レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2021/04/17 15:53
- 更新日時
- 2021/04/18 13:00
- 管理番号
- 米図20210404
- 質問
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解決
江戸期の「諸国温泉効能鑑」という刷り物に温泉の番付があり、前頭に「伯州 徒見の湯」(かちみのゆ)とある。
どこの温泉のことか。
- 回答
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鳥取県東部にある勝見(かちみ)温泉のことと考えられる。
- 回答プロセス
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(1)伯州は鳥取県中西部の旧国名。しかし、中西部に「徒見」という温泉はなし。
【資料1】『鳥取県の地名』(日本歴史地名大系32 平凡社 1992)を確認したが、「かちみ」と読む地名は気高の「勝見」のみで、伯州(鳥取県中西部)で確認することはできなかった。
(2)GOOGLEで「かちみ温泉」と検索すると、「温泉文化研究所」のサイトがヒット。鳥取県東部の浜村温泉にかつて「勝見温泉」(かちみおんせん)があったことが分かった。http://onsenbunkakenkyujo.web.fc2.com/TT-05-Hamamura/kyoudouyu-kachimi.html(2021.4.4確認)
(3)【資料2】『新修気高町誌』(新修気高町教育委員会∥編 2006) 355p~、【資料3】『浜村温泉』(木下英明著 久松文庫発行 1965)では、かつて勝見温泉が上方まで知られていたこと、鳥取藩池田の殿様も専用の浴場を持ち親しんでいたことが記載されている
(4)日本温泉科学会が発行する【資料4】「温泉科学」31(3)(日本温泉科学会 1981.1)所収の「山陰地方の温泉史」(立木淳三著)によると、「文政の頃『温泉番付』が出版されはじめたが、城崎温泉は西の関脇の地位を不動のものとし、但馬湯川原の湯(但馬湯村)、伯州(因州?)徒見の湯(勝見)、石州川村の湯、出雲三沢の湯(湯村)などが見えている。この順位は疫病に対する効果を第一として考えられていたようで(後略)」とあり、徒見は勝見温泉のことと示唆されている。http://www.j-hss.org/journal/back_number/vol31_pdf/vol31no3_057_063.pdf(2021.4.4確認)
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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【資料1】鳥取県の地名. 平凡社, 1992. (日本歴史地名大系)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I065052747-00 , ISBN 4582490328 -
【資料2】新修気高町誌編纂委員会編 , 新修気高町誌編纂委員会. 新修気高町誌. 鳥取市, 2006.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I003630121-00 -
【資料3】木下英明著 , 木下, 英明. 浜村温泉. 久松文庫, 1965.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I000871706-00 - 【資料4】立木淳三. 山陰地方の温泉史. 日本温泉科学会, 1981.1. 温泉科学 31(3) p. 61P (http://www.j-hss.org/journal/back_number/vol31_pdf/vol31no3_057_063.pdf)
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【資料1】鳥取県の地名. 平凡社, 1992. (日本歴史地名大系)
- キーワード
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- 勝見温泉
- 鳥取県
- 浜村温泉
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000297269