レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 中野区立中央図書館 (2310165) | 管理番号 (Control number) | 中野1817 | ||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2021年03月21日 | 登録日時 (Registration date) | 2022年11月20日 15時52分 | 更新日時 (Last update) | 2022年12月05日 13時49分 | ||||
質問 (Question) | 「水無瀬殿恋十五首歌合」について 活字になっているもの(翻刻)が載っている資料はないか? | ||||||||
回答 (Answer) | 【資料1】『群書類従 第十二輯』(081/ハ/12) p.379 「水無瀬殿恋十五首歌合」の翻刻が載っている。 【資料2】『仙洞句題五十首・水無瀬殿恋十五首歌合 全注釈』(中野区未所蔵) p.201 異本系諸本から、有吉保蔵本(笠間影印叢書刊38)を参照 p.207 異本の翻刻が載っている。 依頼された文献には「異本」が存在し、依頼者が探していたものは【資料2】に載っている異本の翻刻だった。 | ||||||||
回答プロセス (Answering process) | 【資料1】『群書類従 第十二輯』(081/ハ/12) p.379 水無瀬殿恋十五首歌合 翻刻あり ご質問に対し【資料1】を案内したが、載っている文章が持ち込みの資料(文献のコピー)と違うようだとの問い合わせがあった。 「文献のコピー」と【資料1】を見比べながら、内容を分かる範囲で確認すると、確かに部分的に差異があるように見受けられる。 (ただし、「文献のコピー」は草書体で書かれており、ある程度大まかな内容を確認できるが、読み取れない部分もある) その場で解決にいたらず。 「文献のコピー」の元になった文献情報がその場では確認出来なかったので、可能であればご確認いただくようお願いした。 また、下記【資料2】を紹介した。 【資料2】『仙洞句題五十首・水無瀬殿恋十五首歌合 全注釈』(中野区未所蔵) 内容紹介に“題詠の詠歌方法を大きく発展させた画期的な作品である「仙洞句題五十首」「水無瀬殿恋十五首歌合」を翻刻し、語注・通釈を施す。解題、初句索引も収録。”とある。 都立中央図書館に所蔵されていたので相互貸借手続きをおこなった。 以下、継続調査 【資料3】「講法と和歌の解釈 : 『水無瀬殿恋十五首歌合』の判詞をめぐって」田野 慎二/著 『古代中世国文学』(7), 22-28, 1995-08-10, 広島平安文学研究会 https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00017506 今回依頼された部分について直接言及しているわけではないが文中に“『水無瀬殿恋十五首歌合』には異本が存在し、判詩などにかなり相違がある”とある。今回依頼者から、違うと指摘された部分も判詩の部分と思われる。依頼者の持ち込み資料が異本である可能性を視野に入れて調査をすすめる。 【資料4】『水無瀬殿恋十五首謌合』(笠間影印叢刊 ; 38) この文献の注記に“有吉保蔵 異本の複製”とある。 ただし、中野区未所蔵のため、現物の確認が出来ず、書店サイトの試し読みで【資料4】の内容確認をおこなった。 試し読み可能な頁内に、調査対象箇所が含まれており、目視で確認した限り「文献のコピー」の本文と一致しているように見受けられた。 →後日、都立から【資料2】が到着、内容を確認する。 【資料2】『仙洞句題五十首・水無瀬殿恋十五首歌合 全注釈』 p.201 異本系諸本から、有吉保蔵本(笠間影印叢書刊38)を参照した。 p.207 異本の判詞部分が活字になっている。「左歌、「猶我袖は」といへいるわたり、ことに宜かるべし。右歌は、「月やあらぬ」といへる古哥の心なる上、「春やむかしの袖の涙」、下句宜様なるを、一番は左おぼろかなるをだにも持などに定事也。まして此左殊宜侍り。仍偽勝。」 「文献のコピー」の本文と一致するように見受けられる。 →依頼者に連絡して以下をお伝えする。 ・最初に案内した【資料1】と「文献のコピー」内容が異なる理由については、この文献には異本が存在し「文献のコピー」が異本の方のコピーだったため。異本は判詞などが異なる場合がある。(根拠は【資料3】参照) ・「文献のコピー」と同じ本文(少なくとも文面が一致する)と思われる文献は【資料4】 ・【資料2】に【資料4】の翻刻が載っていた。 → 後日、【資料2】を依頼者と一緒に確認し、これで問題ないとのことなので調査を終了した。 <その他調査資料> 『日本古典文学大辞典 5』日本古典文学大辞典編集委員会/編, 岩波書店, 1984年(R910.3/ニ/5) p.610 翻刻は、群書類従(【資料1】)、桂宮本叢書14、阿讃諸文庫国文学翻刻叢書の3点が載っている。他2点所蔵無し。 『国書総目録 7巻』岩波書店, 1990年(R025.1/コ/7) p.560 (室町時代写)は静嘉堂文庫と宮内庁書陵部とある。 活字版については、群書類従のみが紹介されている。 『新編国歌大観 5巻 歌合編』「新編国歌大観」編集委員会 編, 角川書店, 1987年(R911.10/シ/5) p.408 翻刻が載っているが内容は群書類従(【資料1】)と同じ。 『古典文学 全集・翻刻書・研究書総目録』日外アソシエーツ/編, 日外アソシエーツ, 1996.7(R910.3/コ) p.396 『水無瀬殿恋十五首謌合』笠間書院 1973(【資料4】)ほか、掲載されている文献はいずれも中野区に所蔵なし。 [インターネット最終アクセス:2022.06.22] | ||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||
備考 (Notes) | |||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | |||||
登録番号 (Registration number) | 1000324376 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) |