レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 千葉県立東部図書館 (2110047) | 管理番号 (Control number) | 千県東-2022-0009 | |||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
事例作成日 (Creation date) | 2023年01月12日 | 登録日時 (Registration date) | 2023年03月23日 16時13分 | 更新日時 (Last update) | 2023年03月23日 16時14分 | |||||||||||||||||
質問 (Question) | 江戸時代に『名物實記』を著した深河浅蔵(フカガワ センゾウ)について知りたい。現在の袖ケ浦市出身の学者らしい。 | |||||||||||||||||||||
回答 (Answer) | (1)人物 深河浅蔵は、江戸時代末期の学者で、一時平田篤胤門下にあり、その後渡辺崋山や高野長英らとも交わった人物です。姓は小林、深河(川)、名は銑次郎、専次郎、潜蔵、元儁(モトトシ、ゲンシュン)、霽宇(セイウ)など幾通りも使っています。人物について書かれたものに、以下の資料がありました。 【資料1】『千葉大百科事典』(千葉日報社編 千葉日報社 1982) p798「深河元儁」 「1809(文化6)-1856(安政3)漢学蘭学薬学者。深川(河)元儁は幼名銑次郎のち潜蔵、長じて基親のち元儁と改め、深河大学とも称し、霽宇と号す」、平田篤胤に入門して国学を修め、蘭学、本草学を研究等の記述があります。 【資料2】『講談社日本人名大辞典』(講談社 2001) p1593「深川元儁」 「(1810-56)江戸時代後期の国学者、蘭学者。文化7年生まれ。平田篤胤に国学を、幡崎鼎に蘭学をまなぶ。郷里の上総(千葉県)地方の本草を調査・研究。漢学、詩文にもすぐれた。安政3年5月4日死去。47歳(一説に57歳)。姓ははじめ小林。通称は銑(仙)次郎、潜蔵、深河大学。号は霽宇。著作に「金剛談」「房総三州漫録」など。」 【資料3】『評伝赤松宗旦』(川名登著 彩流社 2010) p115-130「江戸出府と出版実現」、p226-235「宗旦と本草学者」、p249-271「深河潜蔵」などに記載があり、深河が赤松宗旦の『利根川図志』の刊行に尽力したことが分かります。 【資料4】森銑三「まだ見ぬ深川霽宇の墓」『森銑三著作集 続編 第2巻』(森銑三著 中央公論社 1992)p464-469 【資料5】中山音彌「深河元儁と其の本草学的方面」(『房総郷土研究』 第5巻第2号 1939.1.13)p2-5 【資料6】杉浦明平「空しい経綸」『崋山探索』(杉浦明平著 岩波書店 1998)p1-38 渡辺崋山の同志、小林専次郎(小林銑次郎)の経歴や業績などを探った随筆です。 【資料7】森田保「深河元儁・江戸寓居時代の逸事」(『袖ケ浦市史研究』袖ケ浦市郷土博物館 第6号 1998.3)p133-143 【資料8】『袖ケ浦町史 通史編 下巻』(袖ケ浦町史執筆委員会編 袖ヶ浦町 1990) p732-736「深河元儁」 p494-496「第一表 深河家累代の著書(深河淳撰)」 【資料9】大室晃「立野良道翁小伝」(『市原地方史研究』第5号 市原市文化財研究会 1968)p105-140( https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3007300 ) p117-118「2 深河元儁」 この資料は国立国会図書館デジタルコレクションで図書館・個人送信限定で公開されています。 (2)著作 県立図書館所蔵資料やデジタルアーカイブで公開されている著作には以下のものがありました。 【資料10】「房総三州漫録」『改訂房総叢書 第四輯 地誌(二) 日記 紀行』(改訂房総叢書刊行会 1959)p485-512 【資料11】深河元儁「埴生郡聞見漫録」『房総叢書 第二輯』(房総叢書刊行会編 1914)p745-777 【資料12】小林元儁「金剛談」『日本随筆大成 第3期11(新装版)』(日本随筆大成編輯部編 吉川弘文館 1995)p477-484 【資料13】「医俗亭記」『郷土研究雑録 雑篇1 房総郷土研究原稿集録』(小原大衛〔編〕〔千葉県立中央図書館〕 〔19--〕) 【資料14】深潜隠居「釣船物語」『少年必読日本文庫 第11編』(岸上操編 [他] 博文館 明治25年)( https://dl.ndl.go.jp/pid/992435/1/55 ) (国立国会図書館デジタルコレクション国立国会図書館/図書館・個人送信限定) 【資料15】『薬王水略説』(深河潜蔵著) 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ収録 ( https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00005410 ) また、一部を翻刻、紹介したものに、以下の資料がありました。 【資料16】川名興「深河浅蔵の『名物實記』と故深河淳氏が調査した「深河浅蔵」の著書紹介」(『袖ケ浦市史研究』第20号 袖ケ浦市郷土博物館 2021.2)p44-48 『名物實記』の季節の産物と産地について記載された部分の紹介があります。 【資料17】桐村久美子「資料紹介 深河元儁著『深河元儁翁詠草』について(1)」(『袖ケ浦市史研究』第20号 袖ケ浦市郷土博物館 2021.2)p49-72 元儁の詠んだ和歌約800首が記載された新発見資料です。本文94頁のうち、前半の44頁分の翻刻を紹介しています。 | |||||||||||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 1 国立国会図書館オンラインをキーワード「深河浅蔵」で検索 【資料16】を発見。 【資料16】で紹介されている著作と参考文献から【資料1】【資料4】【資料5】【資料10】【資料11】【資料12】【資料15】を発見。 発見した資料から「深河浅蔵」の別名が「銑次郎」、「潜蔵」、「元儁」、「大学」、「霽宇」であることが分かった。また、名字も始めは「小林」であったこと、「元儁」を「モトトシ」と読ませていたこともあったことが分かった。 国立国会図書館オンラインを判明した別名で再検索したが、新たな資料は見つからなかった。 2 千葉県立図書館ホームページ「菜の花ライブラリー」をキーワード「深河浅蔵」および判明した別名で検索 【資料7】【資料17】を発見。 3 Google Booksをキーワード「深河浅蔵」および判明した別名で検索 【資料3】を発見。 【資料3】で紹介されている著作から【資料14】を発見。 4 国立国会図書館デジタルコレクションをキーワード「深河浅蔵」および判明した別名で検索 【資料9】を発見。 5 総合人物情報データベースWhoPlusをキーワード「深河浅蔵」および判明した別名で検索 「深川元儁」の項目を参照し、【資料2】を発見。 6 袖ケ浦の町史【資料8】を参照 【資料8】に挙げられている深河元儁の著作から【資料13】を発見。 7 国立国会図書館リサーチナビを参照 日本人名情報索引(人文分野)データベースをキーワード「深河浅蔵」および判明した別名で検索。 ヒットした次の資料を確認。 『江戸文人辞典 国学者・漢学者・洋学者』(石山洋[ほか]編 東京堂出版 1996) p332「深川霽宇」の項、参考文献から【資料6】を発見。 (インターネット最終アクセス:2023年2月21日) ※参考資料末尾の数字は当館の資料番号です。 | |||||||||||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | ||||||||||||||||||||||
NDC |
| |||||||||||||||||||||
参考資料 (Reference materials) |
| |||||||||||||||||||||
キーワード (Keywords) |
| |||||||||||||||||||||
照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||||||||||||||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||||||||||||||||||
備考 (Notes) | ||||||||||||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 郷土 人物 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | |||||||||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000330888 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |