レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/7/1
- 登録日時
- 2022/07/02 10:04
- 更新日時
- 2022/08/11 09:58
- 管理番号
- 202207-1
- 質問
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「往来物」とは何か。
- 回答
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辞典などから「鎌倉・室町時代から明治・大正期に至るまで、初等教育、特に手習所用に編集された教科書の総称(後略)」であることがわかる。
【資料2】【資料3】には「往来物」の写真が掲載されている。
- 回答プロセス
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1 広辞苑にあたる
p.371「往来物 鎌倉・室町時代から明治・大正期に至るまで、初等教育、特に手習所用に編集された教科書の総称(後略)」とあり。
2 国史大辞典にあたる
p.489「(前略)往来とはそれらがもと往返一対の消息文を集めた消息文例集の形体を有していたことから名づけられた名称であるが、鎌倉時代中期以降には往々書簡に常用される単語・単文の類を集めたものをも往来と称するようになり、往来の語はそのままで初頭の教科書(読本であるとともに習字手本)を意味するようになった(後略)」とあり。
p.490「(前略)初等教育を所管分を通して行う伝統は一貫して、明治に西洋風の学校教育が行われるようになるまで存続したので、これら数多い往来物は、旧時代における日本の教育の、目的・内容・方法などを端的に示すものとして、教育史上もっとも重要な資料とされている。」とあり。
p.489からp.490にかけて「明衝往来」「庭訓往来」「商売往来」などの写真9枚あり。
3 百科事典にあたる
『日本大百科全書』25 索引p.125から3巻と6巻を見る。
【資料3】p.847「平安後期から明治初期にかけて用いられた初等教科書の総称。単に「往来」とも言う(後略)」とあり。カラー写真4枚あり。
【資料4】p.816教科書の項に「(前略)往来物とは、もともと書簡文の模範を示したものであるが、その後社会の変化とともに内容も変わり、教訓的なもの、産業的なもの、地域的なものに分かれ、とくに寺子屋を中心に用いられた(後略)」とあり。
他に確認した資料
『世界大百科事典』4 (平凡社 1988)
『万有百科大事典』5 日本歴史(小学館 1978)
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 10版)
- 日本史 (210 10版)
- 参考資料
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- 【資料1】『広辞苑』(新村出編 岩波書店 2018)
- 【資料2】『国史大辞典』2(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1980)
- 【資料3】『日本大百科全書』3(小学館 1994)
- 【資料4】『日本大百科全書』6(小学館 1994)
- キーワード
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- 往来物
- 教科書
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000317922