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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
県立長野図書館 (2110021)管理番号
(Control number)
県立長野-22-184
事例作成日
(Creation date)
2022年12月17日登録日時
(Registration date)
2023年01月21日 10時11分更新日時
(Last update)
2023年02月27日 20時56分
質問
(Question)
島崎藤村著『夜明け前』に出てくる歎願書が知りたい。
藤村の父・島崎正樹が書いたと思われ、『夜明け前』の主人公青山半蔵のモデルとなっている。
回答
(Answer)
島崎正樹氏の歎願書は、以下の資料に掲載があった。
・『図説「夜明け前」の栞』北小路健著 国書刊行会 1973【N902/72】p.42
・『書の日本史 第7巻』平凡社教育産業センター企画編集 平凡社 1978【728.21/ヘイ/7】
  p.216-217
  明治2年3月、木曽三三ヶ村惣代島崎吉右衛門(島崎正樹)の名前で提出された歎願書の自筆草稿。

以下の論文では、歎願書の書き下し文が掲載されている。
・所三男「青山半蔵と木曽の山林事件」『徳川森林史研究所研究紀要』昭和46年度 p.1-27

また、参考までに国立公文書館を案内した。
国立公文書館では、森林管理局が所蔵していた史料が移管されている。
回答プロセス
(Answering process)
※ホームページ最終確認:2022年12月17日

1 『藤村全集』第12巻 島崎藤村著 筑摩書房 1966【N980/76/12】で、質問者が言っていた歎願書
  が出てくる場面を確認する。
  p.436に「半蔵等の作成した歎願書、及び彼の集めた材料の古書類を借り受けたい」という記述があ
  る。

2 木曽御料林事件の概要を把握するため、インターネット検索する。
  「木曽山林資料館
  「木曽の林業の歴史」や「『木曽山林資料館研究紀要』」についてのページを確認。論文は公開されて
   いる。
   ほか掲載のあった参考文献を確認する。
   
3 2の参考文献田原昇著「近世木曽山における「新規立林」成立の様相『徳川林政史研究所研究紀要
  42号』p.47-48註(21)島崎正樹の歎願書の意義について以下を参照したとある。
  ・所三男「青山半蔵と木曽の山林事件」『徳川林政史研究所研究紀要』1972年 p.1-28
   p.18-19に、青木半蔵(島崎正樹)の自筆歎願書の草稿の書き下し分が掲載されている。

4 『長野県史 近代史料編 第5巻4』長野県編 長野県史刊行会 1986【N209/11-1/5-4】に、
  関連史料の掲載がないか調べるが、当該嘆願書と思われるものの掲載はなかった。

5 『徳川林政史研究所研究紀要』を調べる。
   山本英二「木曽林業にみる享保改革の歴史的位置」『徳川林政史研究所研究紀要』25号 p.57-76
   p.57
    「(前略)明治二年(一八六九)三月、この官有地下げ戻し訴訟の発端となる一通の歎願書が
     作成された。(1)」
   p.74註釈には「(1)『書の日本史 第七巻 幕末維新』(平凡社、一九七五)。」とあり、
   p.216-217に嘆願書の掲載を確認する。

  ほか、森林管理局(御料林を管轄していた帝室林野局→営林局→森林管理局と変移)所蔵資料の所在
  調査に関する論文を見つける。  
  ・加藤衛拡「国有林史料の調査と近世・近代史研究への展望」『徳川林政史研究所研究紀要』第40号
   2006 p.1-14
  ・太田尚宏「中部森林管理局所蔵史料調査の記録」『徳川林政史研究所研究紀要』第40号 2006
   p.95-100
  
  森林局所蔵資料所在調査については徳川林政史研究所サイトにも掲載がある。
  ・「全国森林管理局所蔵史料調査」ページ
  ・「中部森林管理局長野本局調査」ページ
  ・「研究報告会「国有林史料の保存と活用にむけて」 第3報告 御料林の形成・展開と木曽地方
   ページ
  ・「国有林史料の“恒久的保存”実現へ」ページ

6 当館蔵書検索でキーワード「島崎藤村」などで検索。
  『図説「夜明け前」の栞』北小路健著 国書刊行会 1973【N902/72】p.42に嘆願書の掲載を確認
  する。

調査資料
 <資料>
  ・『史料木曽御料林事件交渉録』青木恵一郎編 新生社 1968【N651/13】
  ・『木曽御料林事件』町田正三 銀河書房 1982【N902/237】
  ・『近世林業史の研究』所三男著 吉川弘文館 1980【652.1/トミ】
  ・『帝室林野局五十年史』帝室林野局編・刊 1939【651/24】
  ・『戦前期における木曽材経済史』萩野敏雄 農林出版 1975【N651/77】  
  ・『長野県史 近代資料編 第5巻4』長野県編 長野県史刊行会 1986【N209/11-1/5-4】
  ・『木曽福島町史 第2巻』木曽福島町教育委員会編 木曽福島町 1982【N234/76/2】
  ・『愛知県史 通史編4』愛知県史編さん委員会編 愛知県 2019【215.5/アイ/1-4】

 <論文>
  ・丹波邦男「裏木曾における官林設定過程」『徳川林政史研究所研究紀要』1970 p.23-64
  ・北條浩「木曽山林事件の一考察」『徳川林政史研究所研究紀要』1974 p.49-71
  ・町田正三「木曽谷山林の官民有区分について」『徳川林政史研究所研究紀要』1977 p.174-209
  ・田原昇著「山村甚兵衛家による木曽山支配の様相『徳川林政史研究所研究紀要41号』

 <サイト>
  ・馬籠 藤村記念館
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
林業経済.行政.経営  (651)
参考資料
(Reference materials)
北小路健 著 , 北小路, 健, 1913-1991. 図説『夜明け前』の栞 : 虚像と実像を探る. 国書刊行会, 1973.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001267042-00
平凡社教育産業センター/企画編集 , 平凡社教育産業センター. 書の日本史 第7巻. 平凡社, 1978.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I015688128-00
キーワード
(Keywords)
長野県-木曽郡木曽町
木曽御料林
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000327716解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決

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