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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
千葉県立西部図書館 (2120003)管理番号
(Control number)
千県西-2022-0003
事例作成日
(Creation date)
2022年07月29日登録日時
(Registration date)
2023年02月05日 09時41分更新日時
(Last update)
2023年02月05日 09時42分
質問
(Question)
 古代(石器・縄文・弥生時代)において、戦争の際の斧などの道具による人骨への損傷がわかる資料はないか。
回答
(Answer)
【資料1】には、ヨーロッパの石器時代の受傷痕のある人骨例について記述があります。
【資料2】には、縄文時代の「殺傷人骨」を一覧にまとめた「表1」の掲載があります。
【資料3】には、弥生時代の各時期における古人骨の出土数をまとめた「表4-3」や出土遺跡の分布図等の掲載があります。
【資料4】には、弥生時代の殺傷人骨は北部九州のⅢ・Ⅳ期に多いなどの例示や、「殺傷人骨」を戦争以外の原因でも分類できるようになってきている、と記述があります。

【資料1】『戦争の起源 石器時代からアレクサンドロスにいたる戦争の古代史』(アーサー・フェリル著 河出書房新社 1988)
 p25「人間同士の戦闘が行われたという直接の証拠はほとんどないが、一人のネアンデルタール人の骸骨の骨盤部分には槍で突かれたためにできたと思われる穴が見られる。」とあります。
 p33「人骨のうち約40%については、同じ墓の中に先の鋭くとがった石片(細石器)が埋められていたが、槍や投げ矢にしては小さすぎるようなので、おそらく矢尻であろう。」とあります。※p36 L5まで人骨と道具について載っています

【資料2】内野那奈著「受傷人骨からみた縄文の争い」(『立命館文學633号』立命館大学人文学会編 2013年 p472-458所収)
 p471(2ページ)「表1 縄文時代の殺傷人骨」に所在地、遺跡名、残存状況、殺傷具、損傷部、殺傷方法等が一覧になっています。
※立命館大学の機関リポジトリに公開されています。 ( https://hdl.handle.net/10367/5261

【資料3】『文化進化の考古学』(中尾央・松木武彦・三中信宏編著 勁草書房 2017)
 p104-105「表4-3 弥生時代における古人骨データをまとめたもの。」に、弥生時代の各時期における古人骨の出土数がまとめられており、p106「この結果は、弥生時代において、縄文時代よりは高い頻度で暴力がみられる可能性を示唆する。」とあります。
 p107-108に受傷人骨の出土遺跡の分布図等も示されています。

【資料4】『古代を考える 稲・金属・戦争』(佐原真編 吉川弘文館 2002)
 p253「殺傷人骨は、世界的にかつては簡単に戦争と結びつけられた。しかし今では家庭内
暴力・集団内暴力、作業やスポーツによる事故など、きめこまかくみられるようになってきている。弥生の殺傷人骨は北部九州のⅢ・Ⅳ期に多い。鳥取県青谷町青谷上寺池の殺傷人骨は、Ⅴ期に属しており、時期的に倭国乱に対応する時期の初めての実例として注目をひいている。」とあります。
回答プロセス
(Answering process)
1 「石器 戦争」というキーワードでGoogleブックスを検索し、【資料1】を確認した。所蔵資料を調べたところ、上記の通りp25とp33以降に情報が載っていた。

2 【資料1】は、内容が日本でのことではなかったため、検索キーワードは「縄文 人骨 道具 戦争」で再度Google検索を行い、【資料2】を確認することができた。その際、「受傷人骨」というキーワードを得ることができた。

3 1、2で得たキーワードで千葉県立図書館の所蔵検索を行う。
 件名を『受傷人骨』で検索し、1件【資料3】がヒットした。
 書名を『古代 戦争 武器』で検索し、16件ヒットした。弥生時代とはどのような時代だったのかが詳しく記載されているため、【資料4】を選んだ。

4 NDLサーチを「受傷人骨」で検索し、以下の資料がヒットしたが、県立図書館未所蔵のため未見である。
 本間元樹著「平成13年度(2001)研究助成事業報告;研究調査報告縄文時代の受傷人骨」(『財団法人大阪府文化財センター研究調査報告 第4巻』大阪府文化財センター 編・発行 2006年 p215-232所収)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
世界史.文化史  (209 9版)
日本史  (210 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】 アーサー・フェリル「戦争の起源 石器時代からアレクサンドロスにいたる戦争の古代史」(河出書房新社 1988)p25-36  (1100666162)
【資料2】 内野那奈「受傷人骨からみた縄文の争い」(『立命館文學633号』立命館大学人文学会編 p472-458)
【資料3】 『文化進化の考古学』(中尾央・松木武彦・三中信宏編著 勁草書房 2017)p104-105 (2102811694)
【資料4】 『古代を考える 稲・金属・戦争』(佐原真編 吉川弘文館 2002)p253-254 (2101419506)
キーワード
(Keywords)
縄文時代
弥生時代
人骨
戦争
道具
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000328596解決/未解決
(Resolved / Unresolved)

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