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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
桐朋学園大学附属図書館 (3310008)管理番号
(Control number)
R00-243
事例作成日
(Creation date)
20200714登録日時
(Registration date)
2017年03月01日 15時53分更新日時
(Last update)
2021年05月06日 12時14分
質問
(Question)
西洋音楽が日本に入ってきて、唱法に「ひふみ」が使われた経緯が知りたい。
回答
(Answer)
1878(明治11)年4月8日に、後に音楽取調掛の設置に尽力した伊澤修二が目賀田種太郎と連名で提出した「唱歌法取調書」に添付された「唱歌法凡例」に「ヒーフーミー」について説明されていることが資料からわかった。
経緯については、伊澤修二、学校唱歌、音楽教育、明治時代の洋楽などの観点から、様々な資料を所蔵している。
回答プロセス
(Answering process)
1.音楽辞典・事典で確認したが、「ヒフミ唱法」の項目なし。

2.CiNiiを検索。「ヒフミ唱法」と入力し、下記2点の論文を確認した。
・『戦前の唱歌教育における唱法教授の変遷(1)明治10年代の小学校教師用書を中心に』
 「小学校での唱歌教育の導入と音楽取調掛の設置(1879[明治12]年)に尽力した伊澤修二(1851-1917)は、それらの事業に着手すべく「上申書」を、1878(明治11)年4月8日に目賀田種太郎と連名で文部大輔田中不二麿に提出した後、同年6月にアメリカから招聘した音楽教師メーソン(Luther Whiting Mason 1828-1897)と作成した「唱歌掛図」(黒板に掛けて使用する教材で、ボストンの初等学校で使用していたであろうメーソンの著作による "National Music Charts" をもとに作成された)を「唱歌法取調書」とともに提出した。この「唱歌法取調書」に添付された四点の「唱歌法凡例」のうち、次の二項目には興味深い内容が記されている。」として、次に凡例一が転記されている。
 「一、一二三四五六七八ハ「スケール」ノ名ニシテ、ヒー、フー、ミー、ヨー、イー、ムー、ナー、ヤー、ト読むベシ。コハ謡フニ其調ヨキガ為ナリ。」
 それについて、論文者は「一二三四・・・の数字は「音階」の名前で、順に一(ヒー)、二(フー)、三(ミー)・・・と読むこと(=ヒフミ唱法)を、・・・」と説明されている。そして、「無論、ここには具体的な唱法名は現れていないが、日本における「階名唱」と「音名唱」の起源は、おそらくこの伊澤の示した「歌唱法凡例」にあったと考えて間違いないだろう。」と記述している。

・『唱法再考:固定ド存置、および移動ド代替案としてのヒフミ唱法復活の提案』
 「歴史的視点(古田の研究より)」の見出しに、年代別に唱法の歴史における変遷が述べられている。参考文献の『わが国の音楽教育における読譜と歴史的な変遷について[Ⅰ]<固定ド>と<移動ド>の音感と唱法の問題を根底に』に述べられていることがわかった。

3.『わが国の音楽教育における読譜と歴史的な変遷について[Ⅰ]<固定ド>と<移動ド>の音感と唱法の問題を根底に』をCiNiiで検索し、論文を確認した。
 「唱歌教育における読譜と唱法について(1)明治時代」の見出しの元に、「ヒフミ唱法」についての経緯が書かれており、それによれば伊沢修二の「唱歌法凡例」が、わが国の学校音楽教育の「読譜」における「唱法」を「階名(ヒー、フー、ミー、ヨー、イー、ムー、ナー、ヤー)」による「階名唱法」と決定付けた最初のものであったと述べている。 


4.2および3で言及されている、「唱歌法取調書」、「唱歌法凡例」、「唱歌掛図」について、あるいはそれに至る経緯とその後の経過に関しては、多くの資料がある。
  所蔵している資料をOPACで検索。
 ・OPACのキーワード 「伊澤修二」で検索。『毫モ異ナル所ナシ : 伊澤修二の音律論』、『国家と音楽 : 伊澤修二がめざした日本近代』などがあり、いずれも参考文献が充実している。
 ・OPACの分類「767.7 学校唱歌. 童謡」で検索。『唱歌教育成立過程の研究 / 山住正己』。
 ・OPACの分類「760.70 研究法. 指導法. 音楽教育. コンクール. 留学ガイド. 音楽大学等」で検索。『近代音楽教育論成立史研究 / 河口道朗著』、『 西洋音楽の導入 / 田甫桂三編著』など。
 ・OAPCの分類「762.1 日本(伝統邦楽を除く)」で検索して「明治」で絞り込み。『近代日本洋楽史序説 / 中村洪介』など。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
音楽史.各国の音楽  (762 9版)
参考資料
(Reference materials)
"戦前の唱歌教育における唱法教授の変遷(1)明治10年代の小学校教師用書を中心に". 大地宏子. 現代教育学部紀要. 2017, 9, p.23-34.
"唱法再考:固定ド存置、および移動ド代替案としてのヒフミ唱法復活の提案". 大西潤一. 音楽文化教育学研究紀要. 2015, 27, p.1-8.
"わが国の音楽教育における読譜と歴史的な変遷について[Ⅰ]<固定ド>と<移動ド>の音感と唱法の問題を根底に". 古田庄平. 長崎大学教育学部教科教育学研究報告. 1987, 10, p.33-47.
毫モ異ナル所ナシ: 伊澤修二の音律論. 吉田孝. 関西学院大学出版会, 2011. (WR92-771)
国家と音楽: 伊澤修二がめざした日本近代. 奥中康人. 春秋社, 2008. (WR05-213)
唱歌教育成立過程の研究. 山住正己. 東京大学出版会, 1967. (WR07-006)
近代音楽教育論成立史研究. 河口道朗. 音楽之友社, 1996. (WR02-800)
西洋音楽の導入. 田甫桂三編著. 学文社, 1980, (近代日本音楽教育史, 1). (U00-362)
近代日本洋楽史序説. 中村洪介. 東京書籍, 2003. (WR04-186)
キーワード
(Keywords)
ヒフミ唱法
音楽取調掛
伊澤修二
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
学生
登録番号
(Registration number)
1000210908解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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