レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年07月03日
- 登録日時
- 2021/12/27 00:30
- 更新日時
- 2022/12/05 00:30
- 管理番号
- 3A21007371
- 質問
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解決
「天下の貨、七分は浪華にあり、浪華の貨、七分は舟中にあり」とよく聞きますが、この言葉の主は誰ですか。また、いつ頃でしょうか。
- 回答
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江戸時代後期の儒者・広瀬旭荘(ひろせきょくそう)の『九桂草堂随筆(きゅうけいそうどうずいひつ)』に「人云、天下ノ貨、七分ハ浪華ニアリ。浪華ノ貨、七分ハ舟中ニアリト。」と掲載されています。ただし、誰の言葉かなどの言及はありませんでした。
広瀬旭荘著『九桂草堂随筆』の文章は、以下の資料に掲載されています。
(1) 『日本随筆大成 続2』(森 銑三/編 吉川弘文館 1979.8)
p.127-327 広瀬旭荘著『九桂草堂随筆』の「巻之六」p.227に、「天下ノ貨、七分ハ浪華ニアリ。浪華ノ貨、七分ハ舟中ニアリト。」と掲載されています。ただし、初めに誰が言い出したのかなどは言及されていません。
p.3-7「解題」によると、『九桂草堂随筆』は「安政二年の夏から秋に及ぶ百日餘、(中略)毎夜口授して筆録せしめ、更に同三、四年の間に十数則を増補して成ったもの」とあります。
(2) 国立国会図書館デジタルコレクション『日本儒林叢書. 第2冊』 (関儀一郎 編 東洋図書刊行会 昭和3) (インターネット公開)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1913027/340 (2022.9.27確認)
廣瀨旭荘著『九桂草堂隨筆』(コマ番号275-407)巻之六のp.128(コマ番号340)に掲載されています。
- 回答プロセス
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1.商用データベース「JapanKnowledge」にて、“天下の貨七分は浪華にあり”で全文検索。『日本歴史地名大系 28-[1] 大阪府の地名1』(平凡社 1986.2)の「【総論】大阪府」の項がヒットする。「九桂草堂随筆」が出典とあり。
2.当館所蔵検索をフリーワード“九桂草堂随筆”で検索。資料(1)が見つかる。 電子資料『[常山楼筆余 湯浅常山著. 寝ざめの友 近藤万丈著. 九桂草堂随筆 広瀬旭荘著(続日本随筆大成 2)』(湯浅常山 吉川弘文館 2009)<当館書誌:0412872100>もヒット。
3.「Googleブックス」にて、キーワード“天下の貨七分は浪華にあり 九桂草堂随筆”で検索。ヒットした『西南地域史研究 第4輯』(西南地域史研究会/編集 文献出版 1980.9)のp.21に『九桂草堂随筆』巻之六が出典とあり。資料(1)の巻之六の記述を確認。
4.「国立国会図書館デジタルコレクション」をキーワード“九桂草堂随筆”で検索。資料(2)が見つかる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 評論.エッセイ.随筆 (914 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0080056739> 日本随筆大成 続2 森 銑三/編 吉川弘文館 1979.8 9784642086134 資料(1)
- 国立国会図書館デジタルコレクション『日本儒林叢書. 第2冊』 関儀一郎 編 東洋図書刊行会 昭和3 (インターネット公開) https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1913027 (2022.9.27確認) 資料(2)
- キーワード
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- 天下の貨七分は浪華にあり
- 天下ノ貨七分ハ浪華ニアリ
- 広瀬旭荘
- 九桂草堂随筆
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000309649