レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2021/09/10 00:30
- 更新日時
- 2021/09/10 00:30
- 管理番号
- 埼高図-2021-004
- 質問
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解決
春日局(かすがのつぼね)と美人局(つつもたせ)に使われている「局」の違いが知りたい。
- 回答
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日本と中国、どちらの古典が出典かで異なる。
どちらも本来の「局」の意味には当てはまらないと考えられる。
「つぼね」は日本の古典にのみ見られる意味。高貴な女官やその部屋を示す。
「つつもたせ」は読みはもともと日本の博打で使われていた「筒持たせ(サイコロ博打で使う筒に細工をすること)」といわれているが、中国古典にある男女が共謀し他の男から金銭を巻き上げる犯罪「美人局」と通じるところがある(偽物をつかませてインチキをする=相手を欺く)ため、当て字で「美人局」を「つつもたせ」と読むようになった。
- 回答プロセス
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① 漢和辞典で「局」の意味を調べる。
「つぼね」は国語に特有の言葉という記述を確認。
② 古語辞典で「局」の意味を調べる。高貴な女官の個室、また個室をもつ女官の敬称という記述を確認。
「つつもたせ」に関する記述はなし。
③ 語源大辞典で「つぼね」を調べる。宮中の部屋としての記述あり。
④ 語源大事典で「つつもたせ」を調べる。男女が共謀してほかの男から金銭をゆすることの意味と、博徒の用語「筒持たせ」がもととの記述あり。本来の意味は「偽ものをつかませてインチキをすること」。美人局の字は中国の古典「武林旧事」から。
⑤ 大辞林で「美人局」を確認。④とほぼ同じ記述を確認。
⑥ 広辞苑で「美人局」を調べる。④とほぼ同じ記述を確認。
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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・『語源大事典』(堀井令以知編 東京堂出版 1988)
・『新選漢和辞典 第7版』(小林信明編 小学館 2006)
・『古語辞典 第9版』(松村明他編 旺文社 2001)
・『大辞林 第四版』(松村明編 三省堂 2019)
・『広辞苑 第七版』(岩波書店 2018)
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・『語源大事典』(堀井令以知編 東京堂出版 1988)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 教職員
- 登録番号
- 1000304490