レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000158940提供館 (Library) | 島根県立図書館 (2110035) | 管理番号 (Control number) | 島根参2014-08-003 | ||||||||||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2014年08月27日 | 登録日時 (Registration date) | 2014年08月27日 16時51分 | 更新日時 (Last update) | 2015年10月14日 13時44分 | ||||||||||||||
質問 (Question) | 福岡と香川の正月飾りの注連縄の形の謂れを知りたい。 香川には三社飾り、五社飾りと言われる注連縄があるらしいので、それについても謂れを知りたい。 | ||||||||||||||||||
回答 (Answer) | 当館所蔵資料から以下の資料を紹介。 【資料14】『しめかざり たくさんのふしぎ傑作集』(福音館書店) p14-15:全国各地(北海道札幌市、秋田県秋田市、岩手県花巻市、群馬県中之条町、岐阜県高山市、京都府京都市、岡山県新見市、香川県高松市、福岡県福岡市、鹿児島県鹿児島市、沖縄県那覇市)のしめかざりをイラストで紹介。 福岡市と高松市のしめかざりが掲載されているが、謂れについての記述なし。 【資料2】『藁 2 ものと人間の文化史』(法政大学出版局) p346:図67「注連縄の意匠比較」 全国各地の注連縄の形が地図に書き込まれている。 福岡の「ススミテ」、香川の「メガネ」が記載されているが、質問者が見た写真の形とは異なっている。 謂れについての記述はない。 【資料4】『日本の民俗 37香川』(第一法規) p191-195 しめ飾りについての記述あり。 種類はデエ(座敷)の床の上にかける「ツル」または「ゴンボ」、地主神や水神・便所などにあげる「メガネ」など、と書かれている。 p192に「メガネ」の写真が掲載されている。 「メガネ」という名称は【資料2】にも記載されていた。 p195に三豊郡詫間町生里の正月の神棚の写真あり。横に細長い形をしており“オオジメを垂らしユズリハとワカバ、串柿をつける”と書かれている。 ※三社飾り、五社飾りという記述は見当たらない。 【資料5】『日本の民俗 40福岡』(第一法規) 巻頭口絵に福岡県志賀島の漁家のしめ飾り「ススミテ」の写真有り。 (「ススミテ」という名称は【資料2】にも書かれていた) p213元日の行事の記述あり。しめ縄の謂れについての記述はない。 【資料10】『月ごとの祭 民俗民芸双書 3』(岩崎美術社) p51-57「注連飾」 日本各地の注連飾りの特徴について書かれている。 p52に東京ゴボウジメ・長野シメカザリ・東京オカザリ・各地のワカザリ・福島シメ・秋田トシナワ、p53に鳥取大カザリの図版あり。 福岡と香川の注連飾りは記載されていない。 | ||||||||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | (1)インターネット情報で質問者の見た注連縄の形を確認。 福岡のしめ縄 http://blogs.yahoo.co.jp/hirolin_m7/62594250.html (最終確認2014/8/29) 香川の五社飾り、三社飾り http://beniya.m78.com/b-yori_simenawa12.html (最終確認2014/8/29) ※香川の「三社飾り」は「アマテラス、氏神、家の神」の象徴だと聞いたが、五社の場合、あと二つがわからない、とのこと。 (2)画像をもとにNDC分類「386」の棚をブラウジングして、注連縄に関する記述を調査した。さらに「586」製造業と「170」神道の資料で、藁と注連縄について書かれた記述を探した。 ◆以下の資料は調査済み。 【資料1】『藁 1 ものと人間の文化史』(法政大学出版局) p301-303:滋賀県朽木谷の年中行事とワラの関わりについて書かれておりp303に注連縄の図版がある。全国各地の注連縄の形についての具体的な記述はない。 【資料3】『図説藁の文化』(法政大学出版局) p377-466「祭具・神具」の項目に、年中行事、通過儀礼に使われる様々なワラ製品について図版と解説が書かれている。 p383-399「注連飾り1~8」には、各県の注連飾りの絵と名前、解説が書かれているが、福岡と香川は記載なし。 【資料6】『図説日本民俗学』(吉川弘文館) p201-204 正月飾りについて書かれており注連飾りの写真が載っているが、全国各地の記述はない。 【資料7】『しめかざり』(海鳥社) 北九州市小倉の「しめ飾り」にまつわるエピソードが、作り手の視点で書かれている。 【資料8】『年中行事図説』(岩崎書店) 正月飾りとその形について、以下のように書かれている。 p22-23「正月注連」 注連縄の形は極めて多いが、三つ四つの基本的形式がある。 一般にところどころに藁の切下げが垂れており、その効果を強めるために、真白い紙を細く剪って垂らす。 さらにその上に裏白などの山草・ゆずり葉・橙・ホンダワラなどの海藻や海老を添える。これはいくらか幸木の性質を帯びたものと思われる。 p23に図版あり。 p24-25「幸木(さいわいぎ)・懸の魚」 門松の根もとなどに立てられる年木と同系統のものと、家の内庭の上などに吊った長い木に正月用の食物をかけつらねたものがある。 正月食物の飾りを注連縄と結合させたものは広い区域にあり、注連に横竹を長く渡して竿にしたものが多い。 p25に図版あり。 【資料9】『江戸の庶民生活・行事事典』(東京堂出版) p6-7「門松・注連飾り」 正月を迎える祝賀としての門松・注連飾りには地方によって様々な差異がある、と書かれている。 p7に門松と注連縄の図版あり(『守貞漫稿』) 【資料11】『江馬務著作集 第5巻 普及版 食事と住居』(中央公論社) p191「正月の飾り物と食べ物の由来」に、注連縄とその形について、以下のように書かれている。 “暮れのうちに煤掃、注連縄、鏡餅や小餅をつかせ、門口には門松、床には鏡餅を飾り、蓬莱を作る家もある。この注連縄は「しりくめ縄」ともいう。 天照大神が天岩戸に籠って天地が暗闇になった時、再びそういうことがないよう藁縄を作って戸口に掛けた。これが「前垂注連」で、これの簡単なのが「輪注連」である。” 【資料12】『江馬務著作集 第8巻 普及版 四季の行事』(中央公論社) p28-29 明治以前の「注連縄」の形について、以下の記述がある。 “注連縄にはいろいろの形式がある。最も古い形式は「前垂れ注連」卜部家の神道では七本、五本、三本を左綯にして垂らすことから「七五三縄」とも言われた。輪になったものは「輪注連」という。 京都では前垂注連をくるくる巻き込んで作った「ちょろけん」が幕末から用いられ、明治になって「玉」の形ができた” p416:明治以後は家庭における正月行事は疎んぜられる傾向にあり、家庭により区々となった。注連は門松よりも一層衰えた、と書かれている。 【資料13】『神道大辞典 第2巻』(平凡社) p38「五社」 特殊の事由により五社の神社を総合したもの、または一社にして祭神の御所なるをもいう。 p124「三社」 天照皇大神宮、八幡宮、春日神社を指して特に三社という。 ※香川県の「三社飾り」「五社飾り」との関連は分からない。 p166「注連飾」 注連縄を装飾的に見て呼び習わした名称。 多く民間に於いて新年に神棚、床の間、竈、井戸、門戸、街路の両側等に張り渡し或いは懸けたもの。 現在は装飾の如く取り扱われて居る場合が多いが本義は清浄を俟ち、汚穢を隔てる意義を有する。 p166「注連縄・七五三縄」 神前、神聖な区域等に渡して不浄を界隔する。 もとは尻久米縄、端出之縄といい藁の尻を断去せず込めおく縄の義。起源は「天岩屋」である 注連縄には、その形によって前垂注連、鼓の胴、大根注連、牛蒡注連、輪飾り等の種類がある。 いずれも新しい藁をもって左綯にして紙垂を挿んで垂れる。 p273「別図17」前垂注連縄、牛蒡注連縄の写真あり。 ◆以下の資料は調査済み。祭礼について書かれているが、注連縄についての記述なし。 『祭礼行事・香川県 都道府県別』(桜楓社) 『祭礼行事・福岡県 都道府県別』(桜楓社) | ||||||||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||||||||||
寄与者 (Contributor) | 備考 (Notes) | ||||||||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 図書館 | |||||||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000158940 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 未解決 |