レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 国立保健医療科学院 図書館サービス室 (4110018) | 管理番号 (Control number) | 科学院22060201 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
事例作成日 (Creation date) | 登録日時 (Registration date) | 2022年06月02日 09時09分 | 更新日時 (Last update) | 2022年06月09日 09時53分 | ||||||||
質問 (Question) | 明治初期の横浜村のコレラ発生状況について英文報告を書いた、A.J.C.Geertsの略歴等がわかる資料はありますか? (科学院20091104の関連レファレンス) | |||||||||||
回答 (Answer) | 本名は、Anton Johannes Cornelis Geerts (アントン・ヨハネス・コルネリス・ゲールツ) オランダ語読みでは、Geertsはヘールツ。 明治初期の薬剤官。オランダ出身。 1869年(明治2年)日本政府に招かれて来日。 長崎医学校(校長は長与専斎)で理化学等の教師となる。 粗悪な薬品排除のために検査機関が必要と当局に進言。 司薬場設置の際には、京都と横浜で主任を務める。 日本薬局方の草案(蘭語)を作成。(国立衛生試験所所蔵) 1877年(明治10年)から1879年(明治12年)にかけてコレラが日本で大流行した際、防疫に従事。 「コレラ予防規則」「検疫停船規則」の制定に貢献。 鉱泉分析も手がける。「Transactions of the Asiatic Society of Japan」の発行者である日本アジア協会の会員。 理化学類の著書があり、また協会誌等への発表も行い、質問の元となった英文報告もそのひとつだったと思われる。 1883年(明治16年)腸チフスで死去、横浜外国人墓地に埋葬。 1891年(明治24年)に顕彰碑が谷中天王寺に建立される。撰文は長与専斎。 のちに関係が深い国立衛生試験所敷地内に移設される。 川崎への移転時にも移設され、現国立医薬品食品衛生研究所の正面門右にある。 https://www.nihs.go.jp/nihs/leaflet/nihs_folleto_esp_web.pdf (アクセス日:2022/6/2) 『国立衛生試験所百年史』の口絵ページに、ゲールツの肖像や顕彰碑の表裏が再録されている。 参考図書 1.ユネスコ東アジア文化研究センター編「資料御雇外国人」小学館 1975/5 p272 2.古賀十二郎著「西洋医術伝来史」日新書院, 昭和17 p349-352 p341の前に肖像写真 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1070566 古賀十二郎著「西洋醫術傳來史」形成社 1972/8 p349-352 肖像は口絵ページ 3.宮原誠著「衛生試験所小史 : 司薬場から国立衛生試験所まで」宮原誠 2016/6 4.「国立衛生試験所百年史」国立衛生試験所 1975 http://www.nihs.go.jp/library/enkakushi/100nenshi.pdf (アクセス日:2022/6/2) https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12251586/www.nihs.go.jp/library/enkakushi/100nenshi.pdf (アクセス日:2022/6/2) 5.「On sanitary reform in Japan」1880 https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.32044080797061&view=1up&seq=18&skin=2021 (アクセス日:2022/6/2) | |||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 参考図書1により、オランダ国籍であり横浜司薬場関係者であることがわかる。 NDLオンラインで、姓から検索し、参考図書2に項目があることがわかる。 当館は、横浜司薬場の後継機関である衛生試験所の関連資料(参考図書3と4)を所蔵しているので内容を確認した。 「国立衛生試験所百年史」は、ネットで全文公開されてもいる。 また、参考図書2のp352に、発表した研究についての情報がある。 そのうちの「On sanitary reform」(1880)と紹介されている文献については、HathiTrust Digital Libraryで、「On sanitary reform in Japan」(1880))として全文公開されているものが、“reprinted from the Japan Weekly Mail”とあるので同内容の転載ではないかと思われる。 | |||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | ||||||||||||
NDC | ||||||||||||
参考資料 (Reference materials) | ||||||||||||
キーワード (Keywords) |
| |||||||||||
照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||||||||
備考 (Notes) | 以下の書籍を埼玉県立図書館から取り寄せて確認したところ、業績一覧表が、p474-476にあり、問いあわせの元となった英文報告についても記述されていた。 庄司三男訳『ヘールツ 日本年報』(新異国叢書, 第2輯 ; 5)雄松堂出版, 1983.9 | |||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 事実調査 書誌的事項調査 所蔵調査 | 内容種別 (Type of subject) | 人物 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | |||||||
登録番号 (Registration number) | 1000316904 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |