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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000272692
提供館
(Library)
千葉県立西部図書館 (2120003)管理番号
(Control number)
千県西-2019-0008
事例作成日
(Creation date)
2019年08月02日登録日時
(Registration date)
2020年01月17日 16時19分更新日時
(Last update)
2020年01月17日 16時20分
質問
(Question)
松戸にあった陸軍予備士官学校について調べたい。
知人から預かった、御本人の当時の肖像写真に、「松戸陸軍予備士官学校 甲種幹部候補生」と墨書してあった。この学校について書かれたものはないか。
回答
(Answer)
回答プロセス(1)のとおり、「予備士官学校」という名称ではみつからなかったが、松戸市にあった戦争関連施設が該当していそうだということになったため、(2)「陸軍工兵学校」や(3)「航空機乗員養成所」について調査した。

工兵学校でも予備士官学校と同等の教育をしていたとの記述が(1)の【資料1】『日本陸海軍事典』(原剛編 新人物往来社 1997)にあったため、(2)「陸軍工兵学校」の【資料2】から【資料5】を中心に回答とした
回答プロセス
(Answering process)
千葉県立図書館OPAC(蔵書検索システム)、松戸市立図書館OPAC、千葉県内図書館横断検索、NDLサーチ、リサーチナビ(目次データベース、近代日本軍事関係文献目録)、CiNii Articles、CiNii Booksなどを検索した。

また、レファレンス協同データベースの事例や、千葉県立中央図書館が作成したパスファインダー、「千葉県の「戦争遺跡」を調べる」も参考にした。
http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000029907
http://e-library.gprime.jp/lib_pref_chiba/da/detail?tilcod=0000000020-CHB1681998

(1)陸軍予備士官学校について
以下の資料からは、松戸市(松戸町)に存在していたことが確認できなかった。

『日本陸海軍総合事典』(秦郁彦編 東京大学出版会 2005)
p337 予備士官学校の項目に松戸の記載なし。

『帝国陸海軍事典』(大浜徹也編 同成社 1984)
p59-60 教育機関の組織図と所在地名あり。予備士官学校は松戸にはない。

【資料1】『日本陸海軍事典』(原剛編 新人物往来社 1997)
p175-176「陸軍予備士官学校」
「(前略)工兵・通信・習志野・自動車学校など各実施学校は校内に幹部候補生隊を編制し、予備士官学校と同様の教育を実施した。」との記述あり。

『国防大事典』(桜井忠温編 国書刊行会 1978)

『国家総動員史 上巻』(石川準吉著 国家総動員史刊行会 1983)補巻も確認。
p1778- 各学校の編制表あり。

『千葉県の戦争遺跡をあるく 戦跡ガイド&マップ』(千葉県歴史教育者協議会編 国書刊行会 2004)
p61-76「松戸コース「陸軍工兵学校」と「帝都防衛の戦跡」を下総台地の西部に見る」
「「下士官候補者及び甲種幹部候補生教育」などを目的とした兵科学校を急いで創設した(後略)」、との記述あり。

『TOKYO軍事遺跡』(飯田則夫著 交通新聞社 2005)
p138-141「千葉エリア No.24 陸軍工兵学校」

『房総発見100』(産経新聞社千葉総局編著 崙書房出版 1998)
p76-77「軍都松戸の象徴 陸軍工兵学校」

なお、次の情報も参考とした。
Wikipedia「幹部候補生 (日本軍)」の項目に、幹部候補生教育について記述があった。
3 甲種幹部候補生の教育施設
「歩兵科の派遣先は陸軍予備士官学校がもっとも一般的であるが、候補生の総数に対して学校の規模が十分でなく、改正陸軍補充令附則第5条にもとづいて陸軍歩兵学校、陸軍教導学校などの施設を利用して教育する場合があった。(中略)陸軍工兵学校などの校内に幹部候補生隊を編成して教育をした。」

また、Wikipedia「陸軍予備士官学校 (日本)」の項目にも、同様の記述があった。
1.3 陸軍予備士官学校に準ずる組織


(2)陸軍工兵学校について
松戸にあった陸軍関連施設として、工兵学校を調べた。
千葉県立図書館ホームページで公開している、千葉県関係のデータベース「菜の花ライブラリー」や松戸市立図書館OPACを検索したところ、雑誌『松戸史談』に掲載があった。

【資料2】に、「工兵学校は実施学校であるが、歩兵学校とは異なり補充学校を兼ねた一面を持っており、昭和13年1月から(甲種)幹部候補生教育を実施していた」ということが書かれていた。

【資料2】春山善良「陸軍工兵学校始末記」(『松戸史談』 第29号 1990)p1-13

質問者によると、この手記の記述が知人から聞いた話と合致するとのことなので、予備士官学校ではなく松戸工兵学校に関する資料を、上記(1)とあわせて次のとおり紹介した。

以下は千葉県立図書館に所蔵あり。
【資料3】『松戸市史 下巻 2大正昭和編』(松戸市誌編さん委員会編集 松戸市役所 1978)
p456-467「陸軍工兵学校の開設」

【資料4】『陸軍工兵学校』(工友会著 工友会事務局 1977)
学校史、各種記録、名簿、関係者の文集から成る。
「下士官候補者教育の経過」、「幹部候補生教育の経過」の章もあり。

【資料5】『陸軍工兵学校 続』(工友会著 工友会事務局 1985)

『松戸市の昭和 写真アルバム』(いき出版 2015)

『目で見る松戸の100年』(郷土出版社 2008)
p61、76-77 演習などの写真あり

『松戸の昭和史 子らに語りつぐふるさとの歴史』(安藤操[ほか]編 千秋社 1993)
p128-137「陸軍工兵学校」

『幻の本土決戦 第1巻 房総半島の防衛』(石橋正一著 千葉日報社 1989)
p69-74「陸軍工兵学校」
1 摂政宮殿下ご見学 2 架橋機材など開発 3 江戸川で架橋演習
下士官候補者教育と甲種幹部候補生教育を行っており、「豊橋、久留米などの予備士官学校に幹部候補生編成の幹部要員を転進させた時点で終戦を迎えた」との記述がある。

『松戸の歴史案内 改訂新版』(松下邦夫著 郷土史出版 1982)

『旧帝国陸軍編制便覧 第2巻』(大内那翁逸共編 大内那翁逸 1995)
第二部p10-11「教育(主として学校の創設・廃止・併合)変遷表」
第二部p117 学校長、教育部長、教官の名簿あり

また、松戸市立図書館の所蔵資料を紹介した(内容は未確認)。
『陸軍工兵学校職員表』(春山善良編 春山善良 1991)
『松工会回想録 松戸陸軍工兵学校幹部候補生隊第二期生』(〔松工会〕 1982)
『陸軍工兵学校よもやま話』(春山善良編 春山善良 1984)


(3)航空機乗員養成所について
さらに、松戸にあった戦争関連施設としては、「松戸中央航空機乗員養成所」がある。
(逓信省航空局所轄。18年4月以降、「中央」を「高等」と改称。『千葉県の戦争遺跡をあるく』では、逓信省松戸飛行場、陸軍「松戸基地」、などの名称もあり。)

インターネットサイトに次の記述があったので、念のためこのサイトも紹介した。
「入所資格は地方航養所卒業生、且つ、軍事訓練修了者とし、全寮制で普通科と高等科があった。前者は1年の課程であり陸軍予備士官学校と相当し、後者は2年の課程であり、陸軍士官学校に相当するととらえられていた。」

WEB版「航空と文化」(一般財団法人日本航空協会 )
http://www.aero.or.jp/web-koku-to-bunka/2009.03.10historyswkb-top.htm
徳田忠成「逓信省航空局 航空機乗員養成所物語」(11) 中央航空機乗員養成所の設立

また、以下の資料も確認し参考にした。
『印旛の空 長浜清・陸軍特別攻撃隊員の記録と印旛航空機乗員養成所五期生の回想』
(小林実[ほか]編 印養五期生回想集出版委員会 1997)
p44-54 中村正「印旛地方航空機乗員養成所」
(初出は『うすゐ 第12号』(臼井文化懇話会 1996)

「(前略)昭和十年代、逓信省航空局の新航空政策に基づき、民間航空の拡充と、陸海軍の予備航空要員確保のため、多数の航空機乗員を必要としたことから、全国に十五の逓信省所管の航空機乗員養成所があった(中略)。
千葉県には、松戸に松戸高等(中央)航空機乗員養成所があり、(後略)」
「当時、乗員養成所には陸軍系と海軍系があった。」

以下は千葉県立図書館に所蔵あり。
『21世紀へ伝える航空ストーリー 戦前戦後の飛行場・空港総ざらえ』
(戸田大八郎著 [戸田大八郎] [千葉] 1997)
p170「松戸中央航空機乗員養成所/松戸陸軍飛行場」
 所在地、任務、配属部隊、面積、開隊年月日などの記載あり

『日本民間航空通史』
(佐藤一一著 国書刊行会 2003)
p207-230「航空機乗員養成所 第八節 中央(高等)航空機乗員養成所」ほか

p217に、「中央航空機乗員養成所普通科は陸軍予備航空士官学校と同等、(後略)」との記述あり。
また、p224に本科生・操縦生の各期在籍一覧表、p225~に松戸の第1~5期生までの入所年・卒業年あり。

松戸市立図書館には、次の資料があったのでこれも紹介した。
『赤とんぼ 旧逓信省航空機乗員養成所 本科第二期生会記念誌』
(旧逓信省改空機乗員養成所本科第二期生会 1980)

『松戸高等航空機乗員養成所 卒業生・職員 総会記念誌』
(杉山均編 松戸航養会 1998)


(4)その他
・確認済み資料
『千葉県の歴史 通史編近現代2 県史シリーズ 7』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 2006)p116

・未確認資料
国会図書館所蔵資料
『日本陸軍工兵史』(吉原矩著 九段社 1958)

荒山彰久「新・航空史発掘(9)松戸飛行場(1)中央(松戸高等)航空機乗員養成所」
(『航空情報 = Aireview』 65巻3号通巻858号)p92-95

(インターネット最終アクセス:2019年9月15日)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
陸軍  (396 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『日本陸海軍事典』(原剛編 新人物往来社 1997)(1101551089)
【資料2】春山善良「陸軍工兵学校始末記」(『松戸史談』 第29号 平成2年)p1-13 (1501490707)
【資料3】『松戸市史 下巻 2大正昭和編』(松戸市誌編さん委員会編集 松戸市役所 1978)(1102088925)
【資料4】『陸軍工兵学校』(工友会著 工友会事務局 1977)(9200295221)
【資料5】『陸軍工兵学校 続』(工友会著 工友会事務局 1985)(9200295230)
「菜の花ライブラリー」( http://www.library.pref.chiba.lg.jp/nanohana/index.html
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陸軍
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郷土
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