レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/03/12
- 登録日時
- 2021/04/02 00:30
- 更新日時
- 2021/04/23 10:30
- 管理番号
- 9214739
- 質問
-
解決
プロ野球において、選手一人ひとりの登場曲の使用が始まったのはいつからか。また、そのきっかけや最初に使用した球団・選手は誰か。
- 回答
-
ご照会については「プロ野球における選手登場曲の導入時期や経緯、最初に使用した球団・選手」として、以下の資料、データベース、インターネット情報を調査しましたが、該当する情報は見当たりませんでした。
なお、調査の過程で、オリックスがレコードで登場曲を流すようになる前に、電子オルガンで選手別の登場曲を演奏していたとする資料1、インターネット情報1、記事1が見つかりました。参考までにご紹介します。
【 】内は当館請求記号です。
末尾に「*」が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、国立国会図書館および図書館送信参加館内で公開しています。
末尾に「**」が付された資料は、国立国会図書館デジタルコレクションに収録されており、国立国会図書館内で公開しています。
データベース、インターネットの最終アクセス日は2021年3月8日です。
資料1
谷川 建司. 神宮球場ドリマトーン奏者 森下弥生さん. キネマ旬報. 別冊8月9日号(1994.08)pp.84-87 【Z11-158】**
神宮球場ドリマトーン奏者である森下弥生氏へのインタビュー記事です。
p.86に「「(前略)具体的な演奏の内容について教えて下さい。」「森下 各バッターが打席に立つ時、ヒットとかホームランが出た時に弾きます。(後略)」「― 選手によって打席に立つ時のメロディがいろいろと決まっていますよね。(後略)」」などの記載があります。また、p.84に「「― 神宮での仕事を始められたのはいつ頃でしょうか?」「森下 優勝したのは……」「― 昭和53年ですね。」「森下 そうすると、その前年の暮れからですので52年からですね。(後略)」」という記載があります。ただし、昭和52年時点で選手別の登場曲を演奏していたと明示した記載はありません。
インターネット情報1
7.11「スワローズドリームゲーム」を彩った神宮名物“ドリマトーン奏者”に会いに行く 文春野球コラム ペナントレース2019(2019/07/21)(文春オンライン)( https://bunshun.jp/articles/-/12600 )
「かつて、神宮球場のバックスクリーンには、試合中に「ドリマトーン演奏・森下弥生」と表示されていた。(中略)若松勉が打席に入るときには、応援団のコールに先駆けて、ドリマトーンによる『鉄腕アトム』が奏でられていた。あるいは、飯田哲也の場合は、なぜか『おさるのかごや』が流されていたことなど、ありありと思い出す。」という記載や、「私が神宮球場でドリマトーンを弾いていたのは初優勝の前年の秋からでした。ということは昭和52(1977)年。」という記載があります。
記事1
横浜球場の“バイプレーヤー” 釜田満千江さん_若い芽 (朝日新聞 東京/夕刊 1981年4月2日 p.7)
「プロ野球の選手にも“出ばやし”がある。(中略)それを演奏しているのが、ビクトロン(電子オルガン)プレーヤー、釜田満千江さんである。」という記載があります
(※当館契約データベースの「聞蔵Ⅱビジュアル」で検索しました。)
(調査済み資料、データベース、インターネット情報)
・日外アソシエーツ編集部 編. 日本スポーツ事典 : トピックス1964-2005. 日外アソシエーツ, 2006.8 【FS2-H27】
・平成スポーツ史 : 1989-2019 : 永久保存版 Vol.1. ベースボール・マガジン社, 2019.4 【Y94-M4902】
・THE平成プロ野球記憶・記録に残る30年 : 1989-2018のプロ野球総まとめ!. 芸文社, 2018.12 【Y94-M658】
・ベースボール・マガジン社 編. 日本プロ野球60年史. ベースボール・マガジン社, 1994.12 【KD962-E518】
・宇佐美徹也 著. プロ野球記録大鑑 : 昭和11年→平成4年. 講談社, 1993.8 【KD962-E393】
・長谷川晶一 著. プロ野球語辞典. 誠文堂新光社, 2017.2 【KD962-L615】
・西井哲夫 監修, 野球用語研究会 著. 野球用語辞典. 舵社, 2008.2 【FS2-J4】
・コラム スイート・スポット <球場電子オルガン奏者・小林由起子>. 月刊体育施設 : スポーツ施設&マネジメント情報誌. 18(12)(226) 1989.11 p.71 【Z7-1147】*
「小林さんは昭和53年、川崎球場に日本ビクターの電子オルガン「ビクトロン」が導入されて以来、ずぅ~と演奏し続けてきた第1人者。」という記載があります。選手別の登場曲に関する記載はありません。
・永井良和, 橋爪紳也 著. 南海ホークスがあったころ : 野球ファンとパ・リーグの文化史. 河出書房新社, 2010.5 【KD962-J281】
p.249の*15に「関西では、西宮球場が一九六〇(昭和三五)年に電子オルガンを導入し、応援の演出に利用していた」という記載があります。選手別の登場曲に関する記載はありません。
・日本ビクター株式会社60年史編集委員会 編. 日本ビクターの60年. 日本ビクター, 1987.9 【DH22-E64】
p.138に「52年春,プロ野球大洋ホエールズのホームグラウンド・横浜スタジアムを皮切りに,西武ライオンズ球場,川崎球場等のスコアボードの下のコーナーにビクトロンEO-M20Wが設置され,ホームランが出るとビクトロンの美しい電子音がグラウンドいっぱいに流れ,球趣を盛り上げた。」という記載があります。選手別の登場曲に関する記載はありません。
・水野誠, 三浦麻子, 稲水伸行 編. プロ野球「熱狂」の経営科学 : ファン心理とスポーツビジネス. 東京大学出版会, 2016.8 【KD962-L556】
・笹川スポーツ財団 編. 企業スポーツの現状と展望. 創文企画, 2016.3 【FS22-L102】
・長谷川晶一 著. このパ・リーグ球団の「野球以外」がすごい!. 集英社, 2016.3 【KD962-L490】
・Year book = オリックス・ブレーブスイヤーブック. オリックス・ブレーブス, 1990 【Z11-2582】
・Orix Blue Wave year book = オリックス・ブルーウェーブyear book. オリックス野球クラブ, 1992-2002 【Z11-2582】
・Orix Blue Wave perfect guide = オリックス・ブルーウェーブパーフェクトガイド : year book. オリックス野球クラブ, 2003-2004 【Z11-2582】
・Orix Buffaloes the perfect guide = オリックス・バファローズパーフェクトガイド : official yearbook. オリックス野球クラブ, 2005-2019 【Z11-2582】
・三小田 美稲子. 音楽とスポーツ文化の関連に関する研究 (体育研究所創立40周年記念号). 国士舘大学体育研究所報. 36:2017年度 pp.21-26 【Z7-1240】
※国士舘大学の学術情報リポジトリでも閲覧できます。( http://id.nii.ac.jp/1410/00013723/ )
・国立国会図書館オンライン ( https://ndlonline.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館サーチ ( https://iss.ndl.go.jp/ )
・CiNii Books( https://ci.nii.ac.jp/books/ )
・CiNii Articles ( https://ci.nii.ac.jp/ )
・ディープライブラリー( https://dlib.jp/ )
・野球殿堂博物館図書室( https://baseball-museum.or.jp/library/ )
・大宅壮一文庫雑誌記事索引検索 Web版(Web OYA-bunko)[当館契約データベース]
・雑誌記事索引集成データベース ざっさくプラス(皓星社)[当館契約データベース]
・毎索[当館契約データベース]
「[人模様]「懐かしい大毎オリオンズ」電子オルガン奏者の今西玲子さん」(毎日新聞 東京夕刊 1991.10.02 p.5)
記事中に「プロ野球試合でホームランが出たり、攻守交代、試合終了後などに初めて電子オルガンで音楽を場内演奏した。「昭和三十四年から、オリオンズの当時のフランチャイズ後楽園球場でネット裏の放送室横に楽器を置いて、試合を見ながらやったものです」と今西さん。」という記載があります。選手別の登場曲に関する記載はありません。
・日経テレコン[当館契約テータベース]
「男性の球場MC、オリックスが発祥 -ディスコ風91年移転機に、「イチロー!」名調子さえる(とことん調査隊)」(日本経済新聞 大阪夕刊 2021年2月16日 p.29)
木村芳生氏や登場曲の演出について記載されています。
※日刊経済新聞ホームページでも「「イチロー…」の名調子が源流 スタジアムDJ誕生30年 とことん調査隊」(2021年2月16日 2:01)という記事名で公開されています。( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOIK012GC0R00C21A2000000/ )
・サンスポ・コム(SANSPO.COM)( https://www.sanspo.com/top.html )
「西武Dにだけ残る昭和の風物詩、球場の「生」を伝える電子オルガン」(2016.3.23 08:00)( https://www.sanspo.com/baseball/news/20160323/lio16032308000002-n1.html )
記事中に「電子オルガンは、かつてヤマハ(エレクトーン)、ビクター(ビクトロン)などのメーカー各社が、自社製品の宣伝も兼ねて各球場に競って導入。昭和のプロ野球観戦ではBGMの定番、風物詩だった。徐々にCDなどの音源に取って代わられ、2000年前後には各球場から姿を消した。」という記載があります。
・日刊スポーツ( https://www.nikkansports.com/ )
「球場に革命起こしたオリックス黄金時代DJ/パ伝説」(2020年11月10日11時0分)( https://www.nikkansports.com/baseball/news/202011090000607.html )
木村芳生氏へのインタビュー記事です。登場曲の演出についても記載があります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
〇日刊スポーツのWEBコラム第三回で、野球音楽評論家スージー鈴木氏が
「…90年代の終わりごろ、千葉マリンでのことです。1回裏、ロッテの小坂誠が打席に向かうと、米国のロックバンド、ザ・ナックの大ヒットナンバー「マイ・シャローナ」が流れました。選手登場曲など一般的でなかった時代。…」と言及している
https://www.nikkansports.com/m/baseball/column/kunikaraheisei/news/201903300000294_m.html?mode=all
(最終確認:20210216)
〇YAHOO!知恵袋「プロ野球12球団別に、選手別の登場曲を流し始めた時期を教えてください。」
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14189433814( 最終確認日:2021年2月24日)
試合にスタジアムDJが導入され、男性球場アナウンサーとして、DJ KIMURAさんが始めたのが始まりとある→
→こちらをヒントにインターネットや新聞雑誌記事検索オンラインデータベースで<野球><選手登場><選手><登場曲><スタジアムDJ><DJ KIMURA>などのキーワードを組み合わせて検索したところ、以下の記事がヒット
〇「野球の面白さと選手の魅力を“しゃべり”で伝える!アナウンサー・大前一樹氏が歩んだ道と実況する上で大切なこと<前編>【Baseball Job File vol.23】」2019年10月22日(BASEBALLGATE)
https://baseballgate.jp/dailybg/baseballjobfile/802739/( 最終確認日:2021年2月24日)
オリックス球団職員としてDJ KIMURAさんと共に仕事をした、大前一樹さんのインタビュー記事。
「今は多くのチームで選手が打席に入る時に出囃子というか登場曲をかけていますけど、それもこの時にオリックスが最初なんですよ。」という記述あり。
〇「映像制作を手掛ける想い!株式会社レオナルズの代表・木村芳生氏の“映像”で“感動”を創る理念や理想が注目されている。」2020年2月12日(BtoBプラットフォーム業界Ch)
https://b2b-ch.infomart.co.jp/news/detail.page?IMNEWS5=1821879( 最終確認日:2021年2月24日)
DJ KIMURAさんのインタビュー記事。
「選手の登場曲。あれも、オリックスが他球団先駆けて演出として取り入れましたが、木村さんがそれを大きく変えたと聞いています。」という記述あり。
(調査したオンラインデータベース)
「聞蔵Ⅱビジュアル」(朝日新聞社)
「ヨミダス歴史館」 (読売新聞社)
「毎索」 (毎日新聞社)
「産経データベース」(産経新聞社)
「中日新聞・東京新聞記事データベース」 (中日新聞社)
「ELDB」(エレクトロニック・ライブラリー)
「Web OYA-bunko 公立図書館版」(大宅壮一文庫)
以下の資料には記載なし。
『プロ野球語辞典 令和の怪物現る!編』ISBN:9784416520789
『Q&A式 しらべる野球①歴史と発展』ISBN:9784583101965
『80th日本プロ野球80年史 1934-2014【歴史編】』ISBN:9784583106687
『プロ野球[90年代]大事典』ISBN:9784861917127
『いとしのベースボール・ミュージック 野球×音楽の素晴らしき世界』スージー鈴木著 リットーミュージック 2019.2
『ロッテ70年史 1950-2019』(B.B.MOOK)ベースボール・マガジン社 2019.5
『阪急・オリックス80年史 1936-2016』(B.B.MOOK)ベースボール・マガジン社 2016.10
『プロ野球「戦後70年史」 1945-2015』(ベースボール・マガジン社分冊百科シリーズ12)ベースボール・マガジン社 2015.5
『スポーツ応援文化の社会学』(SEKAISHISO SEMINAR)高橋豪仁著 世界思想社 2011.1
『スポーツ観戦学 熱狂のステージの構造と意味』(SEKAISHISO SEMINAR)橋本純一編 世界思想社 2010.2
『ファンから観たプロ野球の歴史』橘川武郎, 奈良堂史著 日本経済評論社 2009.8
『週刊ベースボール』96プロ野球全選手名鑑号 51巻8号通巻2159号(1996.2.26) ベースボール・マガジン社
- NDC
-
- 声楽 (767 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 野球
- 流行歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 経済社会(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 公立図書館 図書館
- 登録番号
- 1000296246