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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
国立国会図書館(National Diet Library) (1110001)管理番号
(Control number)
D140617174053
事例作成日
(Creation date)
2014/6/28登録日時
(Registration date)
2014年11月20日 00時30分更新日時
(Last update)
2020年12月03日 14時06分
質問
(Question)
古活字本などで「小林蔵書」「金合文庫」の両蔵書印を見かけるが、「小林蔵書」の小林氏は誰で、「金合文庫」とは何か。この2者は関係あるのか。
回答
(Answer)
 「小林蔵書」や「金合文庫」について明らかにした文献は見当りませんでした。

 以下に調査過程をお示しします。

 両方のキーワードで蔵書印譜や落款事典(下記1・2)を一通り見ましたが、該当の記述は見当たりませんでした。
また、「金合」が号である場合を考え、前近代を含め、号から検索できる人名事典(下記3)を見ましたが、見当たりませんでした。『大漢和辞典』(諸橋轍次著)を参照しても「金合」という熟語は見当たらないので、やはり固有名であると思われます。
 
 そのほか、特別コレクションのディレクトリ、書物収集家名簿、売立目録の目録(下記4~6)も見ましたが、適合するものは見つかりませんでした。
 
 そこで探し方を変えて、「金合文庫」の印影がある図書(下記7)から来歴を調べるため、著作名から取引情報がわかるツール(下記8)を調査しましたが、これも明確にはわかりませんでした。

 参考までに申し添えますと、当館所蔵の『保暦間記(ほうりゃくかんき)』が昭和31年に売り出されたことが『弘文荘待賈古書目. 第27号』(下記9)から分かりました。ただし、この注記には印記が全部列挙されていないため、押印の時期を推定するには至りませんでした。

当館デジタルコレクションで『保暦間記』の受入れ印を見ると「15.11.21」とあるので、平成15年以前に「金合文庫」「小林蔵書」が押印されたことは 確実です。この本を当館で貴重書に指定する際、「金合文庫」「小林蔵書」についても調査しましたが、誰の蔵書印かは判明しませんでした。

また、当館所蔵の『長恨歌傳』は「高木家蔵」の蔵書印があり、この印は蔵書印データベース(下記10)や『一古書肆の思い出』(下記11)より「高木文庫旧蔵本」であることはほぼ確実です。『一古書肆の思い出』(下記11)に、この本の取引には「万字屋書店小林秀雄」なる人物が関わったとあり、「小林蔵書」 と苗字が一致します。そこで、万字屋書店の出版物(下記12)も見ましたが、編集兼発行人が「小林一夫」であることしかわかりませんでした。

1) 蔵書印譜
・渡辺守邦, 後藤憲二 編. 新編蔵書印譜. 青裳堂書店, 2001.1【UM57-G15】
・渡辺守邦, 島原泰雄 共編. 蔵書印提要. 青裳堂書店, 1985.3【UM57-17】
・中野三敏 編. 近代蔵書印譜. 青裳堂書店, 1984-2007【UM57-16ほか】
2)落款事典
・中野雅宗 編著. 日本書画鑑定大事典. 全10巻 国書刊行会, 2006-2013【KC637-L25ほか】
3)人名事典
・長澤孝三 編 ; 長澤規矩也 監修. 漢文學者總覽. 改訂増補. 汲古書院, 2011.10【H2-J8】
・国学院大学日本文化研究所 編. 和学者総覧. 汲古書院, 1990.3【H2-E2】
4)特別コレクションのディレクトリ
・国立国会図書館参考書誌部 編. 全国特殊コレクション要覧. 改訂版. 国立国会図書館, 1977.1【UL2-10】
・マティアス・コッホ [著]. 日本の大学所蔵特殊文庫解題目録. Iudicium Verlag, 2004【UP111-H96】
5)書物収集家名簿 ※収集領域や文庫名、庵号がわかるもののみ
・千里相識. 書物関係雑誌細目集覧. 第1巻. 日本古書通信社, 1974. pp.185-232 【UM1-2】※昭和10年の名簿。
・日本蒐書家名簿. 昭和13年版. 日本古書通信社, 昭13【730-192】 ※人名索引がないため東京府の部分のみ閲覧。
6)売立目録の目録
・都守淳夫 編著. 売立目録の書誌と全国所在一覧. 勉誠出版, 2001.11【K1-G13】
・柴田光彦 編. 反町茂雄収集古書販売目録精選集. 第1巻. ゆまに書房, 2000.8【UP27-G8】
・古書販売目録 検索システム(千代田区立図書館)( http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/wo/khm/
7)「金合文庫」の印影がある図書3点
・仏日契嵩 編. 傳法正宗記. 12巻. [延暦寺], 寛永7[刊] ※駒沢大学所蔵
・唐陳鴻 撰. 長恨歌傳. [元和2 (1616)] 【WA7-247】
・小瀬道甫. 保暦間記. [元和・寛永年間]【WA7-248】
8)著作名から取引情報がわかるツール
・弘文荘待賈古書目総索引. 増訂版. 八木書店, 1998.12【UP27-G6】
・東京美術倶楽部百年史編纂委員会 編. 美術商の百年. 東京美術倶楽部, 2006.2【K251-H31】
9)弘文荘待賈古書目. 第27号. 弘文荘, 1956【025.8-Ko474k】の12ページに「「尚古斎」「耕雨珍蔵」以下の朱印。」とあります。
10)蔵書印データベース(国文学研究資料館)( http://base1.nijl.ac.jp/~collectors_seal/
11)反町茂雄 著. 一古書肆の思い出. 4. 平凡社, 1999【UE111-G36】pp.207-208
12)文学を主とする明治大正文献在庫書誌. 万字屋書店, 1958【910.31-M179m】
 ※これは『萬字屋古書目録』として出版されたもので、古書販売目録 検索システムを参照すると49件ほど(連合目録含む)の所蔵が確認できます。

書誌事項末尾【 】内は当館請求記号です。
ウェブサイトの最終参照は2014年6月23日です。


(2020年12月2日 追記)-----------
当該事例にコメントをいただきましたので、情報を追記します。

2つの印のある国立国会図書館所蔵資料として、回答中に挙げた『長恨歌傳』【WA7-247】、『保暦間記』【WA7-248】のほか、『教誡新學比丘行護律儀』【WA7-285】があります。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10301836/2

また、改めて確認したところ、
12)文学を主とする明治大正文献在庫書誌. 万字屋書店, 1958【910.31-M179m】
のp.5(7コマ)に、万字屋書店の代表取締役が「小林秀雄」との記載があることがわかりました。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
既知は
NDL書誌情報ニュースレター2012年3号(通号22号)
  http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/bib_newsletter/2012_3/article_05.html

『國立國會圖書館所臧古活字版圖録』記載無し
『弘文莊古活字版目録』記載無し
NDL-OPAC、サーチ、リサーチナビ:注記に印記で数件出てくるのみ、レファ協DB
CiNii ブックス&アーティクルズ 手掛かり無し
『日本の蔵書印』小野則秋、昭和29年初版
『人と蔵書と蔵書印』国立国会図書館(雄松堂 2002年)
国文学研究資料館 蔵書印データベース http://base1.nijl.ac.jp/~collectors_seal/  
「小林蔵書」6件、「金合文庫」0件
『日本書誌学之研究』
p.「十七 文庫史」
p.62 「十八 蔵書印に関する問題」
Google「蒐書」×「小林」⇒「蒐書家として著名な東洋史学者 小林高四郎氏(1905-1987)」
小林高四郎『漁書のすさび』西田書店 1986 日本古書通信に寄稿した文章をまとめたもの。
慶応義塾大学図書館『和漢貴重書目録』2009年 「収集・旧蔵者リスト」
Google「印記」×「小林蔵書」より
・小林参三郎氏(1863-1926) 大部分が高野山大学図書館に所蔵とのこと
高野山大学図書館のサイトでは、蔵書印を見ることが出来ないため、未確認
・信州大学 近世日本山岳関係データベースより 小林義正氏 ⇒画像あり、蔵書印が違う

以上です。これ以上、思いつきませんので、どうぞよろしくお願いいたします。
NDC 
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000163090解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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