レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年06月10日
- 登録日時
- 2022/06/11 11:28
- 更新日時
- 2022/07/07 09:50
- 管理番号
- 郷土34
- 質問
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未解決
綾川町羽床にある堤山(つつまやま)の名前の由来とは何か。
- 回答
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堤山は香川県の綾川町と丸亀市綾歌町栗熊東の境界に位置する山である。
以下の所蔵資料に記載あり。
『里山に遊ぶ さぬきの里山88話』 里山悠遊クラブ・自然探訪の会/編 里山悠遊クラブ・自然探訪の会 2003.11 (2011.4.15~2003.3.30の四国新聞に連載したシリーズをまとめ加筆・修正してまとめたもの)
P.62 堤山の項に「堤山の名前の由来は実はよくわかっていない」としながらも、「山から北の対岸を結ぶように盛り土の長い堤が残っていることから、地質学者は綾川の氾濫を防ぐ遊水池の名残りではないかとみている。また、綾川はこの山の麓を通り、大束川に流れ込んでいたとの説もあり、流れを変える堤だったともいわれている。どうやら、堤の近くの山だから、堤山と呼ばれるようになったらしい。」としている。
以下の所蔵資料に堤山についての記載はあるが、山名の由来などの伝承は書かれていない。
『綾南町誌』 綾南町誌編纂委員会 編 綾南町 1998.3
P.51,52 堤山の植生のみの記載。
『角川日本地名大辞典 37香川県』 「角川地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1985.10
P.535 堤山の記載
P.649~651 羽床地域の記載の中に羽床下の「堤池」の名が見られる。また『讃岐国名勝図絵』に産物として「堤山の馬脳石」の記載がある、としている。
『日本歴史地名大系38巻 香川の地名』 平凡社地方資料センター/編 平凡社 1989.2
P.233,234 綾南町の記載あり。羽床には綾川の屈曲点があり北側は度々氾濫を繰り返し、治水のために屈曲点と大束川の結節点に池が築かれたと考えられ、綾歌町には「渡池」の地名と「池尻堤」と称する溜池堤防の遺構が残り、羽床下には「返り堤」の地名と遺構が現存するとある。また羽床下村の特産物として『讃岐国名勝図絵』に「堤山の瑪瑙石」があげられているとの記載がある。
P.244 栗熊東村の項にも、堤山と堤防遺構の記述あり。
『讃岐ジオサイト探訪』 長谷川修一・鶴田聖子/著 香川大学生涯学習教育研究センター 2013.3
P.93 堤山周辺のジオサイトについて記載あり。渡池の堤防跡や池尻の堤防跡についても記述されている。
『香川県大百科事典』 四国新聞社出版委員会/編 四国新聞社 1984.4
P.660 堤山の項に由来は書かれていないが「堤集落」や「返堤(かえりつま)」(集落にある旧堤防のこと)などの地名の記載が見られる。
『新香川風土記』 新香川風土記刊行会/編 創土社 1982.9 P.205
『香川県風土記』 坂口良昭・木原薄幸・市原輝士/監修 旺文社 1989.11 P.204,241,298,302
『羽床村誌』 秦一郎/編 羽床青年会 1919.12
P.77,78 地誌の項に羽床の各地域の記述があり「堤間の里」の記載に堤山、小堤山、堤池についても書かれてている。
『綾南町羽床村・瀧宮村史』 秦一郎/編 1983.4 羽床村誌と瀧宮村史をまとめて綴じたもの。
P.84 羽床村の部に堤山、堤池についての記載あり。
堤山についての記載のなかった資料
『香川の地理』 香川大学教育学部地理学研究室/編 上田書店 1972.8
『香川県の山』 高松勤労者山の会/編 山と渓谷社 2017.6
『口訳全讃史』 中山城山/原著 桑田明/訳 1991.2
『香川県総合郷土研究』 香川県師範学校・香川県女子師範学校/編著 名著出版 1978.9
『古今讃岐名勝図絵』 梶原藍水/編 歴史図書社 1976.11
- 回答プロセス
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館内所蔵資料を探した。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
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- 堤山
- 讃岐七富士
- 羽床富士
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000317188