レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年02月06日
- 登録日時
- 2020/05/29 09:12
- 更新日時
- 2020/05/29 11:19
- 管理番号
- 京歴-489
- 質問
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解決
北野天満宮菜種御供(a)と吉祥院天満宮菜種御供(b)について調べたい。
- 回答
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(a)北野天満宮菜種御供について
『京都市の地名(日本歴史地名大系;27)』(①)の「北野天満宮」の項、p.670に菅原道真の忌日にあたる2月25日に行われる梅花祭についての記述がある。
それによると、梅花祭は梅花の御供とも呼ばれるが、古くは菜種の御供と呼ばれた。菜種の御供は、道真の霊を鎮める「なだめの御供」に由来する、という説を紹介している。
『京都天神をまつる人びと:ずいきみこしと西之京』(②)pp.104-110に、北野天満宮の菜種御供について詳しい解説がある。
この資料には、かつて菜種の御供が行われていた旧暦の2月25日は菜の花の咲く季節であったが、新暦の2月25日は菜の花の季節とずれてしまうため、梅の花が用いられるようになったという記述がある。
p.105では『拾遺都名所図会』に掲載されている「北野天満宮菜種御供」の図を紹介している。
『京都大事典』(③)p.737「梅花祭」の項、雑誌「天満宮:北野天満宮社報」Vol.14(④)のpp.10-11、『神饌:神と人との饗宴(ものと人間の文化史;140)』(⑤)p.130-133「北野神社・梅花祭」の節、『天満宮(日本歴史叢書;19)』(⑥)p.302-303、『京の歳時記今むかし(別冊太陽)』(⑦)p.24にも、菜種御供について解説がある。
(b)吉祥院天満宮菜種御供について
『京の歳時記今むかし(別冊太陽)』(⑦)p.34、吉祥院天満宮の「菜の花御供」の項に解説と写真が掲載されている。
それによると、菜の花御供は道真の命日を新暦にあらためた3月25日に行われるもので、御供として米や餅などに加えて菜の花や季節の野菜が奉納される。正式名称は御供奉献祭である。
なお、吉祥院天満宮は菅原氏の氏寺である吉祥院に、祭神菅原道真の霊を祀って造営されたものである。
- 回答プロセス
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(a)北野天満宮菜種御供について
当館の蔵書検索システムでキーワード「菜種御供」を検索したが、出てくるのは歌舞伎や狂言の台本や筋書きのみであった。
『京都市の地名(日本歴史地名大系;27)』(①)の北野天満宮の項目、『京都大事典』(③)の「梅花祭」の項で、「菜種の御供」について調べた。
北野天満宮についての資料②④⑥で、「菜種御供」に関する記述を探した。
閲覧室の「祭祀」(日本十進分類法(NDC)176)の棚から、「菜種御供」に関連する記述が⑤にあるのを見つけた。
資料①②④⑤⑥から、「菜種御供」が年中行事であることがわかったので、閲覧室と書庫の「年中行事」(日本十進分類(NDC)386)の棚から②⑦を見つけた。
(b)吉祥院天満宮菜種御供について
『京都市の地名(日本歴史地名大系;27)』(①)p.1013と、『京都大事典』(③)p.250の「吉祥院天満宮」の項を調べたが、菜種御供に関する記述はなかった。
北野天満宮の菜種御供について記載のあった⑦に、吉祥院天満宮の菜種御供に関する記述を見つけた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 年中行事.祭礼 (386)
- 参考資料
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- ①京都市の地名(日本歴史地名大系;27).平凡社,1979. (当館請求記号:K1||291.62||H51||)
- ②西村豊写真,三枝暁子文.京都天神をまつる人びと:ずいきみこしと西之京.岩波書店,2014. (当館請求記号:K1||386.162||N84||)
- ③佐和隆研[ほか]編集.京都大事典.淡交社,1984. (当館請求記号:K0||291.62||Ky6||)
- ④北野天満宮編.天満宮:北野天満宮社報 Vol.14,2017. (当館請求記号:||テンマ||K)
- ⑤岩井宏實,日和祐樹著.神饌:神と人との饗宴(ものと人間の文化史;140).法政大学出版局,2007. (当館請求記号:||176.5||I93||)
- ⑥竹内秀雄著.天満宮(日本歴史叢書;19).吉川弘文館,1968. (当館請求記号:K111||175.96||KI69||)
- ⑦山路興造監修.京の歳時記今むかし(別冊太陽).平凡社,2006. (当館請求記号:K1||386.162||Y26||)
- キーワード
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- 北野天満宮菜種御供
- 梅花祭
- 吉祥院天満宮菜種御供
- 菜種の御供
- 菜の花御供
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000282510