レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年04月27日
- 登録日時
- 2018/05/15 09:38
- 更新日時
- 2018/08/02 16:29
- 管理番号
- 埼熊-2018-004
- 質問
-
解決
釈尊の死後、56億7千万年後に弥勒菩薩が衆生を救済するという話の出典が知りたい。
- 回答
-
下記の資料を紹介した。
『新国訳大蔵経 浄土部 3 阿〔シュク〕仏国経』(大蔵出版 2007)
p17「弥勒三部経」
「大乗諸経典によれば、弥勒菩薩は釈尊に次いで成仏することが約束されている補処の菩薩であり、現在は兜率天に在って諸天人に法を説いているとされ、やがて五十六億七千万年の後に、地上に降り来り、成仏し、釈尊の後を継いで人々に法を施すとされる。(中略)弥勒は大乗における大菩薩として位置づけられる以前から、将来仏として阿含経典などに登場している。」
p26『観弥勒菩薩上生兜率天経』の項。概要として「弥勒がこの世で入滅し、兜率天に生まれるときの様子が説かれる。(中略)閻浮提の年月にして五十六億万年後に閻浮提に下生する。『弥勒下生経』に説く通りである。」とある。
『岩波仏教辞典』(中村元[ほか]編 岩波書店 1989)
p774-775「弥勒経」の項。弥勒下生経の説明として「兜率天より弥勒菩薩が、(中略)この世に56億7千万年後に下生して、釈迦遺法の弟子を救済すると説く」と記述あり。
《J-STAGE》「弥勒仏信仰と仏像 韓国古代弥勒信仰を中心に」(金永晃著 大正大学綜合仏教研究所 2009)
p15-16「釈迦牟尼仏の後をついで人間界の衆生を救済する仏が弥勒仏と約束されているならばその出現する時期はいつだろうか、これに対して経典ごとに異なる主張をしている。
①五十六億六百万年説(『雑心論』)
②五十六億七千万年説(『菩薩処胎経賢愚経』)
③五十六億一万歳説(『弥勒上生経』、『一切智光明仙人経』)
④五十六億七十六万歳説(『定意経』)
⑤人寿八万歳説(『増一阿含経』、『賢劫経』、『賢愚経』)
⑥人寿八四千歳説(『長阿含経』、『転輪聖王修行経』、『中阿含転輪王経』、『具舎論』)」
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/bukkyobunka1992/2008/16/2008_16_l1/_pdf/-char/en 科学技術振興機構)
- 回答プロセス
-
1 〈弥勒菩薩〉〈弥勒信仰〉の語彙を辞典・宗教事典等で検索する。
『総合仏教大辞典 下 す~わ』(法蔵館 1987)
p1387-1788「みろくぼさつ 弥勒菩薩」
「観弥勒菩薩上生兜率天経・弥勒下生経・弥勒大成仏経を総称して弥勒三部経、また下生経の三本と大成仏経・弥勒来時経・上成経をあわせて弥勒六部経という。」
p1387「みろくげしょうきょう 弥勒下生経」
「②一巻。詳しくは弥勒下生成仏経という。弥勒成仏経、弥勒受決経などともいう。後秦の鳩摩羅什の訳。舎利弗の問いに対して未来仏弥勒の出世。成道・説法およびその国土のありさまを説く。〔大正新修大蔵経第14巻経集部〕」
『岩波仏教辞典』(回答資料)
2 自館目録を〈弥勒菩薩〉〈弥勒下生経〉で検索する。
『新国訳大蔵経 浄土部 3 阿〔シュク〕仏国経』(回答資料)
3 《J-STAGE》 ( https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/ 科学技術振興機構)を〈弥勒信仰〉で検索する。
「弥勒仏信仰と仏像 韓国古代弥勒信仰を中心に」(金永晃著 大正大学綜合仏教研究所 2009)(回答資料)
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2017年4月27日。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 経典 (183 9版)
- 参考資料
-
- 『新国訳大蔵経 浄土部 3 阿〔シュク〕仏国経』(大蔵出版 2007) , ISBN 978-4-8043-8040-7
- 『岩波仏教辞典』(中村元[ほか]編 岩波書店 1989) , ISBN 4-00-080072-8
- キーワード
-
- 弥勒
- 仏教哲学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000235632