レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年08月31日
- 登録日時
- 2020/08/31 10:28
- 更新日時
- 2020/12/24 10:42
- 管理番号
- 20200831-1
- 質問
-
解決
論文・研究不正の際使われる「盗用(とうよう)」と「剽窃(ひょうせつ)」の違いについて知りたい。
- 回答
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以下の資料がみつかった。
「盗用」と「剽窃」を比較したところ、3つの使用方法が確認できた。
【1】「剽窃」がより具体的で、「盗用」の方がより広い意味で解説される。(法律辞典、一般辞典)
【2】「盗用」も「剽窃」も同じ意味として使用される。(専門図書)
【3】同じ意味であるが、「盗用」の方が一般的であるとする。(専門図書、文部科学省)
【1】「剽窃」がより具体的で、「盗用」の方がより広い意味で解説される。
・法律辞典
盗用(とうよう)
「盗んで用いること。職務上知り得た秘密を自己又は第三者の利益のために利用すること。窃用(ひそかに用いるの意)ともいう。」
@有斐閣 "盗用", 法律用語辞典(第4版), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-28)
剽窃(ひょうせつ)
「一般に、他人の詩歌、文章などの説又は文句を盗み取り、自分のものとして発表すること。」
©有斐閣 "剽窃", 法律用語辞典(第4版), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-28)
<一般辞典>
とう‐よう〔タウ‐〕【盗用】
[名](スル)他人の所有になるものを無断で使用すること。「デザインを―する」
"とう‐よう【盗用】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-31)
ひょう‐せつ〔ヘウ‐〕【×剽窃】
[名](スル)他人の作品や論文を盗んで、自分のものとして発表すること。「他人の論文を―する」
"ひょう‐せつ【剽窃】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-31)
新村出編『広辞苑』 第7版. - 東京 : 岩波書店 , 2018.1
本館請求記号:813.1 - Ko39
p.2071 盗用「ぬすんで使用すること」
p.2497 剽窃 (「剽」はかすめる意)「他人の詩歌・文章などの文句または説をぬすみ取って、自分のものとして発表すること」
【2】「盗用」も「剽窃」も同じ意味として使用される。“Plagiarism”の翻訳語として両方使用される。(専門図書)
<専門事典>
児玉善仁,赤羽良一,岡山茂(編)『大学事典』平凡社 2018 ISBN 9784582121025
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000079523?22 (電子ブック)
p.410
「避けるべき行為は『研究不正』と呼ばれ、狭義にはFFPと略称される『捏造:Fabrication, 改ざん:Falsification, 盗用/剽窃:Plagiarism』を指し、広義には非倫理的行為や不法行為、『疑わしい研究行為』をも含む」
世界思想社編集部(編)『大学生学びのハンドブック ―勉強法がよくわかる!』4訂版 世界思想社教学社 2018
ISBN 9784790717072
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/Viewer/Id/3000063219/Page/42?24
p.42「盗用剽窃 ほかの人の文章であることを示さずにほかの人の文章を使うと,「盗用剽窃」という不正行為と見なされ, 厳しい処分の対象となるばかりか,著作権法違反で刑事罰の対象にもなります」
富士通エフ・オー・エム『情報モラル&情報セキュリティ ―40の事例でわかりやすく解説!』改訂3版 富士通エフ・オ-・エム 2020 ISBN9784865104196
p.M19
「剽窃 他人の作品や論文を盗み、あたかも自作であるかのように発表すること。盗作と同じ。」
「パクリ 本来は「大きな口を開けて物をたべる様子」を表す言葉。最近では「盗むこと」「盗用すること」と転じて使われている。」
【3】同じ意味であるが、「盗用」の方が一般的であるとする。
<専門辞典>
白佐俊憲『レポート・論文・調査・研究基礎用語辞典 : 学習と研究と実践の支援書 : 小項目編集8000語収録』 川島書店, 2004.4
本館請求記号:816.5 - R28
p.351 「盗用」
※剽窃の項目はない。
<レポート・論文の書き方などの専門図書>
上岡洋晴『コピペしないレポートから始まる研究倫理 ―その一線、越えたらアウトです!』(ライフサイエンス選書)
ライフサイエンス出版 2016 p.50
研究における三大不正行為として、「捏造」「改ざん」「盗用」をあげる。
「3盗用(plagiarism):他者 のアイデアやデータ,結果,論文または用語などを承諾なく,もしくは適切な表示をせずに流用すること。(俗にいう,パクリ)」と解説がある。
その注記として、「剽窃とも称す。盗用の方が一般的である」としている。また、盗用は他者だけでなく、自己盗用として「自身のものを行う場合もある。」と説明している。
<文部科学省>
「研究活動における不正行為への対応等」
https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/index.htm (2020/08/31 確認)
「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」平成26年8月26日 文部科学大臣決定(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/__icsFiles/afieldfile/2014/08/26/1351568_02_1.pdf (2020/08/31 確認)
※このガイドラインでは、「剽窃」の用語使用がなく、「盗用」を用いています。
「研究活動の不正行為等の定義」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu12/houkoku/attach/1334660.htm (2020/08/31 確認)
「(3)盗用 他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を、当該研究者の了解もしくは適切な表示なく流用すること。」
- 回答プロセス
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<レファレンス協同データベース関連事例>
コピペルナーについて知りたい。(近畿大学中央図書館)
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000133071
<参考資料>
「コピペはダメなの?編」(法政大学図書館)
https://www.hosei.ac.jp/documents/library/shien/report/2015_line_kopipe.pdf (2018/10/12 確認)
※LINE画面のマンガを使って、コピペと剽窃についてわかり易く解説してある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 文法.語法 (815)
- 参考資料
- キーワード
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- 盗用
- 剽窃
- コピペ
- 研究不正
- Plagiarism
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000286383