レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/05/28
- 登録日時
- 2022/11/22 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:42
- 管理番号
- M22052812336714
- 質問
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プラスチックはもともと象を救うために作られたと聞いた。プラスチックの開発や歴史がわかる資料はないか。
- 回答
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①『よくわかる最新プラスチックの仕組みとはたらき』に19世紀中頃、アメリカでビリヤードが大流行したため、ビリヤードの玉に使われている象牙が不足し、象牙に代わるビリヤードの玉の開発に1万ドルの懸賞金がかけられたこと、1869年にアメリカの印刷業者ジョン・ハイアットがニトロセルロースに樟脳を混ぜることで象牙に代わるセルロイドを作り出したこと等の記述がある。ただし、セルロイドは天然のセルロースを原料としているため、厳密には人工的に作り出したプラスチックとは言いにくい面があるとし、本当の意味で初めて人工的に作り出したプラスチックは、アメリカの化学者ベークランドが開発したフェノール樹脂(ベークライト)であるとする。
同書P.22には「プラスチックの工業化年表」として、プラスチックの名前と、工業化開始年、初めて工業化に成功した国の一覧がある。
②『身近なプラスチックがわかる』の「プラスチックの歴史と発展」の項に、歴史上初の人工樹脂(プラスチック)を作り出したと言われているのは、イギリスの発明家アレキサンダー・パークスで1855年に天然のセルロースをもとに「パークシン」を作り出すことに成功したとある。その後、1869年にジョン・ウェズリー・ハイアットがセルロイドを、1907年にレオ・ヘンドリック・ベークランドが「ベークライト」を発明したことが書かれている。
①同様賞金をかけて象牙に代わる素材の発明が呼びかけられたことや「ベークライト」が初めての完全な合成樹脂であったとの記述がある。
③『プラスチックの文化史』では、象牙の代替品が必要であり、百万ドルの新聞広告をだしたこと、ジョン・ウェズリー・ハイアットがセルロイドを発明したこと等、20世紀末ごろまでのプラスチックの歴史が日本のプラスチック産業史を含めて詳細にわかる。
④『脱プラスチック』ではプラスチックの歴史にはビリヤード球が関係しており、アメリカにおけるビリヤードの父・マイケル・フェランが象牙不足を心配し、1863年に象牙の代替品を見つけた者に賞金1万ドルを支払うという新聞広告を出したことなどが出ている。ただし、賞金の1万ドルについては受賞者はいなかったともある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 高分子化学工業 (578 9版)
- 参考資料
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①桑嶋幹『よくわかる最新プラスチックの仕組みとはたらき』 秀和システム,2019,255p.参照はp.21-22.
②西岡真由美『身近なプラスチックがわかる』 技術評論社,2020,191p.参照はp.24-28.
③遠藤徹『プラスチックの文化史』 水声社,2000,324p.参照はp.27-123.
④レイチェル・サルト『脱プラスチック』 日経ナショナルジオグラフィック社,2021,160p.参照はp.11-12.
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①桑嶋幹『よくわかる最新プラスチックの仕組みとはたらき』 秀和システム,2019,255p.参照はp.21-22.
- キーワード
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- 合成樹脂
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2022052812382036714
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000324447