レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20180512
- 登録日時
- 2019/12/07 12:39
- 更新日時
- 2021/04/11 10:15
- 管理番号
- M1209221236399
- 質問
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解決
陸游(りくゆう)の詩「梅花絶句」が見たい。また、その書き下しを探している。
- 回答
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南宋の詩人、陸游の「梅花絶句」の最後の七言の一部分が「梅花」となっているものと、「梅前」となっている資料の二通りがある。
どちらが正しいのか調べたいとのこと。
当館所蔵の『漢詩を読む4 陸游から魯迅へ』には、「梅前」となっている詩が記載されていた。
国会図書館のデジタル資料で確認したところ、
『漢詩大講座 第7巻』(アトリエ社,昭11)p59・・・・梅花
『新訳杜甫詩選 第3』(土岐善麿∥著,春秋社,1959)p124・・・・梅花
『陸放翁詩集 6』(青木嵩山堂出版,明42.4)p不明,7コマ目・・・・梅前
とあり、どちらかは分からず。
リサーチナビの「調べ方案内/漢詩の出典」から、中国のデータベース「诗词鉴赏(金陵图书馆)」で調べる。
そこでは「梅前」となっていた。
『漢詩を読む4』の書き下しがいいとのことなので、そちらを貸出して、レファレンス終了。
なぜ二通りの詩があるのかは不明。
≪追加情報≫
レファレンス協同データベース事業サポーターより情報提供(2021.4.10)
陸游の梅花絶句について
三野 豊浩
言語と文化 (18), 210-195, 2008-01
http://id.nii.ac.jp/1082/00000212/
p.9 (202)
梅花絶句 其三
聞道梅花坼暁風
雪堆遍満四山中
何方可化身千億
一樹梅前一放翁
書き下し文、訳もありました。
p.10 (201)
ところで、『校注』『宋詩鈔』いずれも「一樹梅前」の「前」の下に
小さく「一作花〔一に花に作る〕」と記している。
「前」も「花」も平字であるから平仄的にはどちらでも構わないが、
常識的に考えるならば「梅花」の重複を避ける意味で「梅前」の方が
好ましいであろう。ただし『宋詩精華録』は、「梅花」としている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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お持ちの詩吟テキストが何冊かあり、なぜか詩が違っていたので気になったとのこと。
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921)
- 参考資料
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宇野直人, 江原正士 著 , 宇野, 直人, 1954- , 江原, 正士. 漢詩を読む 4 (陸游から魯迅へ). 平凡社, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023338436-00 , ISBN 9784582835540 - 漢詩大講座 第7巻.アトリエ社.1938
- 新訳杜甫詩選 第3.土岐善麿/著.春秋社.1959
- 陸放翁詩集 6.青木嵩山堂出版.明治42
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宇野直人, 江原正士 著 , 宇野, 直人, 1954- , 江原, 正士. 漢詩を読む 4 (陸游から魯迅へ). 平凡社, 2012.
- キーワード
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- 陸游
- 梅花絶句
- 漢詩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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データベース:诗词鉴赏(金陵图书馆)
http://www1.jllib.cn/c/scjs/
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000269963