レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 岡山県立図書館 (2110029) | 管理番号 (Control number) | M19080718008007 | ||||
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事例作成日 (Creation date) | 2019/8/7 | 登録日時 (Registration date) | 2019年12月15日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2023年12月01日 00時31分 | ||
質問 (Question) | 「お慶びもひとしおのことと拝察申し上げます」という場合の「ひとしお」はどういう意味か、どういう漢字を書くのか。また、明治以前の古い用例が存在するかも知りたい。 | ||||||
回答 (Answer) | まず、館内の辞書・事典類を確認したところ、以下の記載があった。 ①に ひとしお[・・しほ]【一入】名▼「しお」は接尾語。染物を染汁に一回入れて浸すこと。転じて、副詞的にも用いて、ひときわ。いっそう。 [語源説]ヒトシム(一染)の義〈言元梯〉。 [参考]①「しお」は染色などの時に液にひたす回数を表す接尾語。現代ではもっぱら副詞として用いられるが、古くは、「一入」「再入」などといい、何回も色濃く染め上げたことを「八入」「百入」「千入」「八千入」などと用いた。②「しお」の語源については、「汐合の意〈略〉或は、?る意にて、酒を造り、色を染むる汁の義かといふ」(「大言海」)とする説がある。 との記載があり、用例として古今集が挙げられている。 ②に ヒトシオ?一入?ひときわ。いっそう。もとは、染物を染汁に一回入れて浸すこと。シオは接尾語か。 との記載がある。 ③に ひとしお【一塩】魚・野菜などに、さっと薄く塩をふりかけること。そうしてあること。「―の鮭(さけ)」 ひとしお【一入】?副[に]・ノダ?ひときわ。一層。「寂しさ―(に)身にしみる」「喜びも―だ」 という記載がある。 また、しお【入】染物で、布を染め汁にひたす度数を表す語。「ふた―」 という記載がある。 ④に ひとしお【一入】?名?(『しお』は接尾語) ①染物を染汁に一回入れて浸すこと。 との記載があり、用例として『宇津保物語』『太平記』が挙げられている。 ②(副詞的にも用いる)ひときわ。いっそう。 との記載があり、用例として『古今集』、虎明本狂言・財宝などが挙げられている。 ひとしお【一汐】?名?網を一回水中に入れてひたすこと。 との記載があり、用例として歌舞伎・鏡山錦?葉(加賀騒動)が挙げられている。 ひとしお【一塩】?名?魚、野菜などに軽く塩をふること。また、そのもの。 との記載があり、用例として狂歌・卜養狂歌集、俳諧・続猿蓑が挙げられている。 次に、館内検索システムの「全項目」で「ひとしお」を検索すると、⑤がヒットした。 ⑤に 「ひとしお」は「一」と「しお」から成る数え方。調べてみると、これは飛鳥時代から日本に伝わる、布を藍で染める工程に由来しているのだそうです。「しお(しほ)」は漢字で「入」と書き、染料に木綿布や麻布を浸し入れる回数を表します。つまり、愛の染料に布を一回くぐらせることを「一入」と言ったのです。染料に入れられた布を空気に触れさせると、色がだんだん緑色から青色になっていきます。この作業を「二入」「三入」と何度も繰り返していくうちに、やがて布は深く美しい藍色へと染め上げられていきます。昔の人は、人が喜びや感慨に浸ることを、藍色の美しさがより深くなっていく様子になぞらえたのでしょう。 との記載がある。 | ||||||
回答プロセス (Answering process) | |||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||
備考 (Notes) | M2019080718033808007 | ||||||
調査種別 (Type of search) | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 全年齢, 高校生, 中学生 | ||||
登録番号 (Registration number) | 1000270324 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) |