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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
県立長野図書館 (2110021)管理番号
(Control number)
県立長野-21-247
事例作成日
(Creation date)
2022年4月1日登録日時
(Registration date)
2022年03月22日 16時05分更新日時
(Last update)
2022年06月26日 21時51分
質問
(Question)
日本で一番最初に作られた曲がった橋は鳥居新橋(長野県上水内郡飯綱町)[地理院地図 最終確認日:2022年6月16日]らしい。この典拠を知りたい。
回答
(Answer)
鳥居新橋が「日本で初めて」の曲線橋である旨の記述がある資料は1. のとおり。
ただし、鳥居新橋が完成した昭和35年以前に完成した曲線橋が確認できたため併せて紹介した。

1. 鳥居新橋にかかわる資料
『長野国道二十年史』長野国道二十年史編集委員会編 建設省関東地方建設局長野国道工事事務所 1979【N514/15】
 「歴代事務所長の寄稿文」の千葉直之「思い出多かったあの頃」p.3-4のp.4に「牟礼村の役場傍に架設されているカーブ橋」について、「あの当時としては桁本体がカーブしているのは日本で初めてだと思います」と記述あり。

 また、第3編事業 第6節長野バイパス (p.82-89)の部分に鳥居新橋に関わる記述が確認できる。
 鳥居新橋のみの工事期間は明記されていないが、鳥居新橋を含む第4工区の工事期間はp.86に「昭和33年8月~昭和40年12月」とある。
 なお、橋に関するデータとして、「11.橋梁」の表に下記のとおり記述あり。
   橋名 鳥居新橋
   架設場所 上水内郡牟礼村牟礼
   橋長 32.4(m)
   上部型式 箱型曲線桁
   径間割 1
   下部型式 杭基礎重力式橋台

・『関東地方建設局三十年史』建設省関東地方建設局編集 関東建設弘済会 1979【510/45】
p.1185 工事編 長野国道工事事務所 の記述の中の「長野バイパス」p.1181-1185の中の「表―30 橋梁」の中に下記のとおり記述あり。
   橋梁名:鳥居新橋
   (中略)
   上部型式:箱型曲線桁
   下部型式:杭基礎重力式橋台
 また、鳥居新橋の完成年に関する記述は確認できなかった。

・飯綱町「橋梁長寿命化修繕計画」(PDF)[最終確認日/2022/6/16]
 p.5(7コマ目)の「表3-2 対象橋梁一覧表」から、鳥居新橋の架設は1960年[S.35]と確認できる。


2. 日本で一番最初に施工された「曲がった橋」に関わる記述を確認できた資料は下記のとおり。

『日本の橋 多彩な鋼橋の百余年史』日本橋梁建設協会編 朝倉書店 1994【515/27A】
 巻末の年表(p.206-217)において、次の記述が確認できた。
 p.209 「万世橋架道橋(鉄道橋)」
   完成年度:昭和3年
   橋名:万世橋架道橋(鉄道橋)
   所在地:東京
   形式:板桁
     (中略)
   特記事項:曲線橋の草分け

 p.212
   完成年度:昭和31年
   橋名:白糸橋
   所在地:神奈川
   形式:箱桁
     (中略)
   特記事項:道路橋初の曲線桁

 また、万世橋はp.97、白糸橋はp.116に写真の掲載あり。
 白糸橋の写真のキャプションには「道路橋としてわが国最初の曲線橋である」と記述がある。


2. その他日本で初めての曲線橋に関する資料について
(1)万世橋について
・『日本の橋 多彩な鋼橋の百余年史』日本橋梁建設協会編 朝倉書店 1994【515/27A】
 p.209 「年表」(p.206-217)の中の記述は下記のとおり。
「万世橋架道橋(鉄道橋)」
   完成年度:昭和3年
   橋名:万世橋架道橋(鉄道橋)
   所在地:東京
   形式:板桁
     (中略)
   特記事項:曲線橋の草分け
p.96に「曲線桁」の項目があり、「曲線中路板桁で、(中略)主桁そのものを線路に沿わせてわん曲させたもので、多角形として制作されたが、頂点の折れはまったく目立たない。今日の曲線橋の草分けともいえよう」とあり。
p.97にカラー写真が掲載されている。

(2)白糸橋について
・『日本の橋 多彩な鋼橋の百余年史』(前掲)
 「年表」(p.206-217)の中p.212に下記のとおり記載あり。
     完成年度:昭和31年
     橋名:白糸橋
     所在地:神奈川
     形式:箱桁
      (中略)
     特記事項:道路橋初の曲線桁
p.116にモノクロ写真の掲載あり。そのキャプションとして「道路橋としてわが国最初の曲線橋である」とある。

・『日本の橋 鉄の橋百年のあゆみ』日本橋梁建設協会編 朝倉書店 1984【515.45/ニホ】
 前掲資料の改定前資料。巻末の年表(p.190-198)の中の記述で上記増訂版と異なる部分があるため紹介した。
p.195
     完成年:昭和30年
     橋名:白糸橋
     所在地:神奈川
     形式:板桁
      (中略)
     特記事項:わが国の曲線桁の草わけ

(3)桧沢橋
・『関東地方建設局三十年史』(前掲)

p.375に「わが国で最初に架設された曲線橋、斜橋は昭和31年で、関東地方建設局管内においては、三国国道工事事務所によって昭和32年に架設された、桧沢橋(橋長51m、R=50m)、三丁橋(橋長37.14m、斜角80°)があり」と記述あり。

   工事編 高崎工事事務所 の記述のなかの「三国国道」(p.1283-1286の)中の「表―31 橋梁一覧表」(p.1284)の中に下記のとおり記述あり。
   橋梁名:檜沢橋
   (中略)
   型式 主経間:曲プレートガーター
   下部構造:重力式橋台、橋脚
   摘要:曲線桁
回答プロセス
(Answering process)
<鳥居新橋について資料を探す>
1. 所在自治体の町村史誌を参照する
 現在の飯綱町になる以前の自治体の村史『牟礼村誌 下 近代 現代』を参照するも、目次及び交通に関する部分で、鳥居新橋とその旧橋に関わる記述は確認できず。
 
2. 橋梁工学を表す長野県郷土資料分類 N515 の書架を参照し、具体的な橋が紹介されている資料を確認していく。
 いずれも鳥居新橋に関わる記述は確認できず。

3. 鳥居新橋が横断する鳥居川が千曲川水系であることから長野県にかかわる河川工学に当たる長野県郷土資料分類N517の書架で千曲川に関わる郷土資料を探す
 鳥居川に関わる記述はわずかに確認できたのみで、鳥居新橋に関わる記述は確認できず。

4. 関連する新聞記事を探す
 長野県の地域紙『信濃毎日新聞』の記事を検索できる「信濃毎日新聞データベース」の「記事検索」、「明治・大正・昭和の検索」で「鳥居新橋」、「鳥居橋」、「飯綱 橋」、「牟礼 橋」と検索したが、ともに該当の記事は確認できなかった。

5. 古い地図で橋の存在を確認する
 利用者の事前調査資料から、鳥居新橋の完成はおおよそ昭和35(1960)年ということがわかっているため、それ以前の上水内郡牟礼村(現、飯綱町)の地図を探す。
 当館所蔵の地形図を確認したところ、昭和8年の地形図があり、役場を表す地図記号の近くに橋を表す地図記号の記載があるが、曲線ではなかった。

6. 道路の管理者に問い合わせる
 「鳥居新橋 飯綱町」でWeb検索をしたところ、飯綱町「橋梁長寿命化修繕計画」が見つかり、現在は町道として管理されていることがわかったため、飯綱町役場 建設水道課に連絡をしたところ、元は国道として整備されたため、関連資料は保管していないとの回答があった。

7. 県内の国道に関わる資料を参照する
 長野県内の国道に関しては「関東地方建設局」の関連資料の中に記述が確認できたため、関連資料を参照した。


<曲線橋について>
1. 当館所蔵図書を探す
橋梁工学を表す分類515の書架を見て、具体的な橋が紹介されている資料を確認していく。

2. 論文を探す
CiNii Research」、「Google scalar」で「曲線橋」、「橋梁 歴史」などのキーワードで検索した[いずれも最終確認日/2022/6/16]。

中村 作太郎「橋梁の歴史的変遷とその発達動向について(3) : 東洋における古代,中世,現代の橋梁」1977年『名室蘭工業大学研究報告. 理工編』9巻2号 p.433-463
 p.454に「1956年(昭和31年)に架設された支間25m,曲率半径30mの曲線プレートガーダーの白系橋(神奈川県)※,支間43 m,斜角190の斜橋である大町橋(大阪)を始めとする曲線橋」とあり。
 ※「白糸橋」の誤植か

<その他調査資料>
 下記資料を確認したが、鳥居新橋に関わる記述は確認できなかった。
『牟礼村誌 下 近代 現代』牟礼村誌・学校誌編纂委員会編集 牟礼村 1997【N212/324/2】
 p.159-160「長野バイパス新設」に長野バイパスに関わる記述があるが、直接鳥居新橋について言及している箇所は確認できなかった。
『信濃の橋百選』信濃の橋刊行会著 信濃毎日新聞社 2011【N515/16】
『信濃路・橋の秘めごと』青木潤著 アース工房 1999【N515/9】
『信州の橋』長野県土木部道路建設課編 長野県土木部道路建設課 1996【N515/7】
『鉄(かね)の橋百選』成瀬輝男編 東京堂出版 1994【515.45/ナテ】
『日本の橋 鉄・鋼の橋のあゆみ』日本橋梁建設協会編 朝倉書店 2004【515.45/ニホ】
『日本の百名橋』松村博著 鹿島出版会 1998【515.02/マヒ】
『日本の木の橋・石の橋』村瀬佐太美著 山海堂 1999【515.02/ムサ】
『橋の文化誌』三浦基弘著 雄山閣出版 1998【515.02/ミモ】
『長野国道誌』建設省関東地方建設局長野工事事務所編・刊 1978【N685/3】

 下記資料を確認したが、日本で初めて建設された曲がった橋に関する記述は確認できなかった。
『橋梁技術の変遷』多田宏行編著 鹿島出版会 2000【515/タヒ】
田中 徹也, 三津山 恭弘「PC曲線橋の押出し施工例」1981『コンクリート工学』19巻6号 p.12-18[最終確認日/2022/6/16]
菅原信二 真山悟「高低差170mを二重ループで克服 --国道314号・坂根道路--」1991『コンクリート工学』29巻 6号 p.22-34
事前調査事項
(Preliminary research)
昭和35年4月20日発行 公民館報「むれ」第25号p.3 に写真と共に「日本ではじめてといわれる曲がった橋がかけおわりました」とある。
NDC
橋梁工学  (515)
参考資料
(Reference materials)
長野国道二十年史編集委員会/編. 長野国道二十年史. 建設省関東地方建設局長野国道工事事務所, 1979-00.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I058962343-00
建設省関東地方建設局 編 , 関東地方建設局. 関東地方建設局三十年史. 関東建設弘済会, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001420504-00
日本橋梁建設協会 編 , 日本橋梁建設協会. 日本の橋 : 多彩な鋼橋の百余年史 増訂版. 朝倉書店, 1994.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002333348-00
キーワード
(Keywords)
曲線橋
日本一
長野県--飯縄町
長野バイパス
照会先
(Institution or person inquired for advice)
長野県上水内郡飯綱町役場
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000313924解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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