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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
凸版印刷株式会社印刷博物館ライブラリー (4310008)管理番号
(Control number)
PML20210319-01
事例作成日
(Creation date)
2021/03/19登録日時
(Registration date)
2021年05月03日 00時30分更新日時
(Last update)
2021年06月15日 17時50分
質問
(Question)
1927年理化学研究所の桜井季雄氏によって開発された「紫紺色陽画感光紙(理研感光紙)」の撮影・現像の使用手順について、知りたい。
回答
(Answer)
■青焼き、青写真の工程について
①感光液塗布 ※すでに塗布させれた既製品を購入する場合もあり
②焼付  日光 or 灯具の種類が複数あり(アーク灯、水銀灯など)
③水洗
④洗浄
⑤調色
⑥乾燥

■陽画感光紙について
 青焼きは原図の描画線部分は感光されず、
 何も書かれていない個所は透過し、感光することで、
 元図(ポジ)がネガとして表出されるものとなります。
 一方、 陽画紙は描画線部分がそのまま、青、紫、黒などに
 着色されるということで、白黒が反転することなく、
 ポジ→ポジを取り出すことができるようです。
 陽画感光紙 は、ジアゾ化合物が塗布されており、
 原稿を重ね感光すると、ジアゾ化合物は分解、もしくは化学変化をおこし、洗浄の工程で落ちます。
 一方、描画線の陰で感光されなかった分のジアゾ化合物が、
 ⑤で現像液につけられた際、発色するというのが
 大まかな仕組みとなっているようです。

■紫紺色陽画感光紙 の工程について
 具体的に今回お調べになっている資料が、
 どのような形の工程を経たのかについては、
 残念ながら、頂いた情報では突き止めることは難しそうです。

 というのも、「陽画感光紙」を使う場合、
 いくつか現像の方法で、紙や現像液に種類があるようです。
 大別すると、大きく3つの方法があるとのこと。

 ①ガス式 ※現像に水を用いないため、紙の伸縮がない
       濃アンモニア水(28%)を少し温めて、臭気を発散
       密封室に10~30分放置。
 ②水洗式 ※理研、丸星など専用の現像液を用いる
       水に現像液を溶かしたのち、1分間つける
       その後、水洗し乾燥
 ③半湿潤式 ※王星ダイアド感光紙を用いるということで、
        今回割愛。
       
 ただ、はっきりと断言はできませんが、
 鈴木陽『工場写真術』(太陽堂書店、昭和16年)p310
 ジアゾタイプ印画紙のアンモニアガス式の欄に
 「理研陽画感光紙 を焼き付けた後は、アムモニア瓦斯でなくとも
  炭酸水溶液でも赤紫に現像される。」
 とあるため、「紫紺色陽画感光紙」がこれにあたるのかもしれません。

 ■焼付工程 
  感光紙同様、焼付器もバリエーションがあるようです。
  日光 or 灯具を使う場合でわかれ、
  灯具もアーク灯など、バリエーションがあるとのこと。

  また、ポジ→ネガへの青写真焼付器も流用
  できるということで、
  ある特定の資料がどのような工程を経たのかは、
  どのような現場で、つくられたいたのかなどの情報から
  たどる必要もあるかと感じました。
回答プロセス
(Answering process)
「青焼」「ジアゾ」などをキーワードにして、検索。下記資料を提供

・鈴木陽『工場寫真術:青寫眞』太陽堂、1941年
・馬渡力『印刷発明物語』日本印刷技術協会、1992年
・吉島重朝『印刷よもやま話:印刷技術の歴史』印刷朝陽会、2008年
・菊池眞一 共編『科学写真便覧 中:新版』丸善、1959年
・リコー社史編集委員会 編『IPSへの道:リコー60年技術史』リコー、1996年
・『印刷雑誌』22巻(6)
・『印刷雑誌』60巻(4)
・『印刷雑誌』60巻(5)
事前調査事項
(Preliminary research)
沖縄県教育委員会では『歴代宝案』という15世紀から19世紀末にかけての琉球王国の外交文書の復元事業を1989年からおこなってきた。
 『歴代宝案』の原本は戦災などによって失われていますが、戦前に研究者や教育機関などにより筆写や青焼写真によって写されたものが残されている。

 令和2年度の調査によって、残された青焼写真資料の一つ「鎌倉芳太郎影印本」に1927年理化学研究所の桜井季雄氏によって開発された「紫紺色陽画感光紙(理研感光紙)」が使用されていたことが分かりった。
「紫紺色陽画感光紙」を開発した現在のリコーさまに、かつての使用手順についての資料などが残されていないかお伺いしましたが、これに関する記録は残されていないとのことで、印刷博物館に伺った。
NDC
電気化学工業  (572)
写真器械.材料  (742)
参考資料
(Reference materials)
鈴木陽著 , 鈴木, 陽. 工場寫真術(青寫眞) 訂正第2版. 太陽堂, 1941.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I008062352-00  (S460-Su96)
馬渡力著 , 馬渡, 力. 印刷発明物語 復刻版. 日本印刷技術協会, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I003744937-00  (S311-M96)
吉島重朝 著 , 吉島, 重朝. 印刷よもやま話 : 印刷技術の歴史. 印刷朝陽会, 2008.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009299469-00 , ISBN 9784900175181 (S310-Y88)
小宮英俊著 , 小宮, 英俊. おもしろい紙のはなし. 日刊工業新聞社, 1990.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I003208481-00 , ISBN 4526028428 (S830-Ko65)
菊池真一 等共編 , 菊池, 真一, 1909-1997. 科学写真便覧 中 新版. 丸善, 1959.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001001062-00  (S460-Ki24-2)
社史編集委員会 編 , リコー. IPSへの道 : リコー60年技術史. リコー, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011245564-00  (B4-15-R36-1996)
青写真感光紙の作り方. 印刷雑誌社, 1939. 印刷雑誌 22(6) (当館資料番号:60006804)
松本和雄. ビジネスコピー -複写・印刷から製本まで. 印刷学会出版部, 1977. 印刷雑誌 60(4) (当館資料番号:60012605)
松本和雄. ビジネスコピー2-複写・印刷から製本まで. 印刷学会出版部, 1977. 印刷雑誌 60(5) (当館資料番号:60012606)
キーワード
(Keywords)
感光紙
青焼
ジアゾ
ジアゾ感光紙
陽画感光紙
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
博物館・文書館・美術館
登録番号
(Registration number)
1000297819解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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