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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
いわき市立いわき総合図書館 (2310140)管理番号
(Control number)
いわき総合-地域710
事例作成日
(Creation date)
2023年02月16日登録日時
(Registration date)
2023年03月20日 15時58分更新日時
(Last update)
2023年03月24日 09時55分
質問
(Question)
郡山合戦の際に伊達政宗との外交を担った岩城氏の家臣、志賀甘釣斎(しが かんちょうさい)のその後と子孫についてわかる資料はあれば知りたい。
また、岩城氏の家臣の子孫についてもわかる資料はあれば教えてほしい。
回答
(Answer)
1、志賀甘釣斎のその後と子孫について

志賀甘釣斎は岩城家の家臣でしたが、後に伊達政宗に仕えました。子孫はその後、いわきに戻って磐城平藩内藤家に仕え、延岡転封の際に従わず、いわきに残りました。やがて磐城平藩安藤家に仕え、子孫の一人、松浦久内は植田代官となっています。

関係する資料は下記の通りです。

【資料1】『いわき市史 第一巻 原始・古代・中世』
p672「天正十六年(1588)六月から七月にかけて、安積郡の郡山・窪田をめぐって、佐竹・蘆名の兵と伊達政宗の軍が対じを続けた。いわゆる郡山合戦がこれである。岩城常隆はこの合戦には、両者の仲介調停の役を勤めた。」
p674「七月二日、岩城常隆の使者志賀甘釣斎玄湖が伊達政宗の陣所へ…差遣され、常隆の調停の意思を伝達した。」
p675「七月十二日、政宗は志賀甘釣斎父子に料理を賜り、乱舞(能)ののち甘釣に馬・小袖・虎皮を与えた。」
 p877 追補資料の系図 『伊達世臣家譜巻之十三(平士之部)』収録に「志賀」あり
志賀甘釣斎玄湖と思われる「釣漢斎玄湖」は、内蔵介の兄でその裔不詳。弟内蔵介の家譜が紹介されている。

【資料2】『伊達治家記録 1 』
 P433、441 貞山公(伊達政宗)治家記録 巻之六 天正十六年七月の記録

【資料3】『図説いわきの歴史』
p164-165 「農政改革に尽くした人々」に松浦久内(1769-1850)の記述あり 

【資料4】『いわき史料集成 第5冊』
p243-245 自筆稿本「磐城志料」(大須賀筠軒)の人物篇に松浦久内の記述あり。志賀甘釣斎との関係、磐城平藩の内藤家と安藤家に仕えた経緯、松浦久内の経歴など。
p341-344 解説  2 史料解説  5 磐城志料稿本

【資料5】『いわき市の文化財』
 P214 志賀甘釣斎の子孫が所蔵している「片倉景綱書状」(市指定有形文化財)

【資料6】『伊達世臣家譜略記』
国立国会図書館デジタルコレクション インターネット公開資料)
p50-51 巻之七 著座十八人 志賀志賀甘釣斎の孫までの経歴が記載。

2、岩城氏の家臣の子孫について

【資料3】『図説いわきの歴史』
 P120-121「岩城家の凋落と徳川政権」
 「慶長七年(1602)、岩城家は改易。岩城貞隆は家臣の一部を連れて江戸に登り、浪人生活を余儀なくされた。家臣もまた浪人となり、のち伊達政宗や鳥居忠政に仕える者が多かった。」

【資料7】『会誌 岩城 No.1-10』岩城姓氏研究会 
・岩城氏の関係者による岩城氏に関する研究会の会報に家臣の記述あり
No.1のP9「岩城家から伊達家に仕官した人達」
No.8のp13-19「武門をつたえた岩城旧臣たち(一)」
No.9のp29-34「武門をつたえた岩城旧臣たち(二)」
No.10のp29-35「武門をつたえた岩城旧臣たち(三)」

*関連資料1 岩城氏
【資料8】『国史大辞典 1』p837
・岩城氏は陸奥国磐城郡の中世豪族。天正十八年(1590)常隆の死後、佐竹義重の三男が岩城氏を継いで岩城貞隆となり、豊臣秀吉より磐城平十二万石を安堵された。
・慶長七年(1602)、関ケ原の戦に不戦のかどで所領を没収されたが、元和二年(1616)に信濃川中島一万石を賜った。元和九年(1623)、出羽亀田二万石に所替えとなり、明治維新に至った。
・ただし、川中島は戦国時代末期には水内・高井・埴科・更科の四郡を含み、岩城領は現在の下高井郡木島平村。(『角川日本地名大辞典 20 長野』より補足。)

*関連資料2 伊達政隆
【資料9】『東北中世史 続編』p13-15
【資料1】『いわき市史 第一巻』p870-872
【資料6】【『伊達世臣家譜略記』巻之一 一門凡十二人 に「伊達 磐城」p4
・岩城常隆の嫡男。常隆死亡後に生まれたため、親戚である佐竹義重の三男が常隆の養子となって岩城家を継いだ。従兄である伊達政宗に仕え、伊達の姓を賜った。
回答プロセス
(Answering process)
まず、【資料1】『いわき市史 第1巻』で郡山合戦と志賀甘釣斎について調べ、【資料2】『伊達治家記録』からも調査内容を確認した。追補資料の系図に「伊達世民家譜」の「志賀」を見つけ、質問者に連絡するも、伊達家関係の記録は調査しているので、いわきの史料が見たいと要望される。
当館の岩城氏に関する資料『東北中世史』、『岩城姓氏研究』等を調べるも
「志賀甘釣斎」に関する記述は見当たらず、未解決で調査終了した。ただ、岩城氏の家臣については、【資料7】『会報岩城』に記述があり、回答した。
数年後偶然、磐城平藩安藤家の家臣鍋田三善の調査中に【資料3】『図説いわきの歴史』に松浦久内が志賀甘釣斎の子孫である記述を見つけた。更に
【資料4】『いわき史料集成 第5冊』に前の記述の原典と思われる「磐城志料稿本」の人物篇に松浦久内の記述を確認し、その解説から、【資料5】『いわき市の文化財』を調べた。再確認のために国立国会図書館デジタルコレクションで「伊達世臣家譜」を調べ、【資料6】『伊達世臣家譜略記』を確認した。
関連資料1・2の参考資料は、前の調査で確認した資料である。
事前調査事項
(Preliminary research)
仙台藩の正史である「伊達治家記録」と「伊達世臣家譜」は調査済。
NDC
日本史  (210)
東北地方  (212)
芸術政策.文化財  (709)
参考資料
(Reference materials)
いわき市史編さん委員会 編 , いわき市史編さん委員会. いわき市史 第1巻. いわき市, 1986.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I056671356-00  (K-210.1-1-イ)
伊達治家記録. 宝文堂出版販売, 1972.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I077694820-00  (DK-212.3-ダ)
里見庫男 監修 , 小野一雄, 佐藤孝徳, 馬目順一 編 , 里見, 庫男 , 小野, 一雄, 1942- , 佐藤, 孝徳, 1941- , 馬目, 順一, 1941-. 図説いわきの歴史. 郷土出版社, 1999. (福島県の歴史シリーズ)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002783699-00 , ISBN 4876634386 (K-210.1-1-イ)
いわき史料集成刊行会 編. いわき史料集成 第5冊. いわき史料集成刊行会, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002226980-00  (K-210.1-1-イ)
いわき市教育委員会. いわき市の文化財. いわき市教育委員会, 1970.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001276602-00  (K-709-イ)
『伊達世臣家譜略記』(仙台文庫叢書 第7集)1896 (国立国会図書館デジタルコレクション インターネット公開資料
https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/780468/1/1 )
『会誌 岩城 No.1-10』岩城姓氏研究会 1988-1997 (K-288-イ)
国史大辞典編集委員会 編. 国史大辞典 第1巻 (あーい). 吉川弘文館, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001403293-00  (R-210.0-コ-1)
須藤春峰 著 , 須藤春峰. 東北中世史続編 : 伊達岩城氏と中山岩城氏. いわき姓氏研究, 1978.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I109896301-00  (K-210.4-1-ス)
キーワード
(Keywords)
福島県いわき市
岩城氏
志賀甘釣斎
伊達政宗
郡山合戦
松浦久内
岩城常隆
岩城貞隆
佐竹義重
磐城志料
大須賀筠軒
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000330773解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決

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