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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
県立長野図書館 (2110021)管理番号
(Control number)
県立長野‐22‐153
事例作成日
(Creation date)
2020年06月21日登録日時
(Registration date)
2022年12月02日 20時53分更新日時
(Last update)
2022年12月08日 20時48分
質問
(Question)
前山親頼の系譜について調べたい。親頼が前山姓を名乗り始めて以降のことや、砺波郡東保村の前山氏、畠山重臣前山左京亮との関連はあるか。
回答
(Answer)
 前山親頼やそれ以前のことについてはある程度資料があったが、親頼が前山姓を名乗り始めて以降のことや、砺波郡東保村の前山氏、畠山重臣前山左京亮との関連は不明。

1.前山親頼について
 前山親頼は『倉澤家之歴史』倉澤健郎編 郷土出版社 1983【N228/183】p.33-38「八代忠宗 倉澤小弥太」の項目のp.33に忠宗の弟として「前山次郎」と記述があった。p.35には「弟の次郎が前山姓を名乗っているのは、佐久の前山に長く住んだがために前山の地名をもって姓とすることとなったものであろう」と記載がある。
 『日本歴史地名大系20 長野県の地名』平凡社 1979【291.03/ニホ/20】p.131および『角川日本地名大辞典 20』「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店1990【291.03/カド/20】p.1017に、「まえやま 前山 〈佐久市〉」があり、佐久地域に前山(マエヤマ)という地名があることがわかった。『倉沢家の歴史』 p.35で、兄の忠宗は観応2(1351)年の「駿河の薩田山(駿河倉沢)の戦」に出陣していると推測されており、手掛かりになると考えられる。

2.前山親頼以前について
 『倉澤家之歴史』は、倉澤家の所有する文書や関連する郷土資料を参考しつつ、各代ごとに考察する構成になっている。家系図の記載はないが、p.10-11の目次に挙げられている項目が代々の家長の名前になっている。木曽氏の一族に仕え、前山親頼の兄である倉澤忠宗の代までに楯、沼田、倉澤と名前が変化している。また、倉澤家初代と数えられている楯六郎親忠の先代として、根々井大弥幸親の項目がある。
 『信濃古武士』丸山文楽著 2009【N288/236】p.172-173に所収されている「滋野朝家臣 海野、称津、望月氏 布施・平林氏系図」では、倉澤家初代とされる楯六郎親忠とその前代 根々井大弥太幸親(図中の表記は「行親」)の名前を確認できる。
 あわせて、『姓氏家系大辞典 第2巻』太田亮編 角川書店 1976【288.1/オア/2】p.2173「倉澤 クラサワ」の項目、『姓氏家系大辞典 第3巻』太田亮編 角川書店 1976【288.1/オア/3】 p.4584-4585の「根井 ネネイ ネノイ ネイ」の項目を紹介した。
 このほか、『木祖村誌 源流の村の歴史 上』木祖村誌編纂委員会編集・刊 2001【N234/101/3-1】p.82には、木曽義仲の基盤ははじめ東信にあり、従った武士が列挙されている中に根井行親、楯親忠の名前が記載されている。
 東信地域である『佐久市志 歴史編(2)』佐久市志編纂委員会編 佐久市志刊行会 1993【N223/69/3-2】p.60を見ると、源平争乱の中で長野県内に根拠地を置いていた武士がどちらについていたのかを『平家物語』『源平盛衰記』『吾妻鏡』をもとに整理した「図4 信濃における義仲軍と平氏軍」の中に、源氏側についた武士として根井行親と楯親忠の名前が見られる。

3.前山親頼以降の前山姓について
 人物事典などの姓名を確認できる資料で「前山(マエヤマ、サキヤマ)」を探したが、項目自体がないなど、有力な手掛かりは確認できなかった。
 参考として佐久周辺地域に関係のある「前山」と記載のあった資料を紹介した。
 『長野県精髄北佐久郡志』千秋社 1997(北佐久郡役所 大正4年の復刻)【N222/127】p.438「歴史編 第7章 戦国時代」において、天文14年に武田晴信(信玄)が佐久諸氏を集めた際の記録が紹介されている中に、「甲鑑」からの引用の中に「前山」、「信陽雑志」からの引用の中に「前山主殿」の文字があった。しかし、この「前山」が前山親頼の子孫を指すものなのか、当時前山城主であった伴野氏を指すものかは確認できない。
 この「甲鑑」は、「甲陽軍艦」を指し、武田氏の晴信(信玄)、勝頼の2代を中心とした軍事についてまとめられたもの。『甲陽軍艦大成』として翻刻されており、該当部分は『甲陽軍鑑大成 第1巻』酒井憲二編著 汲古書院1994【N399/3/1】の [十五、信州塩尻合戦之事] p.237-238のうち、p.237下段(本篇九巻74丁表)の「まい山殿主(とのも)」。
 また、「信陽雑志」は延享元(1744)年に成立、信濃国の歴史と地理に関する書。『信濃史料叢書 第4巻』信濃史料刊行会編 信濃史料刊行会 1971【N208/43/4】のp.1-169に収められており、「前山主殿」ついてはp.80下段となる。

4.他の前山姓について
 「マエヤマ 前山」について、下記調査資料に挙げた事典類をあたったが、詳細は不明。
 『姓氏4000歴史伝説事典』 p.1041-1042「前山(まえやま)」の項目に、分布について、里舘勇治氏の記述があったので紹介した。
  【発祥・系譜・分布】出自・系譜未詳。畠山重臣に前山氏の名があがっている。伊勢、志摩、尾張、
    信濃、武蔵に分布。
   【人物】幕末期に活躍した佐賀藩士前山清一郎(1823-96)、文化人類学者前山隆(1933-)

5.地名としての「前山」
 『日本歴史地名大系20 長野県の地名』の索引で「前山(まえやま)」を見ると、前山(佐久市)、前山城(佐久市)、前山新田村(佐久市)、前山村(佐久市)、前山村(上田市)、前山山新田(北佐久郡)の項目があった。「前山(ぜんざん)」とつくものは前山寺(上田市)のみ、「前山(さきやま)」、「前山(まいやま)」は該当項目がない。
 『角川日本地名大辞典 20』「まえやま 前山 〈佐久市〉」p1017に「地名の由来は、前山城跡のある城山の前の村ということであろうか」と記述がある。上田市の前山については、由来の記載は確認できなかった。
回答プロセス
(Answering process)
1 前山親頼について、長野県関係の人名辞典、歴史人物についての人名辞典を調べるが、前山親頼および、「前山(マエヤマ、サキヤマ)」の項目で、関係する人物は確認できない。

2 webで「前山親頼」を検索する。全国各地の海野氏をまとめている「海野史研究会」の「全国各地の海野氏について」のページに、倉沢健郎氏からの情報があった。この方の著作を調べると、当館に所蔵されている『倉澤家之歴史』があったので、内容を確認する。[最終確認2022.12.2]

3 前山親頼以前については、上述の『倉澤家之歴史』が参考になる。『信濃古武士』で、海野氏にかかわる部分を調べる。

4 『姓氏家系大辞典 第2巻』p.2173「倉澤 クラサワ」の項目を参照したところ、(倉澤は親頼の兄忠宗の姓)に「滋野姓 海野流」と記載がある。しかし、「滋野朝家臣 海野、称津、望月氏 布施・平林氏系図」(前掲)を見ると、倉澤家は滋野氏の中でも望月氏の系図の中に位置づけられている。
『姓氏家系大辞典 第3巻』p.4584-4585の「根井 ネネイ ネノイ ネイ」の項目には滋野姓とだけ記載されており、滋野から根井に至るまでの間については、次の記述がある。
  (-前略-)滋野氏三家系図に「三寅大夫冩広―右衛門督冩通―広重(望月三郎)―蔵人国重―左衛門尉
  国親―行親(根井大弥太、木曽の士)—親忠(楯六郎)」と見え、また、滋野系図に「海野信綱―行親(根
  井小弥太)—親忠(楯六郎、治部大夫)」ともあり。こは時代を誤れる也。
   而して行親は、中原師茂記に「根井滋野行近」と載せたれば、滋野族なるや明白なりとす。(後略)
この説によれば、望月氏、海野氏にルーツを持つ根拠は否定し、滋野氏にルーツを持つとしている。ここでいう滋野氏については、『姓氏家系大辞典 2巻』p.2739-2741の「滋野 シゲノ」の項目の6 が該当し、紀伊国造の滋野宿禰のうち朝臣姓を賜った族の後裔であると推測されている。

5 『倉澤家之歴史』によると、木曽氏の一族に仕えていたことから、『木祖村誌 源流の村の歴史 上』を調べる。根井行親、楯親忠の名前を確認する。

6 もともとの出自は佐久であることから、『佐久市志 歴史編(2)』を見ると、源氏側についた武士として根井行親と楯親忠の名前が見られた。

7 『長野県精髄北佐久郡志』に、「前山主殿」の記述があったため、もともとの出典である「甲陽軍艦」を所収する『甲陽軍艦大成』を調べる。「信陽雑志」についても同様に『信濃史料叢書第4巻』で調べる。

8 『佐久市志』『佐久町誌 歴史編1』佐久町誌刊行会編 佐久町誌刊行会 2004【N223/48/3-1】の前山親頼が存命していた時代を参照したが、有力な情報は得ることができなかった。

9 『倉澤家之歴史』p.35の「弟の次郎が前山姓を名乗っているのは、佐久の前山に長く住んだがために前山の地名をもって姓とすることとなったものであろう」と記載から、佐久周辺の「前山」という地名を『日本歴史地名大系20 長野県の地名』『角川日本地名大辞典 20』で調べる。


<調査資料>
・『佐久町誌 歴史編1』佐久町誌刊行会編 佐久町誌刊行会 2004【N223/48/3-1】
・『清和源氏740氏族系図 第1-3巻』千葉琢穂編著 展望社 1985【288.3/チタ/1-3】
   第3巻 p.90の「氏族発祥明解 補遺」に「滋野(しげの)氏」の項目があり、「中世の大姓。信濃滋野
  氏が著名。のちの真田氏。」と記載あり。「前山」「倉澤」は記載が確認できない。
・『木曽福島町史 歴史1』木曽福島町教育委員会編 木曽福島町1982【N234/76/1】
   「木曽氏系図 系図60」(p.325)の中に「沼田」の記載があるが、木曽家と倉澤家5-7代が名乗ってい
  た沼田姓との血縁関係は確認できなかった。
・『寛政重修諸家譜 索引 1』続群書類従完成会 1981【288.2/タミ/23】
    姓の索引に「前山」(マエヤマ、サキヤマ)、「倉澤」(クラサワ)は確認できなかった。
・『国史大辞典 15下』国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1997【210.03/コク/15-3】
・『角川日本姓氏歴史人物大辞典 20』 角川書店 1996【288.1/カド/20】
・『長野県歴史人物大事典』神津良子編 郷土出版社 1989【N283/13/ウ】
・『戦国人名事典』阿部猛編 新人物往来社 1990【281.03/アタ】
・『朝日 日本歴史人物事典』朝日新聞社編 朝日新聞社1994【281.03/アサ】
・『江戸幕府旗本人名事典 第1-5巻』 小川恭一編著 原書房1989-1990【281.03/オキ/1-5】
・『日本人名大事典 第1-6巻』平凡社 1979【281.03/ニホ/1-6,補】
・『日本古代中世人名辞典』平野邦雄編 吉川弘文館 2006【281.03/ヒク】
・『人物レファレンス事典 郷土人物編2』日外アソシエーツ編・刊 2008【281.03/ニチ/2】
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
系譜.家史.皇室  (288 10版)
中部地方  (215 10版)
参考資料
(Reference materials)
倉沢健郎 編 , 倉沢, 健郎, 1919-. 倉沢家之歴史. 郷土出版社, 1983.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001677108-00  (【N228/183】)
日本歴史地名大系 20. 平凡社, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005629726-00 , ISBN 4582490204 (【291.03/ニホ/20】)
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 20 (長野県). 角川書店, 1990.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002055045-00 , ISBN 4040012003 (【291.03/カド/20】)
丸山 楽雲/著 , 丸山 楽雲. 信濃古武士. 信濃古武士刊行会, 2009-10.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059060966-00  (【N288/236】)
木祖村誌編纂委員会/編集 , 木祖村誌編纂委員会 , 木祖村. 木祖村誌 源流の村の歴史 上. 木祖村誌編纂委員会, 2001-03.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I058982151-00  (【N234/101/3-1】)
佐久市志編纂委員会/編 , 佐久市志編纂委員会. 佐久市志 歴史編(2). 佐久市志刊行会, 1993-07.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I058921037-00  (【N223/69/3-2】)
キーワード
(Keywords)
前山
前山親頼
信州学
先祖探し
ルーツ
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000325056解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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