レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 東京都立中央図書館 (2110013) | 管理番号 (Control number) | 中央-2022-24 | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
事例作成日 (Creation date) | 20191019 | 登録日時 (Registration date) | 2023年03月18日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2023年03月21日 11時33分 | ||||||||||||
質問 (Question) | 1 クリスマスの時期にブッシュ・ド・ノエルというケーキを見かけるが、その起源が知りたい。 2 なぜ、クリスマスに薪の形のケーキを食べるようになったのか。 | ||||||||||||||||
回答 (Answer) | 都立図書館蔵書検索及び末尾に記載のデータベース類を、以下の件名(資料の主題を表すもの)やキーワードで検索し、ヒットした資料・情報を確認した。 ・件名<菓子><菓子 歴史><洋菓子><クリスマス> ・キーワード<ブッシュ ノエル><ビュッシュ ノエル><ビッシュ ノエル><bûche de Noël><ケーキ><フランス> (インターネット情報等の最終検索日及び最終アクセス日:2023年2月14日) 1 ブッシュ・ド・ノエルの起源について 確認した資料のうち以下の資料に記述があり、諸説が紹介されている。 資料1 『お菓子の歴史』 p.320-324「第5章 フランスの伝統菓子 聖ニコラウス祭のパン・デピスとクリスマスのブッシュ・ド・ノエル」 ピエール・ラカンが考案したのが定説であるとしつつも、正確な起源については不明であるとしている。 資料2 『歴史をつくった洋菓子たち キリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで』 p.218-225「episode11 ビュッシュ・ド・ノエル 風習は廃れ、お菓子は栄える」 ピエール・ラカンが創作したという説のほか、いくつかの説を紹介している。 資料3 『お菓子の由来物語』 p.36-37「Chapter 1 ケーキ 世界のクリスマスケーキ フランス ブッシュ・ド・ノエル」 「1879年に、パリの菓子店サンソンのアントワーヌ・シャラドが考案したとされる。*1」(p.37)とある。 また、注の*1を見ると、「ピエール・ラカン(1836~1902年)が創作したという説もある。」(p.37)とある。 資料4 『名前が語るお菓子の歴史』 p.95「第四章 聖なるものとお菓子 ビュッシュ・ド・ノエル」 「歴史家であり製菓職人でもあるピエール・ラカンは薪の形をしたお菓子を作った。」とある。 資料5 『フランス伝統菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』 p.60-61「パティスリ菓子 ビュッシュ・ド・ノエル」 「ピエール・ラカンが調査を重ねた結果、考案者は、ビュシ通り14番地(現在のパリ6区)にあった店の菓子職人アントワーヌ・シャラボではないか、と自身の著書に記している。」(p.61)とある。 資料6 『洋菓子百科事典』 p.367-368「ビュッシュ・ド・ノエル bûche de Noël(仏)」 「今日のこの形に作られたのは、1879年で、シャブラーというパリの菓子店においてであるといわれている。」(p.367)とある。 2 なぜ、クリスマスに切り株型のケーキを食べるようになったのか。 確認した資料のうち以下の資料に記述があり、諸説が紹介されている。 資料3(再掲) p.36-37「Chapter 1 ケーキ 世界のクリスマスケーキ フランス ブッシュ・ド・ノエル」 なぜ薪の形をしているかについて、以下の説が紹介されている。 ・キリスト誕生を祝い、夜通し暖炉で薪を燃やしたことに由来するという説 ・樫の薪を暖炉で燃やすと、一年間無病息災で暮らせるという北欧の伝説に由来するという説 ・貧しい青年が、恋人にクリスマスプレゼントを買うお金がなく、薪を贈ったことに由来するという説 資料5(再掲) p.60-61「パティスリ菓子 ビュッシュ・ド・ノエル」 「昔、真夜中のミサまでの時間を過ごすため、各自が薪を持って集まったという習慣から生まれたのがこのケーキだ。」(p.61)とある。 資料6(再掲) p.367-368「ビュッシュ・ド・ノエル bûche de Noël(仏)」 薪形の由来について、「前の年の丸太の燃え残りに火をつけて燃やしたその灰が、雷や火事よけのおまじないになるという、古いリトアニアの民話からきたといわれる。12月の寒さのころ、家の中では、薪をくべ、暖かい暖炉に集い、なごやかに楽しむ生活習慣から、祝い菓子も薪形になったともいえる。」(p.368)とある。 資料7 『フランス菓子図鑑 お菓子の名前と由来』 p.154-155「chapitre VI お祝い菓子・クリスマス菓子 ビュッシュ・ド・ノエル」 ビュッシュ(bûche)は薪という意味で、クリスマスに食べることになった理由については以下の説が紹介されている。 ・前の年の燃え残りの薪からできる灰が、雷や火事よけのおまじないになるという説 ・ヨーロッパの寒い国では、暖をとるための薪が大変貴重なものだったという説 資料8 雑誌『世界週報』 84巻1号通巻4080号(2003年1月14日) p.98「ぐるめノート No.51 ビュッシュ・ド・ノエル」(岡元麻理恵) なぜ薪の形をしているかについて、「これという決定的な理由は分からない」としつつ、以下の説が紹介されている。 ・フランスでは、24日のイヴからクリスマスにかけて、暖炉で火を絶やさずに薪を一晩中燃やすのが習慣であったことからという説 ・前の年に残しておいた薪で作る灰が厄よけになると信じられていたことからという説 資料9 『洋菓子はじめて物語』 p.184-187「第十二話 クリスマスケーキ物語 フランスでは薪型のケーキ」 冬至を境に新年が始まったとされる時代に遡るとあり、「前の年に残しておいた丸太の燃え残りで火をつけたその灰が、雷や火事除けのおまじないになったという、リトアニアの神話からくるものと伝えられているのです。」(p.185)とある。 また、「ヨーロッパ諸国のある北半球では、十二月というと厳冬期にあたるので、各家庭では暖炉に火をくべて団欒をとります。そうしたことも当夜を祝うお菓子が薪型になった遠因になっているともいいます。」(p.186)とある。 資料10 『フランス菓子大全』 p.473「OCCASIONS FESTIVES 季節の行事・お祝い事を彩る菓子 COLUMN/お祭りの菓子を紹介 ブッシュ・ド・ノエル」 薪の形について、「クリスマスの前夜に、大きな薪を暖炉にくべる習慣があったことから来ていると言われています。やがて家から煙突がなくなり、薪は菓子に変わったというわけです。」とある。 資料11 『世界のグルメ図鑑』 p.110-111「Gourmet Topics3 クリスマスとイースターのお菓子 ブッシュ・ド・ノエル」 薪の形について、「キリスト教普及以前に北欧の冬至祭で燃やしていた丸太をかたどったもの、またはキリストの誕生を祝い夜どおし薪を燃やし続けたことに由来するなど、諸説ある。」(p.110)とある。 資料12 『菓子』(新・食品事典 10) p.191「菓子各論 ブッシュ-ド-ノエル(bûche de Noël-仏)」 「フランスではクリスマスの夜、一晩中暖炉に薪を燃やし、キリストの誕生を祝う習慣がある。それにちなんで、一九世紀中ごろにつくられた。」とある。 【調査に使用した主なデータベース類】(都立図書館が契約するデータベースには*を付す。) ・NDL ONLINE(国立国会図書館) https://ndlonline.ndl.go.jp/ ・リサーチ・ナビ(国立国会図書館) https://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/ ・Googleブックス(Google) https://books.google.co.jp/ *ジャパンナレッジ Lib (ネットアドバンス) | ||||||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | |||||||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||||||||
NDC |
| ||||||||||||||||
参考資料 (Reference materials) |
| ||||||||||||||||
キーワード (Keywords) | |||||||||||||||||
照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||||||||
備考 (Notes) | |||||||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | ||||||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000330668 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |