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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000272688
提供館
(Library)
千葉県立西部図書館 (2120003)管理番号
(Control number)
千県西-2019-0007
事例作成日
(Creation date)
2019年05月10日登録日時
(Registration date)
2020年01月17日 16時11分更新日時
(Last update)
2020年01月17日 16時13分
質問
(Question)
葬儀の際に茶碗にご飯をよそって中央に箸を立ててそなえる「一杯飯」(一膳飯とも言う)や、旅行や他界により不在の者のためにそなえる「陰膳」について調べている。事典レベルの情報量ではなく、ある程度まとまったもの、研究論文などが読みたい。
回答
(Answer)
次のとおり、【資料1】から【資料13】を紹介する。
(1)枕飯について
辞典を確認したところ、「一杯飯」や「一膳飯」は、「枕飯」という名称が一般的であることがわかったため、「枕飯」について以下のとおり調査した。

【資料1】『葬と供養』(五来重著 東方出版 1992)
p880-987「霊供」
p739-754「民俗の臨終儀礼」 枕飯と枕団子ほか

【資料2】『五来重著作集 第12巻 葬と供養(下)』(五来重著 法藏館 2009)
上記【資料1】を底本に再編集したもの。

【資料3】『お葬式 死と慰霊の日本史』(新谷尚紀著 吉川弘文館 2009)
p54-75「枕飯と引っ張り餅」ほか
p63-64「三種類の米」
「さて、このように、日本の葬式ではお米や餅がたいへん重要な役割を持っています。そして、葬儀に際してのお米には、三種類があります。一つはいまみたようなアトミラズや枕飯など死者のための米、もう一つは死者と生者との食い別れの米です。出立ちの飯とか、引っ張り餅などです。四十九餅も(中略)。そして、もう一つが生きている人のための米で、香典がそれです。」

同じ内容が、同著者の次の資料で詳しく述べられている。
【資料4】『日本人の葬儀』(新谷尚紀著 紀伊国屋書店 1992)
p32-62「米の霊力」

【資料5】『定本柳田国男集 第14巻』(筑摩書房 1988)
p240-258「食物と心臓 米の力」
p259-274「生と死と食物」
(「生と死と食物」は『葬送墓制研究集成2 葬送儀礼』(名著出版 1986)にも所収。)

【資料6】井阪康二「枕飯考」(『御影史学論集』 2号 御影史学研究会 1974.6)p1‐17
国立国会図書館デジタルコレクション(図書館送信資料 永続的識別子info:ndljp/pid/7930533)

【資料7】田中宣一「枕飯と枕団子:葬送儀礼における雑神への施食」(『日本常民文化紀要』 成城大学 20輯 1999.3)p1-23
成城大学リポジトリ( http://id.nii.ac.jp/1109/00000449/

【資料8】林承緯「脚尾飯と枕飯:台日葬具の比較民俗研究の試み(特集 葬送という文化)」(『中国21』 愛知大学現代中国学会 Vol.41 2014.8)p133-149
愛知大学リポジトリ( http://id.nii.ac.jp/1082/00007308/


(2)陰膳について
【資料9】『桜井徳太郎著作集4 民間信仰の研究』(桜井徳太郎著 吉川弘文館 1990)
p113-137「陰膳習俗源流考」
「民間信仰成立の基盤 陰膳習俗の源流」(『日本歴史』 日本歴史学会 182号 1963.7)及び『民間信仰 塙選書56』(桜井徳太郎著 塙書房 1980)も、ほぼ同内容。

【資料5】『定本柳田国男集 第14巻』(筑摩書房 1988)
p445-449「影膳の話」

【資料10】大越公平「加計呂麻島芝(奄美)におけるカゲゼン習俗とカミオガミの行事 家族組織研究の一視点」(『南島史学』 南島史学会 14号 1979.9)p54-76
国立国会図書館デジタルコレクション(図書館送信資料 永続的識別子info:ndljp/pid/4419224)

【資料11】佐々木陽子「「お供え」と「蔭膳」:不在者との共食」(『現代民俗学研究』 現代民俗学会 4号 2012)p25-38
つくばリポジトリ(筑波大学)( http://hdl.handle.net/2241/00143576

【資料12】佐々木陽子「ジェンダーを潜めた習俗「墓参り」「お供え」「蔭膳」:鹿児島県枕崎市を中心に」(『地域総合研究』 地域総合研究所 40巻2号 2013.2)p39-53
鹿児島国際大学リポジトリ( http://id.nii.ac.jp/1654/00000570/

【資料13】関敬吾「蔭膳のこと」(『民間伝承』 6巻7号 秋田書店 1941.4)p73
国立国会図書館デジタルコレクション(館内限定資料 永続的識別子info:ndljp/pid/2264301)
 復刻版 『民間伝承 第2巻(第4巻1号~第7巻6号)』(民間伝承の会編 国書刊行会 1985)p371
回答プロセス
(Answering process)
(1)まず、民俗学の事典で基本事項を確認する。
「一杯飯」、「一膳飯」ではほとんどみつからないため、ジャパンナレッジLib(オンラインデータベース)を検索したところ、『大辞泉』、『日本国語大辞典』では「枕飯」という用語も紹介されていた。
(なお、後述の「枕飯と枕団子」(田中宣一)という論文では、「枕飯・枕団子は研究上の術語としても定着している」と書かれている。また、『日本民俗大辞典』索引では一杯飯から枕飯へ参照指示があった。)

そこで、「枕飯」も追加して以下の辞典をひき直し、内容と参考文献を確認した。
『日本民俗語大辞典』(石上堅著 桜楓社 1983)
『民俗学辞典』(柳田國男監修 東京堂出版 1951)
『日本民俗事典』(大塚民俗学会編 弘文堂 1978)
『日本民俗大辞典』(福田アジオ[ほか]編 吉川弘文館 1999)
『民俗小事典死と葬送』(新谷尚紀編 吉川弘文館 2005)
(なお、「蔭膳」は『国史大辞典』にもあり。)

千葉県立図書館OPAC(蔵書検索システム)、NDLサーチ、リサーチナビ(目次データベース等)、CiNii Articles、CiNii Booksなどを以下の検索語で検索するとともに、民俗学の書架をブラウジングし関係のありそうな図書について内容を確認した(千葉県立図書館の所蔵分のみ)。

検索語:
かげぜん(陰膳、影膳、蔭膳)、枕飯、一杯飯、一膳飯、米、葬式、葬制、葬送、供養、生と死、民間信仰、風習、民俗、習俗、まじない、祈り

以上から、【資料1】から【資料13】を見つけた。

(2)以下は枕飯等について触れられていた資料である。必要に応じて紹介する。
『葬送儀礼の民俗 民俗民芸双書 62』(佐藤米司著 岩崎美術社 1981)
Ⅱ 各地の事例
p114-115「枕飯・ホウロクメシ」
p175-176、p194-195 枕飯の事例紹介あり。

『日本民俗地図7 葬制・墓制』(文化庁編集 国土地理協会 1980)
 枕飯・枕だんごの分布図と解説あり。

『日本民俗調査報告書集成[12] 関東の民俗 千葉県編』(大島暁雄[ほか]編著 三一書房 1994)
 県内の事例が紹介されている。
なお、日本各地の事例については、各市町村史の民俗編などにもよく掲載されている。

『関東の葬送・墓制』(池田秀夫[ほか]著 明玄書房 1979)
 各県ごとに、枕団子・枕飯や赤飯などの事例が紹介されている。

『図説葬儀』(松本慈恵著 国書刊行会 2001)
p78-80「枕団子」、「枕飯」

『東アジア葬・墓制の研究』(斎藤忠著 第一書房 1987)
p408-409「供膳」


(3)千葉県立図書館に所蔵なし(内容未確認)。
『死・葬送・墓制資料集成 東日本編 国立歴史民俗博物館資料調査報告書 9』
(国立歴史民俗博物館 1999)1、2巻
井阪康二「葬式と食物」(『岡山民俗文化論集』 岡山民俗学会 1981)
関沢まゆみ「行き場を失った枕飯 (特集 死の現在)」(『現代宗教』 秋山書店 国際宗教研究所編 2004)p178-197
古川のり子「日本神話と葬式の民俗 泣き女・枕飯 (〈スピリチュアル〉をめぐって)」(『死生学年報』 リトン 東洋英和女学院大学死生学研究所編 2008)p207-228
福岡サヨ「祈りの「陰膳」」(『女性と経験』 35号 女性民俗学研究会 2010.10)p125-128
加藤良治「かげ膳考」(『西郊民俗』 西郊民俗談話会 177号 2001.12)p7-11
小林美恵子「『香に匂ふ』「かげ膳」を据えたがる〈女たち〉」(『国文目白』 43号 2004.2)p85-96

(インターネット最終アクセス:2019年9月10日)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
通過儀礼.冠婚葬祭  (385 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『葬と供養』(五来重著 東方出版 1992)(1101041236)
【資料2】『五来重著作集 第12巻 葬と供養(下)』(五来重著 法藏館 2009)(0106167103)
【資料3】『お葬式 死と慰霊の日本史』(新谷尚紀著 吉川弘文館 2009)(2102217630)
【資料4】『日本人の葬儀』(新谷尚紀著 紀伊国屋書店 1992)(1101086864)
【資料5】『定本柳田国男集 第14巻』(筑摩書房 1988)(1100734324)
【資料6】井阪康二「枕飯考」(『御影史学論集』 2号 御影史学研究会 1974.6)
【資料7】田中宣一「枕飯と枕団子:葬送儀礼における雑神への施食」(『日本常民文化紀要』 成城大学 20輯 1999.3)
【資料8】林承緯「脚尾飯と枕飯:台日葬具の比較民俗研究の試み(特集 葬送という文化)」(『中国21』 愛知大学現代中国学会 Vol.41 2014.8)
【資料9】『桜井徳太郎著作集4 民間信仰の研究』(桜井徳太郎著 吉川弘文館 1990)(1100826758)
【資料10】大越公平「加計呂麻島芝(奄美)におけるカゲゼン習俗とカミオガミの行事 家族組織研究の一視点」(『南島史学』 南島史学会 14号 1979.9)
【資料11】佐々木陽子「「お供え」と「蔭膳」:不在者との共食」(『現代民俗学研究』 現代民俗学会 4号 2012)
【資料12】佐々木陽子「ジェンダーを潜めた習俗「墓参り」「お供え」「蔭膳」:鹿児島県枕崎市を中心に」(『地域総合研究』 地域総合研究所 40巻2号 2013.2)
【資料13】関敬吾「蔭膳のこと」(『民間伝承』6巻7号 秋田書店 1941.4)p73
復刻版 『民間伝承 第2巻(第4巻1号~第7巻6号)』(民間伝承の会編 国書刊行会 1985)(9103897892)
キーワード
(Keywords)
葬送儀礼
民間信仰
枕飯
陰膳
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000272688解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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