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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
田原市図書館 (2310085)管理番号
(Control number)
田原R1005187
事例作成日
(Creation date)
2022年05月12日登録日時
(Registration date)
2022年09月14日 14時10分更新日時
(Last update)
2023年02月01日 14時04分
質問
(Question)
渥美窯(渥美古窯)がなぜ廃れてしまったのか、理由を知りたい。
回答
(Answer)
以下のとおりに、いくつかの推測がある。

【資料1】『図説*日本の歴史 23』
→p.126-127「渥美窯と常滑窯とは非常に似かよった製品を生産してきた」
「大型製品を成形するのに都合のよい粘土にめぐまれていた常滑窯が、渥美窯にせり勝った」

【資料2】『渥美の古代史をさぐる』
→p.129「他窯にみられる製法の新技術の導入がなかったことと、したがって商品経済としての競争に敗れたことが第一にあげられる」
「渥美窯の構造が余りにも大きくて、焼成時における不経済性があげられる」
「神宮領に属していた渥美全域が、武家勢力の進出によって、その支配態勢が大きく変化していったこともその一つの要因だったと考えられる」

【資料3】『渥美窯 国宝を生んだその美と技』
→p.128-129「渥美窯は、武士の勃興とともにその歩みを同一にしてきた。東北地方に渥美焼が多いのは、武士が活発だったからである」とあり、平泉氏が1189年に源頼朝によて滅ぼされたことを契機に、渥美窯もシンクロして一気に衰退していった、と説明されている。
p.131「この鎌倉において、通常の製品が常滑窯製品で占められ、特別注文品が瀬戸窯製品に取って代わられることや、奥州藤原氏の滅亡により最大の消費地が失われたことで、13世紀以降、渥美窯の壺・甕製品の生産は急激に縮小化していくのである」

【資料4】『形の旅』
→p.53「渥美の地層はこの珪砂(けいさ)が少なく、大型の窖窯(あながま)を掘り抜くには無理があったという」
p.55-56「渥美古窯が滅びたのは、良質の陶土を算出できなかったとする説もある。粗い砂質で耐火性が悪く、大型の製品には焼け歪みのものができ、これが早い時期に衰えた理由という」
回答プロセス
(Answering process)
1.OPACで「渥美窯」「渥美古窯」で検索。
2.郷土記事索引で「渥美古窯」の項目を引き、郷土資料の棚をブラウジング。
 ※【資料3】に載っている「小野田勝一」の書いた本を見たいと利用者に言われ、「小野田勝一」で全文検索。そこから【資料2】を見つける。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
中部地方  (215)
セラミックス.窯業.珪酸塩化学工業  (573)
陶磁工芸  (751)
参考資料
(Reference materials)
林英夫責任編集 ; [林英夫ほか執筆] , 林, 英夫. 図説愛知県の歴史. 河出書房新社, 1987. (図説日本の歴史 / 色川大吉 [ほか] 監修, 23)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I003568506-00 , ISBN 4309611230 (p.122-129「やきもの産業の源流」)
伊良湖自然科学博物館. 渥美の古代史をさぐる. 伊良湖自然科学博物館, 1981.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001533712-00  (p.123-129「渥美の原始・古代の流れ」)
田原市博物館 編 , 田原市博物館. 渥美窯 : 国宝を生んだその美と技 : 田原市制施行10周年記念特別展. 田原市博物館, 2013.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025025363-00  (p.127-129「中世の先駆け・渥美焼」、p.130-133「渥美窯製品の流通」)
味岡伸太郎 著 , 味岡, 伸太郎, 1949-. 形の旅. 春夏秋冬叢書, 2007. (はるなつあきふゆ叢書 ; 23(2007 冬))
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009203974-00 , ISBN 9784901835312 (p.42-56「渥美古窯」)
沢田由治著 , 沢田, 由治. 常滑 渥美 越前 珠洲. 平凡社, 1989. (日本陶磁大系 / 小山冨士夫[ほか]編, 7)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I008225183-00 , ISBN 4582235077 (事後調査。p.114に「藤原顕長の三河守時代を経過すると、窯はしだいに衰微してゆき、ついに渥美半島から陶窯はその煙を絶ってしまうのである」とあり。)
キーワード
(Keywords)
渥美窯
古窯
鎌倉時代
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000321304解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決

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