レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年05月27日
- 登録日時
- 2020/06/11 17:00
- 更新日時
- 2020/08/06 11:46
- 管理番号
- 神戸図-1522
- 質問
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大和鉛筆という会社の創業者を知りたい。
(三菱鉛筆株式会社の前身、眞崎大和鉛筆株式会社は眞崎鉛筆と大和鉛筆が合併してできたらしい。)
- 回答
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創業時の出資者が原富太郎、合併時の社長が近藤賢二であるとわかった。
後日調査で、創業時の技師長が高崎均、社長が近藤賢二であることがわかった。
※その後下記の情報提供をいただきました(2020年8月6日)
『人事興信録』データベースを全項目一括検索に大和鉛筆を入力し検索しますと
近藤賢二 氏の情報がありました。
『人事興信録』データベース 第8版 [昭和3(1928)年7月] 名古屋大学
http://jahis.law.nagoya-u.ac.jp/who/
近藤賢二
http://jahis.law.nagoya-u.ac.jp/who/docs/who8-9265 眞崎大和鉛筆(株)「取締役」の記述あり
国立図書館デジタルコレクションにも『人事興信録』の
画像が公開されていました。
国立図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/
人事興信録 7版 人事興信所 編 (人事興信所, 1925)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1704004
p.こ92
近藤賢二
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1704004/1083
- 回答プロセス
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『日本会社史総覧 下巻』
p.1335 「三菱鉛筆」
1925(大正14)年4月、眞崎大和鉛筆(株)と大和鉛筆(株)が合併
「合併の直前に眞崎仁六が急逝し、新会社社長には大和鉛筆の近藤賢二が就任した」とある。
『洋風文化と意識刷新』
p.115-130「エンピツ その製造に生涯をかけた真崎仁六」
p.126に以下の記述がある。
「大和鉛筆は、大正七年、横浜の生糸財閥であり、現在の横浜銀行の頭取などをつとめて横浜実業界の第一人者となった原富太郎の出資により、横浜市神奈川町(今の神奈川区)に設立された小さな会社であった。」
●その他、大和鉛筆の名前はあるが創業者について記述がなかった資料
『企業名変遷要覧 1』 p.449 「三菱鉛筆(株)」
『産業別「会社年表」総覧 19 その他の製造業』
p.150-162「三菱鉛筆株式会社」
後日調査で以下の資料を確認した。
『鉛筆とともに80年』p.45「大和鉛筆」
国立国会図書館デジタルコレクション 図書館送信資料
(https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000001091860-00)
「創立の事情については鈴木達治著「煙洲漫筆」(昭和二十六年二月発行)のなかにくわしい」として、引用を交えて解説がある。
概要は以下の通り。
・蔵前高等工業学校の応用化学科の工場で色鉛筆の色素の研究をしていた高崎均が、色鉛筆の製造会社を作りたいと疋田桂太郎(工場長)と鈴木達治(応用化学科の科長)に相談する。
・鈴木が原富太郎に相談し、社長格で事業を監督する人物を置くことを条件に原が出資することを決定。
・鈴木が友人の近藤賢二を社長に推薦。
・高崎均を技師長、近藤賢二を社長として大和鉛筆が発足。
(発足翌年の1919(大正8)年には、近藤との意見の相違で高崎が会社を去っている。)
『煙洲漫筆』p.192「眞崎大和鉛筆會社の起源と櫻井三千三君」
国立国会図書館デジタルコレクション 図書館送信資料
(https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000000892341-00)
上記『鉛筆とともに80年』と同様の内容が書いてある。
『時代を書きすすむ 三菱鉛筆100年』当館に所蔵はないが、県立図書館から取り寄せて確認。
p.77-80「1.色鉛筆の大和鉛筆」に、同様の内容が書いてあった。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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『日本会社史総覧 下巻』東洋経済新報社 編 , 東洋経済新報社, 1995.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I054215803-00 (当館ID PV:6000016848) -
『日本の「創造力」 : 近代・現代を開花させた四七〇人 第5巻 (洋風文化と意識刷新)』日本放送出版協会 編 , 日本放送出版協会, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002241042-00 , ISBN 4140092092 (当館ID PV:0005170354) -
『企業名変遷要覧 [1]』機械振興協会経済研究所 結城智里, 神戸大学経済経営研究所附属政策研究リエゾンセンター, 日外アソシエーツ編集部編, 日外アソシエーツ, 2006.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I010207695-00 (当館ID PV:7000325404) -
『産業別「会社年表」総覧 第19巻 (その他の製造業)』ゆまに書房, 2001.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003001428-00 , ISBN 4897149339 (当館ID PV:7000294291) -
『鉛筆とともに80年』三菱鉛筆株式会社, 1966.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I046248992-00 (国立国会図書館デジタルコレクション 図書館送信資料) -
『煙洲漫筆』鈴木達治 著, 煙洲会, 1951.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000892341-00 (国立国会図書館デジタルコレクション 図書館送信資料) -
『時代を書きすすむ三菱鉛筆100年』社史編纂室編 , 三菱鉛筆株式会社. 三菱鉛筆, 1986.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I006329508-00
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『日本会社史総覧 下巻』東洋経済新報社 編 , 東洋経済新報社, 1995.
- キーワード
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- 色えんぴつ
- 三菱鉛筆
- 真崎鉛筆
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000283014