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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
東京都立中央図書館 (2110013)管理番号
(Control number)
中央-2022-09
事例作成日
(Creation date)
20200309登録日時
(Registration date)
2022年08月18日 00時30分更新日時
(Last update)
2022年08月20日 15時20分
質問
(Question)
学校で使われている学習ノートの歴史と、なぜ大きめのマスのノートが低年齢の子どもに適するのかを知りたい。
回答
(Answer)
(1)学習ノートの歴史
都立図書館蔵書検索や末尾に記載のデータベース、インターネットを<文房具><文具><学習帳><学習ノート><ノート>というキーワードで検索し、ヒットした資料や情報を調査した。

資料1
「ノート」(角田曉子)(p.243)の項に以下の説明があり、1884-1973年の学習ノートの歴史が分かる。
「1887年(明治20)ころには、鉛筆で記入する雑記帳または帳面と呼ばれた和紙(更紙)製のものが小学生の学習用に用いられた。大学ノートは、1884年に東京大学前の松屋が販売したものが最初といわれる。(中略)小学校用も明治末には洋紙のノートへと移行した。第1次世界大戦後には国内で洋紙が作られるようになり、和紙のものは特殊なものを除き姿を消した。昭和初期には、らせん状の針金で綴じたスパイラルノートがフランスから輸入され、単語帳などに使われた。(中略)73年にはカラー写真入りの表紙と〈百科記事〉の入った学習帳が売り出された。」

資料2
「一 学習史における紙 3「書かせる紙」の歴史 ノートの成立史」(p.129-192)のなかで、ノートの前史や大学ノートの歴史が記述されているほか、「教育用ノートの出現」(p.169-185)「教育用ノートの展開」(p.185-190)等で、1960年頃までの小学校児童用ノートについて詳述している。

資料3
「学習帳」(p.50)の項に、1902-1970年について以下のように書かれている。
「1902年に鐘美堂の中村寅吉が発売した罫入り雑記帳がはじまりとされ、1909年には科目ごとに異なる罫線を持った「教育的雑記帳」がつくられている。(中略)1970年にショウワノートが(中略)発売したジャポニカ学習帳によって現在の学習帳のイメージの典型が完成した。」
この資料には「参考文献」(p.191)も掲載されている。

資料4
「ノート」(p.341-342)の項に、明治から戦後にかけての学校用ノートについての説明があり、大学ノートに関する記述のほか、「明治40年ごろには大阪で小学校用ノートが製造販売された」(p.342)こと等が載っている。
この資料には「参考文献と資料」(p.351-352)も掲載されている。

以下の情報1・2と資料5~7は写真等も充実している。

情報1・情報2
「【連載】文房具百年 #5「学習ノートとノートのようなもの」前編」(たいみち)(Webマガジン「文具のとびら」) https://www.buntobi.com/articles/entry/series/taimichi/007850/
「【連載】文房具百年 #6「学習ノートとノートのようなもの」後編」(たいみち)(Webマガジン「文具のとびら」) https://www.buntobi.com/articles/entry/series/taimichi/007992/
資料3の著者が編集長を務めている、文房具に関するウェブマガジンの記事である。明治から戦時中にかけての学習ノートの歴史について、写真入りで詳しく紹介している。

資料5
情報1・2と同じ著者による資料である。学習ノートの歴史について、「第3章 紙もの」(p.91-112)内の「ノート・学習帳」(p.92-95)や「対談02 学習帳の歴史」(藤田繁雄・たいみち)(p.108-111)で、カラー写真付きでまとめられている。

資料6
「懐かし文房具」を写真で紹介した資料である。「ノート」(p.68-75)の項に「ジャポニカ学習帳[ショウワノート]昭和45(1970)年」「キョクトウ学習帳[キョクトウ・アソシエイツ]昭和23(1948)年」等、昭和の頃の学習ノート6種について、カラー写真で掲載されている。

資料7
児童向け資料である。「みんながノートを持ち始めたのはいつ?」(p.34-37)に、明治から昭和期のノート工場や小学生用ノートの写真等が載っている。

特定の年度や製品について知るには以下の資料8・9がある。

資料8
文房具等に関する年鑑である。都立中央図書館では1982年版から所蔵している。「各論」のなかに「ノート/学習帳」の項目があり(2022年版はp.58)、当該年の2年度前のデータやトレンド等が掲載されている。2022年版では、GIGAスクール構想を念頭に軽量化を図った製品や、コロナ禍のもと開発された抗菌加工製品等が紹介されている。

資料9
「特集 解明!「ロングセラー」はこう創る2 この商品が長く愛される理由 事例2 先駆的な差別化でトップを堅持する「ジャポニカ学習帳」(ショウワノート(株))」(二宮護)(p.33-35)で、ショウワノートの吉田敏社長(2003年当時)のインタビューも交え、製品開発の歴史が振り返られている。

また、都立図書館「専門図書館ガイド」( https://senmonlib.metro.tokyo.lg.jp )より、関連機関を紹介する。

情報3
「日本文具資料館」
文房具に関する資料館で、関連資料を閲覧できる。
所在地 東京都台東区柳橋1-1-15
電話 03-3861-4905
開館日時 月-金 13:00-16:00
休館日 土・日・祝・年末年始(12月28日-1月5日)
入館料 無料
ホームページ  http://www.nihon-bungu-shiryoukan.com/01.html


(2)なぜ大きめのマスのノートが低年齢の子どもに適するのか
上記資料のほか、都立図書館蔵書検索や末尾に記載のデータベース、インターネットを<子ども><児童><学習帳><学習ノート><罫線><升目><マス目>や、資料10から見出された<書字><教授法>等のキーワードで検索し、ヒットした資料や情報を調査した。

資料10
「第II部 第9章 ノート指導におけるコーチング・スキル」(p.425-443)で、学習ノートの意義・機能・指導方法等が述べられている。特に「3 発達段階と学習ノート 1)低学年の学習ノート」(p.429-432)では、小学校低学年について、マスの中での点画の配置や字形に注意させる必要があること、また「(前略)始筆、終筆などに注意させるには、ある程度のマス目の大きさが要求される。」(p.430)との言及がある。

なお、書字能力の発達については以下の資料11に記述がある。

資料11
「第1章 序論 2 書字の発達に関する先行研究」(p.14-27)の中で、日本における調査ではないものの、アメリカにおける調査の結果、学年が上がり運動能力が向上するに従って文字が小さくなるとの記述がある(p.17)。

また、大きいマスであるという要件はないが、マス自体の幼児に対する効用については、以下の情報4に記述がある。

情報4
雑誌『日本教科教育学会誌』20巻4号 日本教科教育学会 1998.3(都立図書館未所蔵)
p.17-26「罫線・升目と幼児文字の書字パターン」(高橋敏之)
J-STAGE: https://doi.org/10.18993/jcrdajp.20.4_17
筆者自身が長男を観察した結果をもとに、罫線入りの用紙が幼児の書字欲求を促進しうることを指摘している。

一方で、発達段階の一時期においてはマス等の効用が限定的であると述べる資料もある。

資料12
古い資料だが、「II 国語科における学習帳の生かし方 一 低学年の学習帳の生かし方」(小西良郷)(p.28-39)で、小学校一年の初期については、腕を思い切り動かすことが重要である等の理由から、無罫線のノートの使用を推奨している。

調査に使用したデータベース
「ジャパンナレッジ Lib」(ネットアドバンス)
「CiNii Research」(国立情報学研究所) https://ci.nii.ac.jp
「J-STAGE」(国立研究開発法人科学技術振興機構) https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja

以上のデータベース及びインターネット情報の最終アクセス日は、すべて2022年7月6日である。
参考文献のうち、資料1、3~6、8、10、11は都立中央図書館所蔵資料、資料2、7、9、12は都立多摩図書館所蔵資料である。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
その他の雑工業  (589 9版)
教育課程.学習指導.教科別教育  (375 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】世界大百科事典 22 ヌ-ハホ / 改訂新版 / 平凡社 / 2007.9 <DR/031.0/5020/22>
【資料2】ノートや鉛筆が学校を変えた(学校の文化史) / 佐藤 秀夫/著 / 平凡社 / 1988.8 <3721/3010/88>
【資料3】文房具語辞典 文房具にまつわる言葉をイラストと豆知識でカリカリと読み解く / 高畑 正幸/著 / 誠文堂新光社 / 2020.1 <589.7/5263/2020>
【資料4】文房具の歴史 文具発展概史 / 野沢 松男/著 / 文研社 / 1994.6 <589.7/5132/1994>
【資料5】古き良きアンティーク文房具の世界 明治・大正・昭和の文具デザインとその魅力 / たいみち/著 / 誠文堂新光社 / 2016.5 <589.7/5209/2016>
【資料6】日本懐かし文房具大全(タツミムック) / きだて たく/ 著 / 辰巳出版 / 2016.7 <589.7/5215/2016>
【資料7】ビジュアル版学校の歴史 2 文房具・持ち物編 / 岩本 努[ほか]共著 / 汐文社 / 2012.10 <376/5120/2>
【資料8】文具・紙製品・事務機年鑑 2022 / オフマガNEXT / 2022.3 <R/589.7/17/2022>
【資料9】雑誌:商工ジャーナル 29巻5号通巻338号 (2003年5月) / 商工中金経済研究所
【資料10】学習コーチング学序説 教育方法とコーチング・モデルの統合 / 山谷 敬三郎/著 / 風間書房 / 2012.12 <375.1/5489/2012>
【資料11】子どもの書字と発達 検査と支援のための基礎分析 / 河野 俊寛/著 / 福村出版 / 2008.7 <378.0/5473/2008>
【資料12】授業の技術 3 学習帳の生かし方 / 東井 義雄/[ほか]著 / 明治図書出版 / 1961.9 <3751/T681/G2>
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000320021解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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