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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
さいたま市立中央図書館 (2210012)管理番号
(Control number)
中央-1-0021626
事例作成日
(Creation date)
2022年10月22日登録日時
(Registration date)
2023年01月25日 11時33分更新日時
(Last update)
2023年02月09日 20時05分
質問
(Question)
子どもが学校の宿題で「たくさん歩いたので足が棒になりました」と書いたところ、「足が棒のようになりました」と訂正された。
小学館『ドラえもんはじめての国語辞典』には「足が棒になる」で文例が載っており、「足が棒のようになる」とは使われていない。
「~ようになる」としないと間違いなのか。
回答
(Answer)
「~のように」という活用で使われる「ようだ・ようです」は、「比況・様態の助動詞」に分類される。
よく似たほかのものに例えて言う比喩的な用法(比況)で、「~のように」が用いられる。
「棒のようになる」と訂正されたのは、「足」が「棒」になった状態を比喩ととらえ、「~のように」を用いることで、比喩表現として正しくなるように訂正したものと思われる。

一方、「足が棒になる」は、この一つながりでひとつの慣用句である。
比喩としてではなく、慣用句としてこの表現を用いたのならば、「足が棒になった」という表現で間違いはない。

慣用句として「足が棒になる」を掲載している資料でも、用例では「足が棒のように」を挙げているものもあるため、どちらの表現も間違いではないものと思われる。

以上を踏まえ、「比況・様態の助動詞」について解説している資料と、「足が棒になる」を慣用句として掲載している資料を紹介した。


【「比況・様態の助動詞」について解説している資料】
・『日本語文法がわかる事典』林巨樹/編 池上秋彦/編 安藤千鶴子/編 東京堂出版 2004年
 p236-237「比況・様態の助動詞」の項に「ようだ・ようです」が掲載されている。「ようだ・ようです」の意味としては、「①比況」「②例示」「③不確かな断定」「④「ように」の形で動作の自然な帰結を表したり、動作・作用の目的を表したり、他にあつらえ、または依頼する内容を表したりする」に分けられるが、「足が棒のようになる」という言い方の場合は、よく似たほかのものにたとえていう「①比況」の意で「ように」を用いていると思われる。

・『助詞・助動詞の辞典』森田良行/著 東京堂出版 2007年
 p137-143「ようだ・ごとし(比況)」の項で、例を挙げて用法の詳しい解説がある。説明されている用法の中では、「足が棒のようになる」という言い方で用いられる「ように」は、比喩的な用法(比況)と思われる。


【「足が棒になる」を慣用句として掲載している資料】
・『用例でわかる慣用句辞典』改訂第2版 学研辞典編集部/編 学研教育出版 2014年
 p7「足が棒になる」掲載あり。「用例:今日は一日中、足が棒になるまで歩き続けた。」

・『用例でわかる故事ことわざ辞典』学研辞典編集部/編 学研 2005年
 p20「足が棒になる」掲載あり。用例として、田山花袋の『一兵卒の銃殺』の以下の文が挙げられている。
「夜になると、足が棒のようになってしまいますよ。」
※用例は「足が棒のように」となっている。

・『からだことば辞典』東郷吉男/編 東京堂出版 2003年
 p242「足が棒になる」掲載あり。「長く歩いたり、立っていたりして、足が疲れてこわばる。『足が擂り粉木になる』『足を棒にする』とも。」

・『日本語慣用句辞典』米川明彦/編 大谷伊都子/編 東京堂出版 2005年
 p12「足が棒になる」掲載あり。用例として「一日中立ちっぱなしで、足が棒になった。」が挙がっている。

・『からだことば絵事典』ことばと遊ぶ会/編著 すがわらけいこ/画 あすなろ書房 2007年
 p72「足が棒になる」で意味と使い方の掲載あり。

・『まんが慣用句なんでも事典』山田繁雄/監修 北山竜/絵 金の星社 1998年
 p9「足が棒になる」で意味と用例の掲載あり。似た意味の慣用句として、「足を棒にする」が挙がっている。

・『よくわかる慣用句』面谷哲郎/文 山口仲美/監修 中村陽子/漫画 集英社 2003年
 p48「足が棒になる」で意味と解説の掲載あり。同類として「足をすりこぎにする」「足を棒にする」が挙げられている。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
語彙  (814 10版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
足が棒になる
慣用句
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000327870解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決

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