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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
千葉県立中央図書館 (2120001)管理番号
(Control number)
千県中参考-2020-12
事例作成日
(Creation date)
2020年08月22日登録日時
(Registration date)
2021年01月26日 16時30分更新日時
(Last update)
2021年01月27日 11時30分
質問
(Question)
林芙美子の『放浪記』第3部(1948刊)を出版した「留女書店」の読み方や会社について知りたい。
回答
(Answer)
「留女書店」の「留女」は「るめ」と読むようです。
【資料1】『新潮日本文学辞典』(磯田光一[ほか]編集 新潮社 1988)
p1018「放浪記」の項に、「第三部は昭二二・五-二三・一〇「日本小説」。昭二四、留女書店刊。」との記載があり、「留女」の箇所に「るめ」とルビがありました。
また【資料2】『日本文芸鑑賞事典 9 近代名作1017選への招待 昭和2~5年』(石本隆一[ほか]編纂 ぎょうせい 1988)p126に「二十四年一月、『放浪記』第三部(留女書店)として刊行された」との記載の「留女」の箇所に「るめ」と記載がありました。

また留女書店の住所や創業者についての情報が掲載されていた資料を記載します。

【資料3】『虫のいろいろ 短篇集』(尾崎一雄著 留女書店 1949)
p243「あとがき」に「この集、留女書店の加納正吉君の手で出して貰ふことが出來たのを喜んでゐる。私が志賀直哉先生をしたつて奈良に八ヶ月住んだ昭和五年の頃、同地で初めて知り合つた加納君は、空氣銃のうまい中學生であつた。それから、すでに二十年に近い。留女書店創業に際し、往事を憶ふと共に、切にその大成を祈つて止まない。 昭和二十四年一月」との記述があります。また奥付に「昭和二十四年三月二十日初版印刷」「発行者 加納正吉」「発行所 留女書店 東京都新宿區戸塚町二ノ五四」との記載があります。

【資料4】『明治大正文学回想集成 16 明治大正の文学者』(平岡敏夫監修・解説 日本図書センター 1983)
留女書店から刊行された図書『明治大正の文学者』(中村武羅夫著 留女書店 1949)の復刻版です。
p4「序」に「今、一冊に纏めて、新たに世に出すに至つたのは、これ偏へに島村利正君の友諠と留女書店主加納正吉氏の厚意とに基づく」との記述があります。また奥付に「昭和二十四年六月十五日発行」「発行者 加納正吉」「発行所 留女書店 東京都千代田區神田駿河臺三ノ五」との記載がありました。

【資料5】『戦後初期の出版社と文化人一覧 第4巻』(大久保久雄監修 金沢文圃閣 2005)
「出版社・執筆者一覧 1951年版」(日本出版協会・草野悟一編 日本出版協会事業部、1951年)の復刻版です。
p186に住所と電話番号が掲載されていました。こちらは1951(昭和26)年3月時点の一覧表とのことです。「東京都千代田区駿河臺三ノ五 革新社内」「神田 四八一」との記載がありました。

【資料6】『昭和文学全集 11 尾崎一雄 丹羽文雄 石川達三 伊藤整』(井上靖編集委員 小学館 1988)
p226「加納正吉はのちに小山書店編輯部に入り、やがて独立して留女書店を興し、私の『虫のいろいろ』を出版してくれたのだが、その業は長つづきしなかった。」との記載があります。

【資料7】『志賀直哉全集 第16巻』(志賀直哉著 岩波書店 2001)
p63「日記人名注・索引」の「加納正吉」の項に「加納和宏の弟。小山書店勤務。留女書店を経営。」との記載があります。

【資料8】「明治大正の文学者」(読売新聞 1949年6月6日 朝刊 p1)
留女書店から刊行された「明治大正の文学者」と雑誌「素直」の広告が掲載されています。住所「千代田区駿河臺3の5」と記載があります。

【資料9】『尾崎一雄全集 第15巻』(尾崎一雄著 筑摩書房 1986)
p385「十月十九日には、加納正吉が来て、小山書店を退社、新たに留女書店創業のことを話す。私は、小山書店としての彼に『虫のいろいろ』出版の件を承諾してあるのだが、新出版社創業といふので、はなむけの意味で彼の乞ふまま同書出版を留女書店に任せることにした。」
p388「伊藤幸子(留女書店)、『虫のいろいろ』出版確約。契約金とて三千圓よこす。」
p391「島村平八郎は留女書店の編輯部員。」
p417「短編集『虫のいろいろ』が、二十四年三月二十五日づけで、加納正吉の留女書店から出た。」
p430「二十四年三月十七日、留女書店加納正吉と渡辺社員とが『虫のいろいろ』七十冊を持つて来た。」
回答プロセス
(Answering process)
1 『放浪記』は日本の近代小説のため、文学辞典を引く。【資料1】、【資料2】を発見。
2 出版社情報を確認するため、『日本出版年鑑』等の年鑑から探したが、「留女書店」の掲載なし。
3 Googleブックスで「留女書店」を検索。【資料5】がヒット。当館に所蔵あり。
4 国立国会図書館サーチで「留女書店」を検索。【資料3】、【資料4】がヒット。当館に所蔵あり。
5 【資料3】に留女書店の創始者は「加納正吉」と記載されていたため、Googleブックスを「留女書店」&「加納正吉」で検索。【資料6】、【資料7】がヒット。また『群像』第35巻1~3号がヒットしたので当館所蔵雑誌を確認したところ、尾崎一雄「続あの日この日」に該当の記述あり。「続あの日この日」は【資料9】に所収されていた。
6 新聞の出版広告を確認するため、ヨミダス歴史館ほか新聞記事データベースを確認。【資料8】がヒット。

【確認したが掲載されていなかった資料・データベース】
・『日本出版年鑑 昭和19.20.21年版』(日本出版協同編輯 日本出版協同 1947)
・『日本出版年鑑 昭和22・23年版』(日本出版協同編輯 日本出版協同 1948) 
・『出版年鑑 1951年版』(出版ニュース社出版年鑑編集部編集 出版ニュース社 1951)
・『出版社・執筆者一覧 昭和23年度版』(日本読書新聞編 日本出版協会 1947) 
・ジャパンナレッジLib(ネットアドバンス)
・whoplus(日外アソシエーツ)
・聞蔵Ⅱビジュアル(朝日新聞社)
・毎索(毎日新聞社)

(インターネット最終アクセス:2020年9月22日)
事前調査事項
(Preliminary research)
『森まゆみと読む林芙美子「放浪記」』(2020 集英社文庫)に記述あり。
NDC
出版  (023 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『新潮日本文学辞典』(磯田光一[ほか]編集 新潮社 1988)(9102911100)
【資料2】『日本文芸鑑賞事典 9 近代名作1017選への招待 昭和2~5年』(石本隆一[ほか]編纂 ぎょうせい 1988)(9102911315)
【資料3】『虫のいろいろ 短篇集』(尾崎一雄著 留女書店 1949)(9104961817)
【資料4】『明治大正文学回想集成 16 明治大正の文学者』(平岡敏夫監修・解説 日本図書センター 1983)(9100649729)
【資料5】『戦後初期の出版社と文化人一覧 第4巻』(大久保久雄監修 金沢文圃閣 2005)(0105913120)
【資料6】『昭和文学全集 11 尾崎一雄 丹羽文雄 石川達三 伊藤整』(井上靖編集委員 小学館 1988)(9100006095)
【資料7】『志賀直哉全集 第16巻』(志賀直哉著 岩波書店 2001)(0105617122)
【資料8】「明治大正の文学者」(『読売新聞』1949年6月6日 朝刊 p1)
【資料9】『尾崎一雄全集 第15巻』(尾崎一雄著 筑摩書房 1986)(9100810986)
キーワード
(Keywords)
留女書店(ルメショテン)
加納正吉(カノウ ショウキチ)
書籍商(ショセキショウ)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
一般
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000292959解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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