁親王、伏見宮貞愛親王である。書判が定かでないので断定はできぬものの、熾仁親王とみてどうであろうか。」 【資料3】『銚子の歴史と伝説』(銚子市郷土史談会企画・編集 銚子市青少年文化会館 1993) p200「美加保丸遭難碑 銚子市黒生浦」 「この太字の名号は「二品親王書」とあったが風化のため摩滅してしまった。 ・有栖川宮熾仁親王(官軍の江戸親征大総督) ・小松宮彰仁親王(会津征討総督、日清戦争時の征清大総督)」とあります。 | ||||||||
回答プロセス (Answering process) | 1 千葉県立図書館ホームページ「図書・雑誌・視聴覚資料検索」を全項目「ミカホマル」で検索 【資料1】【資料2】を発見。 【資料1】の副書名(慶応四年幕府海軍帆船美賀保丸一件と白虎隊)から「美賀保丸」という表記もあることが分かる。 2 美加保丸の別表記を確認するためGoogleを「ミカホマル」で検索 「美賀保丸-Wikipedia」 ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%8E%E8%B3%80%E4%BF%9D%E4%B8%B8 ) 「美賀保丸(みかほまる)は、幕末に江戸幕府が保有した西洋式帆船。表記は美加保丸・美嘉保丸・三嘉保丸・三賀保丸・三加保丸とも。榎本武揚艦隊の1隻。」 以後、検索の際は「美加保丸」の別表記も含めて検索した。 3 郷土資料の図書「C23(下総地方)」の棚を探索 【資料3】を発見。 以下の資料は、美加保丸の碑についての記述はあるが、揮毫者についての記述は見つからなかった。 『銚子市史』(篠崎四郎編 国書刊行会 1981・昭和31年の復刻)p499 『千葉県海上郡誌』(海上郡教育会 名著出版 1972・大正6年の復刻)p1321 『続 銚子の歴史と伝説』(銚子郷土史談会企画・編集 秀英社 2009)p61 4 郷土資料の図書「C71(千葉県の彫刻)」や周辺の書架を探索 次の資料を確認したが、美加保丸の碑についての記述は見つからなかった。 『銚子の石造物』(銚子市教育委員会 2005) 5 千葉県立図書館ホームページ「菜の花ライブラリー」を「美加保」で検索 ヒットした以下の資料を確認したが、美加保丸遭難の碑の揮毫者に関する記述は見つからなかった。 ・川戸彰「<歴史をたずねて>幕艦美加保丸の遭難」(『千葉県の歴史』通巻12号 1976. 8)p61-66 ・福與多喜千「幕艦美加保の最後(上)」(『房総展望』5巻3号(通巻41号)1951. 3)p10-12 ・福與多喜千「幕艦美加保の最後(下)」(『房総展望』5巻5号(通巻43号)1951. 6)p16-18 6 国立国会図書館次世代デジタルライブラリーを「美加保」で検索 ヒットした以下の資料を「美加保」「美嘉保」「美賀保」で全文検索し、該当箇所前後の記述を確認したが、美加保丸遭難の碑の揮毫者に関する記述は見つからなかった。 『明治戊辰 : 文明協会創立二十周年記念』(文明協会編 文明協会 1928) 『銚子市政史』(銚子市編 銚子市 1939) 『横から見た歴史』(日本放送協会関東支部編 日本放送協会関東支部 1929) 『極東の美銚子』(文港堂編 文港堂 1926) 7 参考のため、美加保丸の碑建立時の二品親王を確認。次の資料を参照 『明治華族銘鑑』(石川孝太郎著 1881) ( https://dl.ndl.go.jp/pid/780898 ) (国立国会図書館デジタルコレクションインターネット公開) 明治14年当時の二品親王は以下のとおり 有栖川宮熾仁親王、伏見宮貞愛親王、東伏見宮嘉彰親王、山階宮彰親王、北白川宮能久親王、(梨本宮守脩親王薨去)、久邇宮朝彦親王 ・オンラインデータベース「JapanKnowledge」『日本人名大辞典』「小松宮彰仁親王」の項 「明治15年東伏見宮から小松宮に改称,名も彰仁とする」 ※参考資料末尾の数字は当館の資料番号です。 (インターネット最終アクセス:2023年2月16日) | ||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||
備考 (Notes) | |||||||||
調査種別 (Type of search) | 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 郷土 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | ||||
登録番号 (Registration number) | 1000330893 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 未解決 |