“神戸陶磁器加工業組合”についての文献を探している。

正式名称は「神戸加工陶磁器工業組合」または「神戸加工陶磁器商工組合」「神戸陶磁器輸出組合」などが変遷・派生した組織かと思われます。以下の所蔵資料・オンライン公開文献に地区名・理事長名・所在地(住所)・電話番号などの情報が掲載されています。各資料・掲載箇所を紹介、利用方法の案内をおこないました。

所蔵資料
（1）『神戸市商工名鑑　昭和十六年三月刊行』(神戸市 1941) p.243 神戸市公認工業組合一覧“神戸加工陶磁器工業組合”代表者名 奥村由松

オンライン公開資料（※国立国会図書館デジタルコレクション図書館・個人送信資料）
（2）『神戸市商工名鑑』(神戸市)大正十二年十月調査(1925)、昭和二年十一月刊行(1927)、昭和五年三月刊行(1930)、昭和七年十二月刊行(1932) それぞれ附録p.4に「神戸市公認組合一覧 準則組合“神戸加工陶磁器商工組合”の記載がある。　

（3）『神戸市商工名鑑』昭和十二年十二月刊行(神戸市 1937) 附録p.3　神戸市公認組合一覧 準則組合“神戸加工陶磁器輸出商工組合”　附録p.5 神戸市公認組合一覧 工業組合及同聯合會“神戸加工陶磁器工業組合”

（4）『神戸市産業要覧』(神戸市産業課)昭和十二年刊行(1937)、昭和十三年刊行(1938)　工業組合・輸出組合の項に“神戸加工陶磁器工業組合”“神戸陶磁器輸出組合”記載有り。

（5）『産業調査資料 第十七輯　神戸市における工業・貿易・商業組合』(神戸市産業課調査室 1939)貿易組合“神戸陶磁器輸出組合”、工業組合“神戸加工陶磁器工業組合”

（6）『陶磁器業界総観』昭和十三年（陶磁界研究社 1938）“神戶陶磁器輸出組合”　理事・監事・総代・組合員の名簿(店個人名・住所・電話番号)

1. 典拠となる図書と思われる１ページのコピーを見せていただく。章名「九谷の末流」p.313 、明治期に石川県能美郡より名古屋・横浜・神戸などに移住した職工により九谷絵附業が広まった状況などが書かれており、神戸の項に“近年此等の陶畫工一園となつて神戸陶磁器加工業組合を結成した、現理事長奥村由松氏、”とある。利用者に確認するがこのページだけをFAXで入手したとのことで、本の書名等わからないとのこと。国立国会図書館サーチ、WebcatPlus、GoogleBooks等で調査するが、この本の書名は確定できなかった。

2. 「神戸×陶磁器×組合」などのキーワードで国立国会図書館サーチにて検索。（6）などデジタルコレクション送信資料がヒット。

3. 当館所蔵の神戸市郷土資料より（1）を確認。神戸市公認工業組合一覧“神戸加工陶磁器工業組合”代表者名 奥村由松　の記述が見つかった。

4. 「神戸加工陶磁器工業組合」をキーワードに国立国会図書館デジタルコレクションを検索。(2)～(5)の資料刊行のそれぞれの時期に“神戸加工陶磁器工業組合”“神戸陶磁器輸出組合”“神戸加工陶磁器商工組合”などの組合が存在していたことがわかった。

以上、所蔵資料と国立国会図書館デジタルコレクション送信資料の掲載箇所の紹介、資料の利用方法の案内をおこないました。