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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
沖縄県立図書館 (2110045)管理番号
(Control number)
0001002513
事例作成日
(Creation date)
20151224登録日時
(Registration date)
2020年09月17日 00時30分更新日時
(Last update)
2020年09月28日 10時36分
質問
(Question)
なぜエイサーというのか、どこから来たのか、宗教的なものがあるのか、太鼓を持って踊る意味は何か知りたい。
回答
(Answer)
以下により資料を紹介した。

エイサーの語源について、古謡歌集『おもろさうし』の中の「ゑさおもろ」が元だという説(伊波普猷・外間守善)もあるが、今日の芸能研究者の多く(宜保栄治郎、池宮正治)はこれを否定している。一般的には、エイサーの源である念仏歌謡のハヤシ詞「エイサーエイサーヒヤルガエイサー」に由来すると言われている(山内盛彬の説)。エイサーという表記に統一されたのはそれほど古いことではない(明治期以降)と推測されている。(参考資料③、④)

エイサーの起源については、「似念仏(盂蘭盆)の念仏踊り」や「浄土宗の踊り念仏」「チョンダラー(京太郎)」など、さまざまな説がある。しかし、盆を中心とした祖先供養の芸能としてのエイサーの中核をなすのが、「七月(継親)念仏」、「仲順流れ」、「親の御恩」などの念仏系歌謡であることははっきりしている。
エイサーの由来や宗教的要素については①~④の資料が参考になる。
また、太鼓の持つ役割は➄~➆が参考になる。

【参考資料】

『エイサー』 (宜保 栄治郎/著、那覇出版、1997.11)
p14 「エイサーについての通説」の項目に、「琉球に初めて念仏を輸入したのは西暦一六〇三年に渡来した袋中上人である。彼は鎌倉時代以降に発生した俗謡風に唱えた歌念仏を心得て居たであろう。彼は教義を通俗的に訳し、何十種と云う琉歌念仏を作り、それにフシ迄つけて歌う様にした。」と記述がある。
p15 「盆踊りの名称」に「盆踊を総称してエイサーと云う。それは盆踊の最初の曲たる念仏歌のハヤシにエイサーを繰り返す事から付けられた名称である。」の記述がある。


『沖縄を知る辞典』 (「沖縄を知る辞典」編集委員会/編、日外アソシエーツ、2000.5)
p280 「エイサー」の項目に、「踊り手の囃子ことばにある「エイサー、エイサー、サーッサ」「スリサーサー」などからエイサーと呼ばれるようになったと考えられている。」「元来は各集落の純然たる宗教的行事だが、最近では青年会活動の一環として、踊られている。」と記述がある。
p280 「エイサーが元来は宗教的行事だといわれるゆえんは、勝連町平敷屋のそれを見れば、容易にイメージできる。白と黒を基調にした衣装でパーランクーをたたいて踊るこの地域のエイサーには、「念仏踊り」本来の姿が特徴的に残されている。」の記述がある。


『沖縄の民俗芸能論』(久万田 晋/著 ボーダーインク 2011.3)
p181「念仏歌の地方への伝播」の項目で、「もともと日本本土から琉球にたどり着いたチョンダラー達が伝承していた念仏系歌謡が沖縄各地域の青年達に伝わり、盆の時期に青年達が地域の家々を念仏歌を歌って回る習俗となった。沖縄本島南部に伝承が残る念仏エイサーや、八重山各地のアンガマーがこれにあたる。芸能研究者の宜保栄治郎によれば、こうした念仏歌を歌いながら家々を回る習慣に、若者達のモーアシビ(野遊び)での流行り歌(民謡)が徐々に加わり、手や足の舞踊的所作も徐々に華やかなものとなり、現在のエイサーの原形となったという」の記述がある。
p194-197「エイサーの起源」の項目で、「エイサーという言葉の由来に関しては、沖縄の古歌謡集『おもろさうし』の中の「ゑさおもろ」が元だという説もあるが、今日の芸能研究者の多くはこれを否定している。一般的には、エイサーの源である念仏歌謡「七月念仏」の中のハヤシ詞「エイサーエイサーヒヤルガエイサー」に由来すると言われている。明治期の新聞には「イェンサー」「ヤイサー」「エンサー」など様々な表記が見られることから、エイサーという表記に統一されたのはそれほど古いことではないと思われる。エイサーの始まりに関しては、諸説がある。琉球文学研究の池宮正治は、…近世の文書にたびたび現われる「似せ念仏」という語句に注目し、これが盆の時期に行われる芸能的行事であり、こんにちのエイサーの源流ではないかと推測する。…こんにちのエイサーとは、七月盆に舞台化することなく残った念仏踊りであるとしている。沖縄宗教史の知名定寛は、近世史料に見られる「似念仏」が、すでに風流化(芸能化)が進んでいたことを池宮と同じく推測している。近世琉球において似念仏あるいは念仏という場合、今日のエイサーのみを意味しているのではなく、その概念はエイサーも含めてかなり幅広かったとする。そしてこんにちのエイサーに近似する似念仏の挙行は一七世紀にまで遡る可能性があることを指摘している。琉球芸能研究者の宜保栄治郎は、エイサーの起源をチョンダラーに求めている。一六〇三年から三年間琉球に逗留した浄土宗名越派の袋中上人が、本土の浄土宗の踊り念仏を沖縄の那覇の地(垣花、具志、小禄一帯)に伝えた。その念仏歌を、いつしか首里のアンニャ村に居住する遊行芸人集団であるチョンダラー(京太郎)達が習い覚えて、盆の時期や年忌供養に家々に呼ばれて歌い歩くようになった。一方農村部では、この念仏歌を盆の時期に訪れる祖先霊を供養する為に青年達がチョンダラー(京太郎)から習い覚え、ムラ内の家々を巡って歌うようになった。そこに野遊びで流行った様々な民謡が加わり、今日のエイサーとなっていったとエイサーの成立過程を推察している。このように、エイサーの起源については諸説あり、始まりの時代や様態について確定的なことは明らかにはなっていない。しかし、盆を中心とした先祖供養の芸能としてのエイサーの中核をなすのが、「七月(継親)念仏」、「仲順流れ」、「親の御恩」などの念仏系歌謡であることははっきりしている。これらを沖縄各地に伝えた存在として、チョンダラー(京太郎)と呼ばれる流浪芸能集団がいる。…彼らが沖縄の島々を歩く長い時間のうちに、ムラの若者達に念仏系の歌謡を教え伝え、それがこんにちのエイサーの原形となったと考えられるのである。


『エイサー物語』(塚田 健一/著 世界思想社 2019(平成31).3)
p43-45「一 伊波普猷と「エイサー」」の項目で、「『おもろさうし』巻一四の表題「いろいろのゑさおもろさうし」の「ゑさ(えさ)」は「エイサー」の古形に相違なく、「えさ」が古くから掛け声であったこと、今日の「エイサー」が男子の集団舞踊であることから考えると、「ゑさ」も古くはそうした集団舞踊であったと考えられる。…ところが近年になってこの伊波説は、琉球文学や琉球芸能の研究者らによって論の不備が指摘され、批判されている。…いずれにしても、今日では、「エイサー」と「ゑさおもろ」との直接的な関係は見出されないというのが、定説である。現在では、エイサーという名称は、念仏歌である《仲順流り》のはやし詞「エイサー エイサー ヒヤルガエイサー」からとったものだとする説明が一般的である。そうした説明は、じつは一九二八年に沖縄の著名な音楽学者、山内盛彬が打ち出した説にさかのぼる。山内は論文「琉球の盆踊」のなかで「(エイサーは)盆踊の最初の曲たる念仏歌のハヤシにエイサーを幾度も繰り返す事から付けられた名称である」と明確に述べているからだ。」の記述がある。
p45-50「二 エイサーの起源をたどる」の項目で、p46-47「(1)山内・宜保説」、p47-48「(2)袋中開始説への疑問」、p49-50「(3)池宮説と知名説」の記載がある。
p50「いずれにしても、エイサーの成立や起源に関して、今のところ定説はない。…議論の詳細は異なるものの、いずれも一致して今日のエイサーと念仏との歴史的な関係を強調している。」の記載がある。


『エイサー360度』 (沖縄市企画部平和文化振興課/編、沖縄全島エイサーまつり実行委員会、1998.3)
p48 「八 まとめ~これまでのエイサーの変遷」の項目に、「太鼓エイサーは、恐らく太鼓や鉦を先頭とした手踊の念仏踊として発生し、近代に入って中部で徐々に太鼓踊の要素を強めながら変容していったものであろう。」の記述がある。


『沖縄市エイサー』 (沖縄市立郷土博物館編集、沖縄市立郷土博物館、2008.7)
p20 「大太鼓」の項目に、「エイサーの音頭とり的役割。演技中は全体の音がずれないように常にリードする。」の記述がある。


『沖縄大衆芸能 エイサー入門』 (琉球新報社/[編]・刊、1984.8)
p135-136 「太鼓打ち」の項目に、「エイサーの「太鼓打ち」は行列の先頭あるいは真ン中に位置して…指揮者の役目もある。…太鼓のリズムで音楽の曲を変えることもある。」の記述がある。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
社会科学  (3)
参考資料
(Reference materials)
エイサー 宜保 栄治郎/著 那覇出版社 1997.11, ISBN 4-89095-090-7 (p. 14-)
沖縄を知る事典 「沖縄を知る事典」編集委員会/編 日外アソシエーツ 2000.5, ISBN 4-8169-1605-9 (p. 280-)
エイサー360度 沖縄市企画部平和文化振興課/編 沖縄全島エイサーまつり実行委員会 1998.3, ISBN 4-89095-111-3 (p. 48-52)
沖縄市のエイサー 沖縄市立郷土博物館/編集 沖縄市立郷土博物館 企画展 沖縄市立郷土博物館 2008.7 (p. 20)
沖縄大衆芸能 エイサー入門 琉球新報社/[編] 琉球新報社 1984.8 (p. 135)
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000287251解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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