レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年10月02日
- 登録日時
- 2018/10/16 09:17
- 更新日時
- 2021/10/22 11:21
- 管理番号
- 中野1059
- 質問
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解決
亀の旧字体「龜」は、どうしてこんなに難しいのか。
- 回答
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【資料1】『漢語林』(R813.2/カ)
p.1172 解字の甲骨文の形が旧字の龜に似ている。
【資料2】『面白いほどよくわかる漢字』山口謡司/著,日本文芸社,2010(821.2/ヤ)
p.46 「第一章 八 秦の始皇帝による文字の統一」
p.80 「第三章 六 形を似せて描いた文字『象形』」
文字の起こり、亀の象形文字。
p.192 「第七章 九 当用漢字制定まで」
【資料3】『漢字の成立ち辞典』加納喜光/著,東京堂出版,1998(R821.2/カ)
p.133 「亀」
[字形]カメを描いた図形(象形文字)
【資料4】『甲骨文字小字典』落合淳思/著,筑摩選書,2011(R821.2/オ)
p.158 「亀は動物の亀の象形。上部に頭、左側に足があり、右側が甲羅の形を表している。旧字体は甲骨文字の形をよく残しており、左側の二対の足や右側の甲羅の原型を留めている。しかし、新字体では省略形を採用したため、元の形が失われてしまった。」
【資料5】『漢字物語』セシリア・リンドクイスト/著,木耳社,2010(821.2/リ)
p.87 「深い亀裂の入った巨大な甲羅と、そこから突き出た細い頸の先には頭がつき、爪先は広がっています。甲骨文で亀(陸がめ、海がめ)を表す文字です。(中略)1958年の文字改変におよび、現実の姿とはかけ離れた姿の簡体字になりました。」
漢字が簡略化されていった経緯については、以下の資料が参考になります。
【資料6】『漢字は日本語である』小駒勝美/著,新潮社,2008(811.2/コ)
p.129 昭和二十四年四月、文部省が「当用漢字字体表」を制定したため。
【資料7】『国語審議会』安田敏朗/著,講談社,2007(810.9/ヤ)
【資料8】三省堂 辞書ウェブ編集部によることばの壺 コラム 人名用漢字の新字旧字 「第136回 『亀』と『龜』」 安岡孝一/著
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/%E7%AC%AC136%E5%9B%9E-%E3%80%8C%E4%BA%80%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E9%BE%9C%E3%80%8D
「昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されていました。標準漢字表の龜部には『亀』が含まれていて、その直後に、カッコ書きで『龜』が添えられていました。『亀(龜)』となっていたわけです。簡易字体の『亀』は、旧字の『龜』に代えて一般に使用すべき漢字ということになっていました。」
【資料9】標準漢字表(国語審議会)
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/hosoku/pdf/11_big_05.pdf
これによると、「亀」は常用漢字(国民の日常生活に関係が深く一般の使用度が高い1134字)で、簡易字体として一般に使用せらるべき簡易字体として78字に選ばれていた。
[最終アクセス:2021年2月21日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (811)
- 参考資料
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【資料1】鎌田 正 著 , 米山 寅太郎 著 , 鎌田‖正 , 米山‖寅太郎. 漢語林. 大修館書店, 1987.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I046275044-00 -
【資料2】山口謡司 編著 , やまぐち, ヨウジ, 1963-. 面白いほどよくわかる漢字 : 漢字のルーツから由来・成り立ちまで一括総集. 日本文芸社, 2010. (学校で教えない教科書)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010701869-00 -
【資料3】加納喜光 著 , 加納, 喜光, 1940-. 漢字の成立ち辞典. 東京堂出版, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002701219-00 , ISBN 4490104871 -
【資料4】落合淳思著 , 落合, 淳思. 甲骨文字小字典. 筑摩書房, 2011. (筑摩選書, 0013)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I002462169-00 -
【資料5】セシリア・リンドクィスト 著 , 遠山由美 訳 , Lindqvist, Cecilia , 遠山, 由美, 1964-. 漢字物語. 木耳社, 2010.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010831759-00 -
【資料6】小駒勝美 著 , 小駒, 勝美. 漢字は日本語である. 新潮社, 2008. (新潮新書)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009307475-00 -
【資料7】安田敏朗 著 , 安田, 敏朗, 1968-. 国語審議会 : 迷走の60年. 講談社, 2007. (講談社現代新書)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009179050-00 , ISBN 9784062879163
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【資料1】鎌田 正 著 , 米山 寅太郎 著 , 鎌田‖正 , 米山‖寅太郎. 漢語林. 大修館書店, 1987.
- キーワード
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- 亀
- 漢字
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000243938