レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/5/1
- 登録日時
- 2016/07/30 00:30
- 更新日時
- 2024/03/29 00:32
- 提供館
- 金沢市図書館 (2310230)
- 管理番号
- 玉川-000388
- 質問
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解決
【白山曼荼羅について】 那谷寺の史料が掲載された本が見たい。『図説白山信仰』p.138-139に掲載されている那谷寺の白山曼荼羅図に書き込まれた詞書を翻刻した資料はないか。
- 回答
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那谷寺の史料を掲載したものに『新修小松市史 資料編9 寺社』(109111308)口絵5・6・7、p.9-21、『加南地方史研究 第58号』(109131300)p.51-56「(史料紹介)小松市 那谷寺文書について(一)」、『加南地方史研究 第60号』(109175539)p.60-65「(史料紹介)小松市 那谷寺文書について(二)」、『小松市立博物館研究紀要 第7号』(109229756)p.1-35「那谷寺記録管見」があるが、白山曼荼羅は掲載されていない。
白山曼荼羅に関する文献は以下のとおり。
『白山を中心とする文化財(石川県)』(11916627)p.62「辰口町の木津茂氏蔵の白山曼荼羅図」
『山岳まんだらの世界』(11093501)川口久雄/著 口絵「辰口本 白山参詣まんだら」、p.55-103「白山の神々と白山権現講式」、p.109-132「白山曼荼羅の諸本と布橋勧請」で辰口本等の白山曼荼羅を紹介する。「内閣文庫本 賀州白山之絵図」について、「白山草創縁起や白山の歴代の推移沿革など、はなはだ簡潔に要領よく詞書にしるす。いわば、白山神人たちが白山の講衆のために絵解きしたメモの記事を摘記したもの」と考察する。
『山岳宗教史研究叢書 10 白山・立山と北陸修験道』(129165191)「白山信仰と加賀馬場」山岸共/著p.55「現在能美郡辰口町木津家所蔵のマンダラ三幅」、これに似た内容の「国会図書館蔵の「賀州白山之絵図」」に言及する。
『石川県の文化財』(11929426)p.88-89「絹本著色白山曼荼羅図 江戸時代前期 辰口町」(図版)
『石川県立歴史博物館紀要 第2号』(11930832)p.167-175「白山垂迹曼荼羅に関する覚書」石田文一/著 白山曼荼羅は中世末から近世にかけての事例が確認されており、内容によって「参詣曼荼羅」と「垂迹曼荼羅」に大別できるとし、前者の事例として辰口町本が挙げられている。
『白山信仰』(118428187)下出積与/著p.132-133「県文・絹本着色白山曼陀羅図」
『白山 聖地へのまなざし』(119978556) p.76「絹本著色白山曼荼羅(能美市)」、「紙本白描白山曼荼羅(小松市 那谷寺)」(図版が小さいため詞書は判読できず)、「紙本淡彩加賀国白嶺之図」(金沢市立玉川図書館)
『白山比咩神社史 古代・中世篇』(118583916)p.364-366「白山垂迹曼荼羅」、p.366-368「白山参詣曼荼羅」いずれも中世に限定して記述してある。
以上の文献から、白山曼荼羅には「参詣曼荼羅」と「垂迹曼荼羅」の2系統があり、『図説白山信仰』(113078460)で那谷寺本との関連が指摘されている辰口町本(現能美市所蔵)は前者の事例とされていること、辰口町本とよく似た内容のものに内閣文庫本があり、これには詞書が掲載されていることがわかった。辰口町本は能美市ホームページで画像を閲覧できる。
【URL】http://www.city.nomi.ishikawa.jp/museum/bunkazai/kensitei/hakusannmandara.html
内閣文庫本は国立公文書館デジタルアーカイブで画像を閲覧できる。
【URL】https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/Detail_M1000000000000000607
これと『図説白山信仰』に掲載された那谷寺本とを照らし合わせると、詞書の配置の仕方は異なるが、書かれた文言は酷似していることがわかった。
なお、那谷寺のホームページによると、那谷寺所蔵の白山曼荼羅は現在金堂華王殿に安置されているとのこと。
【URL】http://www.natadera.com/meguru_keidai/sw_2.html
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000195441