レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年06月29日
- 登録日時
- 2021/07/09 17:14
- 更新日時
- 2021/07/23 16:32
- 管理番号
- 島根郷2021-016
- 質問
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解決
戦前の小学校の教科書に「三日月の影」(山中鹿介の話)が採用された理由を知りたい。
- 回答
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当館所蔵資料と国立国会図書館デジタルコレクションにより、回答した。
資料1:「三日月の影」の著者による講演原稿。p.26-39の「附:読本教材となった経緯」では、著者の井上赳(いのうえたけし)が、教材用に鹿介の事績を書くにあたっての動機や熱意が語られている。井上赳は、当時文部省図書監修官で、小学国語読本に山中幸盛公の事績を載せることが、長い宿望であったとのこと(p.26)。
資料2:p.72-73によれば、井上赳は、明治22年邇摩郡大国村に生まれ、能義郡広瀬町の井上家の養子となる。
東京帝国大学を卒業後、文部省図書監修官となり、以降尋常小学校から国民学校まで、各時代の小学校国語読本あるいは教科書の編集に携わった。
資料3:国立国会図書館デジタルコレクション。p.8-9では、「三日月の影」が収録されている小学国語読本巻九の特性として、「中世以降の武士生活、武士的精神(軍人精神)の略、史的展開を示す」「武士の平時における生活と、非常時に於ける活動が示されている」ことが挙げられている。このうち、「非常時の相は、特に悲壮な、しかも頗る理想的な武士的精神を具現する「三日月の影」及び「橘中佐」が」選ばれたと述べられている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 教育史.事情 (372 8版)
- 教育政策.教育制度.教育行財政 (373 8版)
- 幼児.初等.中等教育 (376 8版)
- 参考資料
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【資料1】「「三日月の影」教材の精神」井上赳著 島根評論 第14巻. 島根評論社, 1937.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I069452445-00 第7号p.28-39 (当館請求記号 090.5/1/13 ※貸出禁止資料) -
【資料2】山陰中央新報社島根県歴史人物事典刊行委員会 企画・編集 , 山陰中央新報社. 島根県歴史人物事典. 山陰中央新報社, 1997.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002729339-00 , ISBN 4879030627 (当館請求記号 郷貸出281.0/サ97) -
【資料3】岩波講座国語教育 卷9 小學國語讀本綜合研究. 岩波書店, 1937.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001793310-00 (国立国会図書館デジタルコレクション info:ndljp/pid/1143906)
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【資料1】「「三日月の影」教材の精神」井上赳著 島根評論 第14巻. 島根評論社, 1937.
- キーワード
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- 三日月の影
- 山中鹿之助
- 井上赳
- 国語教育
- 教科書
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000301580