レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 札幌市中央図書館 (2210002) | 管理番号 (Control number) | 6000018820 | ||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2020/03/21 | 登録日時 (Registration date) | 2020年04月02日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2021年01月02日 00時30分 | ||||
質問 (Question) | 冷麺になぜ果物が入っているのか知りたい。特に韓国(または北朝鮮)の冷麺になぜ梨が添えられるようになったか、根拠の示す文献や書籍があれば読みたい。また『東国歳時記』での冷麺は果物が入っている記載はなく、いつからあるのかも知りたい。また、冷麺は五色思想と関係があるか知りたい。 | ||||||||
回答 (Answer) | 冷麺に果物(特に梨)が入っている理由を明確に示した文献を見つけることはできなかったが、下記に関連する記述あり。 ①『韓国料理文化史』李盛雨/著 平凡社 1999.6 高宗10年(1873年)の『進饌儀軌』に記されている冷麺の材料を下記のとおり紹介。 冷麺一器:木麺30玉、キムチ5器、豚足3分の1、梨3個、松の実5勺、粉唐辛子1合 本書では他に『延大閨壺要覧』(19世紀後半?)という書物に「~梨と栗と桃を薄く切ってのせ松の実をちらす」と記されていること、『是議全書』(19世紀後半?)には「梨、白菜キムチを切ってのせ、粉唐辛子と松の実をちらす」と記されていること、『夫人必知』(1915年)には「~大根と梨、柚を薄切りにしてのせ、茹でた豚肉を切ってのせ、卵を焼いてのせ、胡椒と松の実を加えれば明月館冷麺という~」と記されている。 ②『朝鮮食物誌』鄭大聲/著 柴田書店 1985.4 ホギュン(1569~1618)という官吏が全国を巡回した際の料理や食材を著した『屠門大嚼(トムンテジャク)』という書物に、各地の梨についての記述があって梨が広範囲に栽培されていたことを示唆している。 ※『屠門大嚼』については、同じ鄭大聲編訳の『朝鮮の料理書』(平凡社 1982.12)にも同じ部分の記述がある。 ③『よくわかる焼肉・韓国料理の歴史』鄭大聲/著 旭屋出版 2003.7 朝鮮王朝の典型的な宮廷料理「九折板(クジョルパン)」は、陰陽五行の思想に基づく五つの色(赤・黄・青・黒・白)の食材を使っているが、これと冷麺を関連付けた記述はなかった。また、これらの食材の中で白色として配色されているのは薄い丸型のもちであり、梨についての記載はない。 | ||||||||
回答プロセス (Answering process) | |||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | トクバイ みんなのカフェというサイトやヤフーの知恵袋で見かけた回答の中には、主に辛さ調整の甘味素材の役割を担っているといったことが書かれていたが、事実を裏付けるようなものはなく、「日本で冷麺にスイカが乗っているのは、韓国の梨の代わり」といった視点だった為あまり納得出来なかった。ヤフーの知恵袋での回答の1つに、韓国の五色思想から梨(白)があると言う意見もあった | ||||||||
NDC | |||||||||
参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||
備考 (Notes) | |||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 学生 | |||||
登録番号 (Registration number) | 1000280111 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |