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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
さいたま市立中央図書館 (2210012)管理番号
(Control number)
中央-1-0021619
事例作成日
(Creation date)
2022年8月27日登録日時
(Registration date)
2023年01月25日 11時10分更新日時
(Last update)
2023年02月09日 19時18分
質問
(Question)
さいたま市桜区領家大久保(旧大久保村)に「蚤田」という小字があったらしい。
現在「蚤田」という地名はないと思うが、現住所ではどのあたりなのか。
「蚤田」という名称の由来は何か。
また、村史や地域の地名考などに「蚤田」の記載があればそれも紹介してほしい。
回答
(Answer)
「蚤田」はさいたま市桜区の大久保村ではなく、入間郡の大久保村(現在の富士見市東大久保)の地名であることが分かった。
また、渋井村(現在の川越市渋井)にも「蚤田」という小字があったことが分かった。
(『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1980年 より)
これらを踏まえ、以下のとおり資料を紹介し、回答した。

(1)『武蔵国郡村誌 第4巻 限定版』埼玉県/編纂 埼玉県立図書館 1954年
p335「大久保村」(入間郡)の字地に「蚤田」があり、「澁井橋の北に連る東西二十間南北五十間」との記述がある。
p339「澁井村」の字地にも「蚤田」があり、「三軒家の北にあり数村入会にして間数測るへからす」との記述がある。
渋井村の「疆域」の説明で、「東は大久保村と惡水を劃り(以下略)」とあり、大久保村と澁井村が隣接していたことが分かる。

【渋井村蚤田の場所】
(2)『川越の地名調査報告書2』川越市教育委員会 1982年
p29 大字渋井の項に「蚤田」(「のみた」のルビあり)がある。由来等の解説はなし。
巻末5「南古谷地区の地図」から蚤田の場所の確認ができ、現在の川越市渋井の東端であることが分かった。

【大久保村蚤田の場所】
『武蔵国郡村誌』によると、大久保村蚤田は「澁井橋の北に連る(略)」と書かれているため、渋井橋の場所を確認したが、現在は富士見市や川越市に渋井橋という名称の橋はない。
ただし、現在でも「埼玉県富士見市大字東大久保字渋井橋」という地名は残っている。この場所は富士見市東大久保の北西部にあり、その西側には川越市渋井がある。「澁井橋の北」は、川越市渋井の東端とほぼ同じ位置を示すことになる。つまりは、渋井村蚤田と大久保村蚤田は、隣接しているかは定かではないが、ほぼ同じような場所にあったのではないかと推測される。

(3)『富士見市史 資料編4 近世』富士見市教育委員会/編集 富士見市 1990年
「天保十一年十二月 大久保村明細帳」の中に「蚤田 一土橋壱ケ所 但 長弐間 横壱間 用水通」(p64)などの文言が出てくることは確認したが、内容まで読み解くことはできず、少なくとも字名の由来などを示すものは見受けられなかった。
回答プロセス
(Answering process)
●はじめに、質問者が情報を得た『角川地名大辞典』を確認した。

『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1980年

p1394左の「大久保村」の項に「蚤田」(「蚤」に「ノミ」のルビあり)の記載があることを確認。
この小字一覧は郡別に並んでおり、p1391からp1396まで入間郡の小字の一覧が続いている。さいたま市桜区領家大久保は北足立郡に属するため、ここで出てくる「大久保村」はさいたま市桜区の大久保村のことではなく、入間郡の大久保村であることが分かった。
また、p1394「大久保村」の下の「渋井村」にも「蚤田」(「ノミタ」のルビあり)という小字がある。
本編を確認したところ、入間郡大久保村は現在の富士見市東大久保、渋井村は現在の川越市渋井であることが分かった。

●『角川地名大辞典』の巻末にある小字一覧は“「武蔵国郡村誌」(明治8~9年)中の字地の項に書き上げられた地名を集録した”ものであると解説があったので、次に『武蔵国郡村誌』を確認したところ、「大久保村」(入間郡)の字地に「蚤田」があることと、「澁井村」の字地にも「蚤田」があることが分かった。
同資料の記述から大久保村と澁井村が隣接していたことが分かったので、「蚤田」はその両方にまたがる字地の可能性があると推測される。
実際、現在の富士見市東大久保(大久保村)と川越市渋井(渋井村)は隣接しており、郡村誌の記述と一致している。

●おおまかな位置が分かったため、川越市と富士見市に関する資料を調査した。
事前調査事項
(Preliminary research)
「蚤田」という地名については『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1980年 p.1394 の記載を見て知った。
NDC
関東地方  (213 10版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
蚤田
埼玉県富士見市
埼玉県川越市
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000327863解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決

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