レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 国立国会図書館(National Diet Library) (1110001) | 管理番号 (Control number) | 7542425 | |||
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事例作成日 (Creation date) | 2020/05/12 | 登録日時 (Registration date) | 2020年06月02日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2021年01月21日 16時38分 | |
質問 (Question) | 一条兼良『小夜寝覚(小夜のねさめ)』の、現代語訳または解説の記されている資料はあるか。 当館が検索可能なデータベースで探しましたが,現代語訳が見つかりません。 現代語訳資料の有無の探し方について,ご教示いただきたい。 日本古典文学の現代語訳について,リサーチ・ナビの「古典哲学の現代語訳・書き下し文を探す」や「日本文学に関する文献を探すには(主題書誌)」,「日本古典文学の現代語訳を探すには」を参照しました。 『日本古典文学案内 : 現代語訳・注釈書』は所蔵しておらず,未確認です。 | |||||
回答 (Answer) | 一条兼良の『小夜寝覚』の現代語訳または解説がないか調べました。 現代語訳については見当たりませんでしたが、1)~6)の関係文献があり、そこに解説的な叙述が若干含まれています。 1)尾崎 勇「愚管抄と一条兼良--『小夜の寝ざめ』の成立」『熊本学園大学文学・言語学論集』1(1・2)pp. 276~252(1994.11)【Z12-B62】 2)橋浦兵一「兼良の随筆--特に女性政道観をめぐつて」『宮城教育大学国語国文』(9)pp.15~23(1978.4)【Z13-884】 ※文献1)の注で見つけました。当館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開) 3)原田行造「『小夜の寝覚』について」『説話・物語論集』(11)pp.?(1984.5)【Z13-1244】 ※この号は当館未所蔵。国文学論文目録データベース(国文学研究資料館)で確認。 4)高木信「文学史の中の『源氏物語』3 もうひとつの〈源/平〉合戦」『大君・中の君 (人物で読む『源氏物語』 ; 第19巻)』室伏信助 監修, 上原作和 編. 勉誠出版, 2006.11 pp.412~418【KG59-H166】 ※言及はごく短いものです。 5)吉沢義則 著『室町文学史 改訂』東京堂, 昭和18 【910.245-Y94bウ】 ※小夜の寢覺(pp.490~491)当館デジタルコレクションでインターネット公開しています。該当箇所のURL: https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1127214/275 6)吉沢義則 著『室町文学史 (日本文学全史 ; 巻6)』東京堂, 昭11 【910.245-Y94ウ】 ※小夜の寢覺(pp.490~491)この部分の内容は上記5)と同じです。当館デジタルコレクション(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開) 参照したツール類及び探索ポイントを以下で述べます。 貴館ご参照のように、基礎的な次のツールで作品の基本的知識を得ておきます。『小夜寝覚 ( さよのねざめ )』と似たタイトルの「ねさめの記 ( ねざめのき )」という作品があるが、両者は異なることや、統一書名以外にも「さ夜のねさめ」「小夜の寝覚」といった異なる表記形があることなどをおさえておきます。 7)日本古典文学大辞典編集委員会 編『日本古典文学大辞典』岩波書店, 1984-1985【KG2-70】 8)日本古典籍総合目録データベース(国文学研究資料館) 一般に専門辞典などで立項がないか、あっても現代語訳への言及がない古典作品については、現代語訳がないか、ごく最近に出版されたかの可能性が高いと見込まれます。そこで、部分訳などが研究にないか関連論文を参照、あるいは学習参考書で注釈版がないか探します。 9)日外アソシエーツ株式会社 編『日本古典文学案内 : 現代語訳・注釈書』日外アソシエーツ, 2009.11 【KG1-J25】 ※一般に、あまり有名でない作品の場合、単行レベルの書誌に出てこず、連動して、単行レベルの書誌をもとに作られた主題書誌にも出てこない傾向にあります。 10)武井和人 著『一条兼良の書誌的研究 増訂版』おうふう, 2000.11 【KG121-H7】 ※専門家が作った主題書誌や著作目録、人物文献書誌があればそれを最初に参照します。本書巻末にそれが「補遺」分と2本立てで収録されています。文献1)は本書「補遺」分で見つけました。 11)西沢正史, 徳田武 編『日本古典文学研究史大事典』勉誠社, 1997.11【KG2-G23】 ※日本文学の場合、辞典には研究辞典が成立しており、そこに主題書誌の有無が言及されています。 12)国文学論文目録データベース(国文学研究資料館) ※このデータベースは貴館もご参照済みですが、日本古典籍総合目録データベース(国文学研究資料館)などと異なり表記(小夜寝覚→、小夜のねさめ、小夜の寝覚、さ夜のねさめ、など)を確認し、念のため異なり表記でも引いてみます。一般に、単行レベルの書誌は読みなどでタイトル標目が整序されている傾向にありますが、論文、章レベルのタイトルは表記形そのままでしか検索できない傾向にあります。 13)「20世紀文献要覧大系」編集部 編『日本文学研究文献要覧 1965-1974(昭和40年代) 1 (古代-近世編) (20世紀文献要覧大系 ; 1)』日外アソシエーツ, 1976 【KG1-37ほか】 ※専門機関の論文データベースと重なる部分が大きいですが、それでもなお戦後の論文を検索するのに「20世紀文献要覧大系」及び事実上の後継書誌を念のために検索します。『日本文学研究文献要覧 2010~2014古典文学』日外アソシエーツ, 2016.7 【KG1-L46】まで順次参照しました。 14)皓星社 雑誌記事索引集成データベース(ざっさくプラス)(当館契約データベース) ※戦前の雑誌記事、論文を検索するのに使います。契約館のみが検索できます。 ※書誌情報末尾【 】内は当館請求記号です。書誌事項末尾に当館デジタルコレクションのURLがあるものの一部は外部からも参照できます。 ※データベース類で末尾にURLの記載がないものは、当館人文リンク集( https://rnavi.ndl.go.jp/humanities/post.php )で紹介されています。 ※データベース類の最終アクセスは2020年4月30日です。 | |||||
回答プロセス (Answering process) | ||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | 解説の記されている資料として,当館所蔵資料から, ■『新校群書類従解題集』名著普及会研究開発部編. -- 名著普及会, 1983. p. 704 に 「小夜のねざめ 一巻 一條兼良」 ■『日本古典文学大辞典』日本古典文学大辞典編集委員会編集 ; 第1巻 - 第6巻. (岩波書店, 1983) ■『日本古典文学大事典』(明治書院, 1998) ■『研究資料日本古典文学』 第8巻(明治書院, 1983) などを利用者に紹介しました。 検索したデータベースは,NDL ONLINE, NDL Search, リサーチ・ナビ,レファレンス協同データベース,CiNii Books, CiNii Articles, ざっさくプラス,magazinePlus, 国文学研究資料館のデータベースです。 | |||||
NDC | ||||||
参考資料 (Reference materials) | ||||||
キーワード (Keywords) | ||||||
照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||
備考 (Notes) | 人文(レファレンス) | |||||
調査種別 (Type of search) | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | ||||
登録番号 (Registration number) | 1000282646 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |