下伊那郡阿智村清内路に画家・原蓬山（ほうざん）の記念碑があるという。どこにあるのか。

『清内路村誌 上巻』 清内路村誌編纂委員会編 清内路村誌刊行会 1982 【N243/117/1】p.476-478（250-251コマ: デジタル化資料送信サービス参加館内で公開）【最終確認2022.1.20】「付 幕末人物伝」に「原蓬山」の略歴、事蹟が掲載されており、
　　　　明治三十九年五月、原善兵衛等が主唱して記念碑をアラヤ地籍に建立し、その功績を讃えた。碑文
　　　は次のとおりである。
　　　　　　原蓬山字竹山白雪閑人ト号シ、通称ヲ清五郎ト云フ。文政六年三月二十二日信濃国伊那郡ニ生
　　　　　ル。性文墨ヲ好ミ、同郡島田村松山松渓ニ就キ書ヲ学ビ、安政三年三月上京シテ谷口靄山ノ門ニ
　　　　　入リ、画ヲ修業ス。後貫名海屋ニ就キ書法ヲ研究シ、同五年皈省シテ近郷ヲ遊歴中病ニ罹リ、惜
　　　　　哉明治十一年十五日、享年五十六歳ニシテ歿ス。
　　　　　　因ニ記ス。此山間僻地ニシテ斯ル知名ノ文人ヲ出スハ異数ノコトナリトシ、友人原善兵衛氏主
　　　　　唱トナリ、其芳名ヲ千載ニ伝ヘントシ文ヲ選シテ建碑ノ拳ヲナセリ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　明治三十九年五月
　　　　　　　　　高倉大学嗣講　　　高松陸舟　　題字
　　　　　　　　　　　　　　　　　　熊谷龍水　　謹書
とあった。
　なお、この文章の出典として『信濃人物誌』 村沢武夫著 信濃人物誌刊行会事務所 1962【N280/63】p.347-349の「原蓬山(1823-1878)」（224-225コマ: デジタル化資料送信サービス参加館内で公開）【最終確認2022.1.20】がある。この文章中にも、
　　　　なお郷里清内路字アララギ地籍には、明治三十九年五月、飯田伝馬町善勝寺の高僧であった、友人
　　　高松陸舟の撰文になる、高さ五尺、巾二尺大の石碑が建てられた。
とある。ここでは、アララギ地籍と記されているが、実際には清内路の「アラヤ」地籍。
　阿智村清内路振興室へ確認したところ、国道256号線沿い孫六橋近くのアラヤ第二村営住宅への取り付き道路沿いにあるとのこと。Google mapでこの緯度経度35.508482, 137.676879で検索するとおおよその地点がわかるかと思い、参考にするよう伝えた。【最終確認2022.1.20】

1　原蓬山が旧・清内路村（現在は下伊那郡阿智村清内路）の出身、もしくは村に対しての功績があった人物の可能性があるため、『清内路村誌』を調べる。上巻に掲載があった。記念碑の存在についても触れられているが、実際の場所を特定できる地図はなかった。

2　『清内路村誌』が出典としている『信濃人物誌』を確認する。

3　『長野県市町村地図』【291.52/ナガ】『ゼンリン住宅地図長野県下伊那郡阿智村』 ゼンリン編 ゼンリン 2010 【N243/179/'10】で、アラヤを探す。地図記号の石碑がある場所を見ていく。石碑名は書かれていないが、孫六橋近くに石碑記号を見つける。

4　阿智村清内路振興室へ照会する。3で見つけた地図記号のある場所とは違う場所にあるとのこと。

5　google マップで場所を確認する。ストリートビューでは、石碑らしきものは確認できないが、現地近くの商店へ照会したとことろ、清内路振興室で指示された場所にあるとのこと。