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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
栃木県立図書館 (2110002)管理番号
(Control number)
tr664
事例作成日
(Creation date)
2020年03月14日登録日時
(Registration date)
2020年12月27日 20時25分更新日時
(Last update)
2022年07月03日 09時25分
質問
(Question)
栃木県内の地名「志鳥」について。倭文織(しづおり)という織物との関連を調べたい。
回答
(Answer)
1 地名の由来について
栃木県内に2つある「志鳥」という地名の由来について、地名辞典から確認しました。

・『角川日本地名大辞典 9 栃木県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1984)
p.458-459 「しとり 志鳥〈栃木市〉」の項に、以下の記述があります。
 「〔古代〕委文郷 平安期に見える郷名 …(中略)… 委文は倭文の意で、郷名は、当郷に倭文部が居住したことに由来すると思われる。倭文部は、倭文という布を織ることを業とした。…(中略)… 「地名辞書」は「しづり」と読む。栃木市志鳥は当郷の遺称地と思われる。」
p.459 「しとり 志鳥〈南那須町〉」の項に、以下の記述があります。
 「地名は、往昔文織を産したことにちなむといわれ、文織の倭文布(しずり)からきている。「しずり」は、「しづおり」の転訛という。」

・『日本歴史地名大系 9 栃木県の地名』(平凡社 1988)
p.58 「倭文郷(しとりごう)」の項に「現栃木市志鳥町を遺称地と」する旨の記述があります。
p.140 「志鳥村 現南那須町志鳥」の項に「「那須郡誌」によれば地名は古代の織物倭文織にちなむという。」とあります。
p.673 「志鳥村 現栃木市志鳥村」の項に「「和名抄」記載の都賀郡内秀文郷の遺称地。「下野国誌」は秀文を委文の誤りとする。」とあります。

これを元に、各地域の資料をお調べしたところ、以下の記述を確認しました。

■市史等
・『栃木市史 通史編』(栃木市史編さん委員会/編 栃木市 1988)
「第二章 奈良時代 第一節 律令制度下の下野国」に「下野国九郡と都賀郡・寒川郡の郷名」「委文(しずり)郷」の項があります。(p.190)
 「皆川地区の志鳥町を中心とした地方と考えられている。委文郷とは、倭文布(しづりぬの)を貢納した郷である。」とあり、織物の特性や生産者(倭文部)等の記述が続いています。
 この他、他の項でも調布の貢進に関する記述はありますが(p.213-215「調・庸と中男作物・雑徭」、p.225-230「下野国の産業」等)、倭文織、倭文布に関する記述は確認できませんでした。

・『南那須町の歴史と遺跡』 (皆川晃/著 南那須町教育委員会 1988)
p.54 「一 村々の歴史」より「十八 志鳥村」の項に、以下の記述があります。
 「村名は、往昔、文織(あやおり)を産したことにちなむといわれ、文織の倭文布(しずり)からきている。「しずり」は「しずおり」の転訛といわれる。」

・『南那須村明治百年誌』(南那須村明治百年誌編集委員会/編、発行 1971)
 「第二編 産業経済」「第一章 南那須村の農業 第三節 農産物の変遷」の「二、養蚕その他」の項に関連の記述があります。(p.303-306)
 志鳥の地名の由来の他、正倉院御物の中に付近の熊田郷献上の調布が残ることなどを、地区の養蚕の歴史に絡めて記しています。


■史料の翻刻等(地名辞典等の出典の確認)
・『下野国誌 校訂増補』(河野守弘/著,佐藤行哉/校訂 下野新聞社 1989)※原著の発行:嘉永元年
「第一巻 郷名存廃」の「都賀郡」の項に、前出の『日本歴史地名大系 9』の元となった記述を確認しました。(p.35)
なお、「那須郡」の項(p.38-39)には関連記述は確認できませんでした。

・『那須郡誌 増補』(蓮実長/原著,蓮見彊/増補 小山田書店 1988)※原著の発行:大正13年
p.106 「第二章 各町村沿革大要」項の「二六、下江川村」の中に、以下の記述があります。
 「大字志鳥は、蓋し「倭文布」の義である。(しづおりの約「シヅリ」)倭文布は即ち文織なれば、この地古く文織を産したのに由って名に負うたのである。」
 この他、正倉院御物に残る熊田郷献上の調布は、志鳥産の倭文織ではないかと推量する記述があります。

※『那須郡誌』は増補前の原著の翻刻も所蔵しています。

以下の資料は、お調べしましたが記述を確認できませんでした。
・『栃木市史 民俗編』(栃木市史編さん委員会/編 栃木市 1979)
・『栃木市の歴史』(日向野徳久/著 栃木市 1966)
・『南那須町史 通史編』(南那須町史編さん委員会/編 南那須町 2000)
 ※志鳥や倭文布に関する記述は確認できませんでしたが、熊田郷の調布については記述がありました。(p.156-157、p.943)


2 倭文織に関する資料ついて
調査の過程で以下の情報を確認しました。
・『染織事典 日本の伝統染織のすべて』 (中江克己/編 泰流社 1993)
p.213 「倭文織(しずおり)」の項目があります。

・『日本染織文献総覧』(後藤捷一/著 染織と生活社 1980)
p.186 「染織文献解題 江戸後期」の中に「415 倭文考(しずこう)」が掲載されています。
「倭文はまた志豆波多ともいい、…(略)…『延喜式』『和名類聚鈔』その他多くの古典を引用考察した半丁一三行、一行二八字詰、三三丁に及ぶ力作である。」

この他、レファレンス協同データベースでも、倭文織について参考となる情報が確認できました。
・「倭文織(しづおり)について書かれた資料を探している」(鳥取県立図書館)
  https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000089434
・「倭文織(しづおり)について記載のある資料はないか。」(宮城県図書館)
  https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000238473
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
染織工芸  (753)
関東地方  (213)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
倭文織
志鳥
栃木県
栃木市
南那須町
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土 地名
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000291619解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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