レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年03月19日
- 登録日時
- 2020/03/25 00:31
- 更新日時
- 2020/11/01 00:30
- 管理番号
- 102D006376
- 質問
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解決
“アマビエ”とはどのような妖怪か?
- 回答
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『妖怪事典』(村上健司/編著,毎日新聞社, 2000.4)のp.23-24に「アマビエ」の項があり、弘化3(1846)年4月中旬と記された瓦版に書かれているものとあります。肥後国(熊本県)の海にアマビエと名乗る化け物が現れて、「「もし流行病が流行ったら人々に私の写しを見せるように」といって再び海中に没したという。(中略)髪の毛が長く、くちばしを持った人魚のようなアマビエの姿が描かれている。」と説明されています。また「アマビエ」は「アマビコ」のことではないかとも考えられているようです。
京都大学貴重資料デジタルアーカイブでは当該の瓦版の画像を見ることができます。
京都大学貴重資料デジタルアーカイブ 「新聞文庫・絵」 84コマ目「肥後国海中の怪(アマビエの図)」
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00000122 (2020.3.24確認)
以下、「アマビエ」「アマビコ」について関連する記述のあった資料をご紹介いたします。
当館書誌ID <0000731745> 『妖鬼化(むじゃら) -1999年水木しげる作画活動50周年記念出版原画集- 第4巻 日本編《四国・九州・沖縄》』 水木 しげる/著 ソフトガレージ 1999.3
p.86「アマビエ amabie」に、アマビエの解説と著者が描いた絵が掲載されています。
当館書誌ID <0000751407> 『明治妖怪新聞』 湯本 豪一/編 柏書房 1999.7
カラー口絵に上述「肥後国海中の怪」の瓦版画像の掲載があり、p.196-198に「妖怪「アマビエ」の正体 記事から謎を解く」として、アマビエについての解説と考察が掲載されています。
当館書誌ID <0010499850> 『日本妖怪学大全』 小松 和彦/編 小学館 2003.4 p.103-125に湯本豪一「予言する幻獣-アマビコを中心に-」があり、アマビコ・アマビエに関する詳細な論考が掲載されています。
当館書誌ID <0014140955> 『日本の幻獣図譜 -大江戸不思議生物出現録-』 湯本 豪一/著 東京美術 2016.7
p.32-42「特集「予言獣」-資料から見えてくるもの」で、未来を予言する幻獣「予言獣」やアマビコについて論考されています。またp.42「close upアマビコ考」で、「肥後国海中の怪 アマビエ」の瓦版画像及びその解説が掲載されています。
当館書誌ID <0012042155> 『日本の妖怪の謎と不思議 :増補改訂版(GAKKEN MOOK)』 学研マーケティング(発売) 2010.3
p.104「海中に現れた怪物アマビエ」という項があり、「肥後国海中の怪」の瓦版画像とアマビエの説明が掲載されています。
当館書誌ID <0011703567> 『図説地図とあらすじで読む日本の妖怪伝説』 志村 有弘/監修 青春出版社 2008.8
p.69-86 「第五章 助ける!」の章中、p.76に「アマビコ-自分の絵を持たせて除難を予言する「天響」」として、アマビコについて書かれています。
当館書誌ID <0010571735> 『江戸の妖怪絵巻(光文社新書 104)』 湯本 豪一/著 光文社 2003.7
「第8章 新聞記者、妖怪情報に奔走する」のp.182-185「明治時代の妖怪情報とは」の項で、アマビエ・アマビコについて記述があります。
当館書誌ID <0013534485> 『かわら版で読み解く江戸の大事件』 森田 健司/著 彩図社 2015.7
「第二章 江戸の日本は怪異がいっぱい」のp.56-63「07 人魚・くたべ・アマビエ・そしてスカ屁 商売上手な人面妖怪たち」にて、江戸時代の瓦版で報じられた怪異や妖怪として、アマビエについても紹介されています。
新聞記事を下記のとおり、ご紹介いたします。
朝日新聞 2005年11月05日 朝刊 福井全県 「江戸時代の3本脚幻獣・アマビコ、古文書に“出没” 県立図書館に最古記録?/福井県 」
「湯本さんによると、アマビコに関する記録は、江戸から明治の瓦版や新聞で数件確認されている。表記は「尼彦」「天日子」「アマビエ」など。姿は、おおむね猿か鳥のような頭と3本の脚を持つ。豊作や凶作、疫病などを予言する点で一致するという。」とあります。
朝日新聞 2006年08月08日 朝刊 生活1 「(怪を訪ねて:1)安達ケ原の鬼婆 福島県二本松市 奇岩に宿る母の愛【大阪】」
「アマビエ 熊本県 肥後の国の海に現れた予言する妖怪。その姿を役人が書き写したとされる」とあります。
アマビコについての論文を下記サイトで閲覧することができます。
福井県地域共同リポジトリ 「予言獣アマビコ考--「海彦」をてがかりに」(長野, 栄俊, 若越郷土研究, 2005.01, vol.49, no.2, p.1-30. )
http://hdl.handle.net/10461/19948 (2020.3.24確認)
- 回答プロセス
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1.商用DB「JapanKnowledoge」 キーワード“アマビエ” 全文検索 ヒットなし。
2.当館所蔵検索 フリーワード “アマビエ” 資料3、10を見つける。
3.国会サーチ検索 キーワード “アマビエ”
4.新聞DB 聞蔵Ⅱビジュアル、毎索、ヨミダス、産経、日経、 “アマビエ”で検索 資料11、12を見つける。
5.朝日新聞の2006年8月8日の記事に「京都大付属図書館蔵」とあるので、京都大付属図書館のHPを検索 資料2を見つける。
6.googleブックス “アマビエ”で検索 資料4、5、9を見つける。
7.請求記号“338.1”の棚をブラウジング 資料1、6、7、8を見つける。
8.CiNii Articles ”アマビエ”“アマビコ”で検索 資料13を見つける。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0000797592> 妖怪事典 村上 健司/編著 毎日新聞社 2000.4 9784620314280 (資料1)
- 当館書誌ID <0000731745> 妖鬼化(むじゃら) -1999年水木しげる作画活動50周年記念出版原画集- 第4巻 日本編《四国・九州・沖縄》 水木 しげる/著 ソフトガレージ 1999.3 9784921068103 (資料3)
- 当館書誌ID <0000751407> 明治妖怪新聞 湯本 豪一/編 柏書房 1999.7 9784760117857 (資料4)
- 当館書誌ID <0010499850> 日本妖怪学大全 小松 和彦/編 小学館 2003.4 9784096262085 (資料5)
- 当館書誌ID <0014140955> 日本の幻獣図譜 -大江戸不思議生物出現録- 湯本 豪一/著 東京美術 2016.7 978-4-8087-1059-0 (資料6)
- 当館書誌ID <0012042155> 日本の妖怪の謎と不思議 :増補改訂版(GAKKEN MOOK) 学研マーケティング(発売) 2010.3 978-4-05-605884-0 (資料7)
- 当館書誌ID <0011703567> 図説地図とあらすじで読む日本の妖怪伝説 志村 有弘/監修 青春出版社 2008.8 978-4-413-00965-2 (資料8)
- 当館書誌ID <0010571735> 江戸の妖怪絵巻(光文社新書 104) 湯本 豪一/著 光文社 2003.7 9784334032043 (資料9)
- 当館書誌ID <0013534485> かわら版で読み解く江戸の大事件 森田 健司/著 彩図社 2015.7 978-4-8013-0080-4 (資料10)
- 朝日新聞 2005年11月05日 朝刊 福井全県 「江戸時代の3本脚幻獣・アマビコ、古文書に“出没” 県立図書館に最古記録?/福井県」 (資料11)
- 朝日新聞 2006年08月08日 朝刊 生活1 「(怪を訪ねて:1)安達ケ原の鬼婆 福島県二本松市 奇岩に宿る母の愛 【大阪】 」 (資料12)
- 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ「新聞文庫・絵」 84コマ目「肥後国海中の怪(アマビエの図)」 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00000122 (資料2)
- 福井県地域共同リポジトリ 「予言獣アマビコ考--「海彦」をてがかりに」 長野, 栄俊, 若越郷土研究, 2005.01, vol.49, no.2, p.1-30. http://hdl.handle.net/10461/19948 (資料13)
- キーワード
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- アマビエ
- アマビコ
- 妖怪
- 予言獣
- 疫病
- 流行病
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000276648