レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20230214
- 登録日時
- 2023/02/26 14:52
- 更新日時
- 2023/03/25 14:40
- 管理番号
- 愛知県図-03809
- 質問
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解決
冬季に気温が-4℃以下になった時に、水道管が凍結する恐れが高まるという情報をテレビなどで見聞きするが、その根拠となるようなものを知りたい。
- 回答
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『トコトンやさしい水道管の本』【資料1】の「第6章 水道管トラブル」の「水道管の凍結」(p.152-153)の項に、「気温がマイナス4℃以下(風が直接当たるところは、マイナス1~2℃)になると、水道管の水が凍って出なくなったり、水道管が破裂する恐れがあります」と記載があります。
『水の総合辞典』【資料2】の「凍結管」の項に、「最低気温-1℃以下で水道の凍結,管の破裂が出はじめ,-4℃以下が続くと凍結,破裂の件数が非常に多くなる」(p.333)と記載されています。
『NHK気象・災害ハンドブック』【資料3】の「冬の寒さ」の「水道管の凍結」(p.93-94)の項には「水道管が凍結するかどうかは、凍結を防ぐための保護の状況、蛇口・給水メーターの設置状況、水の動き、風向・風速、低温の継続時間などによって微妙に異なる。東京都では、露出した水道管は、氷点下4~5℃の気温が4~5時間以上続いた場合に、破裂することが多いが、保護工事をしたものは氷点下10℃までは完全に耐えうると言う。長野市では、最低気温が氷点下4℃以下になると、水道管が破裂する事故が起こり始め、氷点下11℃以下になると急増する」(以下略)と記載があります。また、「寒さの尺度」(p.94)の項に「氷点下4℃以下・・・水道管の凍結が始まる」とあります。
『日本大百科全書 16』【資料4】の「凍害」(p.584)の項にも、「冬の異常低温による水道の凍結事故(外気温が零下四度C以下になるとおこる)」とあります。
前川製作所技術研究所のHP掲載のサイエンスコラムの連載講座「低温環境の利用技術」の「3.水道管の凍結メカニズムとその利用」(http://rdc.mayekawa.co.jp/column/no3i.shtml 最終確認:2023.3.15)に外気温が-4℃以下である時間が保持されると凍結が始まる様子の説明があります。
厚生労働省のHPに、「水道管の凍結防止対策等の啓発の徹底について」として平成30年2月2日付の報道発表資料(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000193114.html 最終確認:2023.3.15)があります。水道管の凍結防止対策について、厚生労働省からの情報提供資料「水道管の凍結に注意してください。」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000193133.pdf 最終確認:2023.3.15)に「最低気温が-4℃以下になるとき」は特に注意が必要であるとしています。
- 回答プロセス
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インターネットで水道管の凍結について検索をすると、水道局等のHPで、外気温が-4℃以下になるときは注意が必要と書かれているものが散見された。
水道管の凍結、ということから、給水設備関連の図書を確認したところ、【資料1】に記載あり。『図解空調・給排水の大百科』【資料5】の「5.1 凍結現象と凍結防止の考え方」の項には、「札幌市における水道凍結修繕件数のデータと気象台で測定された2日間平均日最低気温の関係によれば,凍結事故は2日間平均日最低気温が-5℃以下になると増え始め」(p.565)と記述があった。
水についての図書のうち、【資料2】で記載を確認。
気象についての図書のうち、【資料3】に記載を確認。
百科事典を引いてみると、【資料4】に記載を確認。
インターネットで「水道管」、「凍結」などで検索し、前川製作所(産業用冷凍機及び各種ガスコンプレッサーの製造・販売を行なっている)の技術研究所がHPで公開しているサイエンスコラムを確認。
水道行政の所管である厚生労働省のHP内を検索。水道事業者等へ凍結防止対策の周知をするという報道発表資料と、情報提供の文書が掲載されているのを確認。
- 事前調査事項
- NDC
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- 無機化学 (435)
- 気象学 (451)
- 衛生工学.都市工学 (518)
- 参考資料
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【資料1】高堂彰二 著 , 高堂, 彰二. トコトンやさしい水道管の本. 日刊工業新聞社, 2017. (B&Tブックス. 今日からモノ知りシリーズ)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028334668-00 , ISBN 9784526077289 (請求記号:518.18/コウ/1140233 資料ID:1111402331) -
【資料2】水の総合辞典編集委員会 編. 水の総合辞典. 丸善, 2009.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010021515-00 , ISBN 9784621080405 (請求記号:R/435.44/ミス/958271 資料ID:1109582715) -
【資料3】NHK放送文化研究所 編 , 日本放送協会放送文化研究所. NHK気象・災害ハンドブック. 日本放送出版協会, 2005.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008008430-00 , ISBN 4140112158 (請求記号:451.03/ニツ/880591 資料ID:1108805914) -
【資料4】日本大百科全書 16 (てーとく). 小学館, 1987.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001892362-00 (請求記号:R/031/ニホ/530572 資料ID:1105305726) -
【資料5】空気調和・衛生工学会 編 , 空気調和衛生工学会. 図解空調・給排水の大百科. オーム社, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002701113-00 , ISBN 4274102211 (請求記号:R/528.2/クウ/755353 資料ID:1107553536)
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【資料1】高堂彰二 著 , 高堂, 彰二. トコトンやさしい水道管の本. 日刊工業新聞社, 2017. (B&Tブックス. 今日からモノ知りシリーズ)
- キーワード
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- 水道管
- 凍結
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000329382